1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第8回 中興の祖、小林宏治の「C&C」宣言

マイナビニュース / 2025年1月7日 12時0分

画像提供:マイナビニュース

第2の創業、世界をリードした「C&C」宣言

NECの「中興の祖」と呼ばれるのが、小林宏治氏である。

NECにはもともと社長という役職がなく、創業者の岩垂邦彦氏をはじめ、4代目までは専務取締役が経営トップであり、4代目の梶井剛氏が、在任中に専務取締役から、初めて社長に就任している。梶井氏を含めて、それ以降の社長は住友出身が続き、7代目の経営トップとなった小林氏は、NEC初の生え抜き社長でもあった。

小林宏治氏は、1907年にNECに入社。戦前には無装荷ケーブルの開発を担当するなど、主に通信事業に携わり、戦後は玉川向製造所長を務めた経験を持つ。

技術や生産分野に精通していると同時に、海外市場の開拓や外国企業との提携などの面でも活躍し、国際的視野も広かった人物だ。
1965年「世界第一級の会社に」「世界第一級の製品を」

東京オリンピックの閉幕直後の1964年11月30日に社長に就任した小林氏は、それからわずか約1カ月後となる1965年1月の年頭挨拶で、「世界の第一級の会社に」、「世界第一級の製品を」をNECのスローガンに掲げ、「経営トップ構造の改革」、「事業部制の徹底」、「ZD運動の展開」の3つで構成する「経営刷新プログラム」を打ち出した。

「経営トップ構造の改革」では、「点から面へ」と表現し、それまでの社長という「点」にすべての権限が集中し、直轄事項が40以上にのぼっていた体制を刷新。社長を中心とする「最高経営グループ」を構成し、常務以上の役員を社長の分身に位置づけることで、意思決定の遅れと、経営の硬直化の打破に取り組んだ。

「事業部制の徹底」では、1961年に導入した事業部制の実行に課題があると判断。とくに、工場と販売の一元化が行われず、両部門の協力関係が弱かった点にメスを入れ、「営業機能を持たない事業部は事業部に非ず」という基本方針を徹底し、作ったモノは責任を持って売り、さらに、販売を通じてキャッチした顧客のニーズを製造にストレートにフィードバックする体制構築を進め、技術、製造、営業の三位一体の実現を目指した。

そして、3つめの「ZD運動の展開」は、Zero Defects(無欠点)の意味を持ち、企業活動における欠点を無くす活動を目指した。

工場などで導入していたQCサークル活動と一本化し、従業員1人ひとりの注意と工夫によって、仕事上の誤りの原因を除去。はじめから正しい仕事をすることによって、品質と原価と納期に対して、効果的に仕事を進める手法を確立することを目指した。また、ZD活動は、単に製品の無欠点を目指すだけでなく、NECのすべて社員が活動に参加する機会をつくり、各組織において、社員を小集団活動に動員するという新しいアプローチへと発展していったという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください