PCテクノロジートレンド 2025 - プロセス編「Samsung」と「Intel」
マイナビニュース / 2025年1月2日 10時0分
ところが2024年9月の時点で少なくともP5の建設は一時中断。早ければ2025年1~2月に再開される可能性もあるとされるが、現実問題として2026年までずれ込む可能性が高いと見られている。また既に存在するP4 Fabについても、現時点で第4フェーズは現在全く見通しが立っていない。また第2フェーズが後送りとなっており、現在第3フェーズが前倒しで実施され始めている。これに伴い2024年9月に入ってから、第2フェーズ向けの製造装置のメーカーに対して納入を延期するよう通達が行われている事も報じられた。
取りあえず、P4 FabはNANDフラッシュに続きDRAM、それも需要が切迫していると見られているHBM3eの生産を行っている模様だ。このHBM3eも色々と問題はある(こちらはSK Hynixに先行してマーケットを取られてしまい、Micronにも負けている状況)が、ただHBM4は2026年(SK Hynixは2025年に発売するとしているが、HBM4を使うアプリケーションが本格的に出てくるのは2026年だろう)になる事を考えると2025年中はHBM3eの需要が引き続き発生すると思われるので、第3フェーズを前倒ししても作るモノには困らない。とはいえ宙に浮いた第2フェーズをどうするのか、いつまでも宙に浮かせておくわけにもいかないだろう。
もっと困ったのがTaylor Fabである。こちらは元々2024年中に稼働を開始する予定だったが、色々遅れが重なり、2026年後半まで稼働開始がずれ込んでいた。元々は2024年にSF4の量産を開始、そのあとSF3を経てSF2にシフト、という計画だった訳だが、その稼働開始が2026年までずれ込むとなると、「今更4nmの量産をしても仕方ないのでは?」という議論が出てくるのは当然であり、結果として当初の計画にあった4~3nmの量産を取りやめ、いきなりSF2と続くSF1.4の量産工場になる計画だった。
ところが現状SF2/1.4どころかSF3の量産すらおぼつかない状況では、2026年の稼働を目指して設備を入れたところで、無駄に設備が遊んでいる状況になりかねない。P4 Fabと異なりTaylor FabはDRAMやNANDフラッシュの製造の予定は無いから、工場を建設しても代わりに作るものが無い。この結果としてTaylor Fabは操業縮小および人員削減に踏み切る事を決定したとBusiness Koreaが2024年9月11日に報じている。
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