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2025年、宇宙開発の未来図 - 新型ロケットや民間月探査、注目ミッション総まとめ 第2回 探査機・科学衛星編 - 2025年も注目の民間月探査、宇宙の始まりや太陽圏の謎に挑む探査機

マイナビニュース / 2025年1月24日 15時0分

SPHERExは、近赤外光を使って全天を観測し、宇宙が誕生した直後の急速な膨張「インフレーション」の痕跡や、生まれたばかりの惑星系に水や有機分子がどれくらい含まれているなどを調べ、宇宙、そして生命はどのようにして誕生したのかという大きな謎について解明することを目指している。

PUNCHは太陽コロナを研究することを目的とした衛星で、低軌道で4機の小型衛星を編隊飛行させて3D観測を行い、コロナの質量とエネルギーがどのようにして太陽風になるのかなどを調べる。

悲願の火星探査機「ESCAPADE」

打ち上げ延期を重ねてきたNASAの火星探査機「ESCAPADE」が、いよいよ3月にも飛び立つ。

ESCAPADEは、同型の2機の探査機からなり、火星の周回軌道で、それぞれ離れた位置から同時に観測を行い、火星の磁気圏と太陽風の相互作用を調べることを目的としている。

当初は小惑星探査機「サイキ」(Psyche)と相乗りで打ち上げられる計画だったが、サイキの開発が遅れ、打ち上げ時期と軌道が変わったことで、相乗りでは火星に到達できなくなった。その後、前述のニュー・グレンの初飛行に搭載されることになり、2024年10月の打ち上げが設定されたが、今度はニュー・グレンの開発が遅れたことで、ふたたび延期を強いられた。

ちなみに、火星探査機の打ち上げに適した時期は、地球と火星の位置関係から、2年2カ月ごとに訪れる。2025年はその好機から外れているものの、軌道を工夫することで、当初の予定よりも遅れるものの、火星に到達できる見込みが立っている。また、期待される科学的成果も失われないという。

小惑星サンプルリターンをめざす中国の「天問二号」

近年、宇宙科学分野でも存在感を高めている中国は、5月に小惑星探査機「天問二号」の打ち上げを予定している。

天問二号は、地球近傍小惑星の「カモオアレワ」(469219 Kamo'oalewa)を探査し、着陸して石や砂といったサンプルを採取して持ち帰るサンプルリターンに挑む。

さらに、サンプルが入ったカプセルを地球へ送り届けたあと、探査機本体はふたたび惑星間空間へ戻り、そしてメインベルト彗星「311P/PanSTARRS」を訪れて探査を行う。

小惑星からのサンプルリターンに成功すれば、日本と米国に次いで世界で3番目の成果となる。また中国は、「天問三号」で世界初となる火星からのサンプルリターンを、さらに「天問四号」では木星と天王星の探査を目指しており、こうした将来のミッションに向けた布石にもなる。
太陽圏を観測する「IMAP」

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