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家族が認知症になりまして 第2回 九州男児の父の自信も回復? “認知症の解像度”が高い福岡市が推進するコミュニケーション・ケア技法と「オレンジ人材バンク」とは

マイナビニュース / 2025年1月27日 9時5分

そういった方々は、仕事が終わっても帰りたくないっておっしゃいます。普通は仕事が終わったら早く帰りたいと思うんですけどね(笑)。

――居心地がいいんでしょうね。人材バンクには現在どれくらいの方が登録されているんですか。

現在22名の方が登録されています。また、イベントの時にはデイサービスなどの介護事業所も一緒に参加し、結構な人数になりますよ。
○■困りごとの原因を明確化して、デザインで解決する

トイレの失敗には原因があるという話。それをデザインによって解決できるというのは目からウロコでした。白い壁に白いドアだと、空間認識がしづらい認知症の人にはドアがどこにあるかわからない。だから家の中でトイレを見つけられなくなってしまう。そんな、聞けば一瞬で理解できる理由があったとは。福岡市では、認知症の方にも一般の方にもやさしいデザインを生み出し、街全体に広げることを目指しているそうです。

――福岡市で取り組んでいる「認知症の人にもやさしいデザイン」について教えてください。

イギリスのスターリング大学に認知症の研究機関があり、そこにデザインの評価基準があります。福岡市はそれを参考に、認知症当事者の意見も取り入れて「認知症の人にもやさしいデザイン」を開発しています。壁もドアも白だと認識しづらいのは“色のコントラスト”ことも要因の1つと考えられるので、色を替えるなど工夫しています。また、識別できる空間の広さが狭くなるのは、僕たちが歩きスマホしている時に手元しか見えていないのと同じようなことだと考えています。だからトイレやエレベーターなどのサインを目線の高さにサインを掲示したり、ピクトグラムも伝わりやすいものを考案しています。

――フレンドリーセンターはそのショールームのようになっていて、私たちにとってもわかりやすいと感じます。福岡市は大規模な都市開発が進んでいますが、今後、これらは公共施設に導入されるんですか?

公共施設を整備する時にはこのデザインを取り入れていて、博多区役所や地下鉄櫛田神社前駅などでも、サインをわかりやすくしたり、よく見たら床と壁の色分けしてあったち、さりげなくやっています。これを街中に広げることができれば、多くの方々の不安が過度にならずに街を歩けると思います。

――認知症のためと前面に出していないことも心理的負担にならずにいい効果がある気がします。

そうなんです。それにそういう空間は多くの方々にとっても過ごしやすいんです。実際にセンターは「認知症の人にもやさしいデザイン」を取り入れているので、訪れる方が安心して過ごすことができているんですね。ふらっと寄って長時間いらっしゃる常連さんもいる。まさに環境が与える影響があるんだというのを、ここで体験することができます
○■認知症をとりまく日本の現在と未来

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