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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第9回 TK-80とBit-INNとPC-8001、日本のパソコンの夜明け

マイナビニュース / 2025年1月14日 12時0分

TK-80の成功を受けて、NECは次のステップとして、パソコンの開発に着手した。

1978年夏頃から、コードネーム「PCX-1」と呼ぶPCを、デバイス部門が開発し始めたのだ。

1977年には、精工舎やソード、日立製作所、シャープがパソコンを発売。さらに、海外からはAppleIIや、コモドールのPET-2001、タンディラジオシャックのTRS-80といった御三家と呼ばれたPCがすでに日本に輸入されていた。それに比べるとNECのパソコン市場への参入は遅れていたといえる。

だが、NECに焦りはなかった。TK-80で培ったサードパーティーの存在や、全国に広がる販売網を活用することで、NECのパソコン事業を加速できると考えていたからだ。

開発が遅れていた理由も明確だった。それまでのトレーニングキットでなく、コンピュータというかたちで商品化するのに際して、より多くのユーザーの声を取り入れようとしたこと、FDD(フロッピーディスクドライブ)ユニットやディスプレイも同時並行で開発し、カラー化にも取り組み、満を持して、NECならではのパソコンの投入を目指したからだ。

PC-8001は、1979年5月9日に、名称は未定としながらもニュースリリースで発表。5月16日から開催された第3回マイクロコンピュータショウには、試作機を初めて展示して話題となった。それを受けて、同年9月には、大きな注目が集まるなか、PC-8001の販売を開始したのだ。

ちなみに、NECが発表したニュースリリースは、「性能、経済性にすぐれたパーソナルコンピュータの発売について」というタイトルになっており、「CRTディスプレイ上の文字表示能力、カラー表示能力およびROMの容量等において、世界の従来機種をしのぐのをはじめ、従来機種が個々に特長としていた機能をすべて備えるなど、数多くの特長を持った本格的なパーソナルコンピュータであります」と記述。「新製品は、従来のコンピュータ学習、ホビー用としてはもとより、パーソナル規模の業務用として活用されることを大いに期待している」とも書かれている。NECが、新たに進出するパーソナルコンピュータの事業に、大きな期待と自信を持っていることが伺われる。また、販売開始を8月としており、当初計画よりも1カ月遅れでの発売となったことがわかる。

NECは、PC-8001においては、米マイクロソフトのBASICを採用することを決定した。

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