大河原克行のNewsInsight 第350回 テレビ事業売却の覚悟もある、パナソニックが全事業再編の方針示す
マイナビニュース / 2025年2月4日 23時57分
パナソニックグループは、2024年度を最終年度とする中期計画において、3年間の累積営業キャッシュフロー2兆円、累積営業利益1兆5000億円、ROE10%以上という目標を打ち出したものの、達成したのは累積営業キャッシュフローだけである。
「固定費構造、競争力強化、重点投資領域の3つの取り組みが起因となって、各事業の競争力と収益性、間接コストで課題を残した。これを重く受け止めている。この中期計画は、事業会社制で挑んだが、そこで明らかになった課題があり、これを克服するためにも、事業競争力の発揮を阻む組織構造やコスト構造を、抜本的に再構築する必要がある」とし、「個別最適からグループ全体最適へのリソースの集約を進める。グループの経営資源を、お客様の価値創造へ集中し、将来にわたってお役立ちを続けられる企業構造へ転換していく」と述べた。
楠見グループCEO体制になって以降、パナソニックグループでは、2022年度までの2年間、事業会社主導で構造改革に取り組んできた経緯がある。
楠見グループCEOは、「自分で事業会社を担当していたときには、事業の現場に関与しない本社から指示が来ることに対して、『放っておいてくれ』という感覚があった。そこで思い切って事業会社に任せてみようと考え、意図的に遠心力を利かせた。だが、実際にやってみると、数字で結果が残せなかった点ではガバナンスが利かなかったという反省がある」と振り返った。
課題の起因は「固定費構造」「競争力強化」「重点投資領域」
今回のグループ経営改革は、課題の起因とした固定費構造、競争力強化、重点投資領域の観点からメスを入れる考えを示す。
固定費構造では、パナソニックホールディングスや各事業会社を対象にコストを大幅に削減。間接部門や販売部門を中心に業務プロセスを抜本的に見直し、正味付加価値につながらない業務は廃止。生成AIの活用やDXの徹底により、生産性を大幅に高めるという。また、製造部門や物流部門、販売拠点では、統廃合により、効率化を図ることも明らかにした。これは2025年度に方向付けを行い、2026年度までに完了させる。さらに、2025年度中には、本社および間接部門の人員の徹底最適化を進め、雇用構造改革も推進するという。
「様々な経緯で積み重なり、硬直した固定費にメスを入れ、グループが将来に渡って、お役立ちを果たし続けるための固定費水準に戻す。グループ全体で雇用構造改革を実施し、リーンな体質を実現し、グループ全体の固定費構造を大きく変えることになる。必要な組織や人員を、ゼロベースで検討し、スリム化する」と説明した。
この記事に関連するニュース
-
パナソニックHDが再編、一部事業で撤退検討 家電会社も解散
ロイター / 2025年2月4日 21時8分
-
2024年度暫定決算:ボッシュ、市場動向が障壁に
Digital PR Platform / 2025年2月3日 12時0分
-
キユーピー、過去最高益達成 25年度は体質強化の試金石に
食品新聞 / 2025年1月28日 8時10分
-
パナソニック「AI関連売上高を10年で3倍」の覚悟 このままだと「化石になってしまう」と楠見社長
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 8時0分
-
上意下達文化からの脱却 危機的状況のパナソニックを打開するために楠見グループCEOが掲げる「啓」から「更」
ITmedia PC USER / 2025年1月8日 10時5分
ランキング
-
1個人情報保護委員会、中国AI「DeepSeek」利用に注意喚起 林官房長官も「留意を」
ITmedia NEWS / 2025年2月4日 22時0分
-
2アクセス厳禁の「邪悪なWebサイト」に要注意! 閲覧しようとクリックしただけで端末が乗っ取られてしまった恐怖の事例を解説
ニコニコニュース / 2025年2月4日 18時10分
-
3【ヤフオク】ブックオフから買った“約8000円のジャンク品”→開封したら…… “ぶっ飛んだ代物”にネット大興奮 「夢が広がる」
ねとらぼ / 2025年2月4日 21時0分
-
4マウスコンピューターが「G TUNE」リブランド、今後のRTX 5080の供給は「大丈夫」
マイナビニュース / 2025年2月4日 18時0分
-
5「iPhone SE(第3世代)」と「iPhone 14」の価格下落が顕著に Back Marketがリファービッシュ品の価格変動を調査
ITmedia Mobile / 2025年2月3日 16時59分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください