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変革の軌跡~NECが歩んだ125年 第10回 国民機「PC-9801」誕生、栄華を極めた国産パソコンと迫るDOS/V時代

マイナビニュース / 2025年1月21日 12時0分

コンパックショックの対抗措置として、NECは、1993年1月に、低価格路線を打ち出した98FELLOWシリーズと、Windows 3.1に対応した最適なPCとして98MATEシリーズを発表。「NECが投入するPCは単純な低価格機ではない」とし、ソフトウェアの継承性やサービス、メンテナンスの拡充を図りながら、日本語処理における他社を凌駕する処理速度の継続、国内で年間100万台以上の販売実績を背景に、機種間の部品の共通化などによる生産コストの一層の低減などにより、コストパフォーマンスの継続的な向上と、ユーザーニーズに的確に対応した製品を供給できる点を強みとして訴求した。

さらに、1995年には、パソコンの利用環境の変化を意識し、市場別の機種展開を開始。企業向けにネットワーク機能を強化したMATEシリーズ、コンシューマ向けにマルチメディア対応を進めたValueStarシリーズを発売した。ノートPCでは、世界初のTFTカラー液晶搭載の98ノートカラー、A4サイズの98ノート Lavieを発売し、98包囲網の動きに対抗してみせた。

また、Windows 95以降、Windowsが標準OSとなったことを受けて、NECは1997年に、「新世界標準パソコン」と銘打ったPC98-NXシリーズを発売。これは、1997年にマイクロソフトとインテルが、将来のパソコン像として共同でまとめた「PC97/PC98システムデザイン」で示された仕様を、世界に先駆けて採用したものであり、PC-9800シリーズと、DOS/Vパソコンに代表されるPC/AT互換機に代わるグローバルスタンダードと位置づけた。PC98-NXという新たな型番を付与したことからも、NECが賭けた意気込みが伝わってくる。

PC-98NXのニュースリリースのなかでは、「デファクトスタンダード確立のリーディングカンパニーとなるための新たな挑戦として商品化するものである。次世代の世界標準にいち早く取り組むとともに、先進機能を先取りしてユーザーに提供するため、新しいパソコンのシリーズを発売する」と、PC-98NXを位置づけた。

だが、これもグローバルスンダードの宿命である。この時期になると、NECのパソコンと、他社のパソコンとの差別化が極めて難しい状況となり、「新世界標準」にいち早く対応しても、シェアを高めることはできなかった。

こうしたなか、NECは、パソコン事業の起死回生に向けて、大きな一手を打ちはじめていた。
(大河原克行)



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