1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

大河原克行のNewsInsight 第350回 テレビ事業売却の覚悟もある、パナソニックが全事業再編の方針示す

マイナビニュース / 2025年2月4日 23時57分

とくに、大なたを振ることになるのが家電事業の再建である。

事業構造および体制を抜本的に見直す考えを示し、グループに分散する白物および黒物の家電事業を集約して事業会社化し、専鋭化を進めることで、家電市場に集中して向きあう体制を整える。また、国内の間接部門については、業務効率化やスリム化を実施。日中連携により、量産開発を中国にシフトし、日本の量産開発リソースの適正化を進める。

さらに、国内マーケティングについては、付加価値生産性という観点で見直しを行い、競争力が高く、今後のD2Cの拡大に合わせた体制へと変革させる。海外マーケティング部門は、家電各事業の製販連結での収益向上の観点で、各地域の商品ポートフォリオを見直し、必要な改革を進めるという。

楠見グループCEOは、「家電事業はパナソニックグループにとって大事な事業である。そのためにも高収益にしなくてはいけない。必要ならば大なたを振る必要がある」とし、「家電事業の再建については、中国で磨いてきた技術力と設計力を活かして、ジャパンクオリティを、世界で戦えるグローバル標準コストやチャイナコストで実現し、収益力を高める。また、開発、製造、販売のそれぞれのリソースで適正化を図り、拠点集約やスリム化などの構造改革を進める」と語った。

ソリューション領域の成長推進で、グループ全体の成長加速

一方で、ソリューション領域においては、成長戦略を推進する。

楠見グループCEOは、「ソリューション領域には、グローバルトップシェアに入る競争力が高い事業が数多く存在する。なかでも、、エネルギーソリューションとSCMソリューションの共通のお客様に対して、ワンストップで向き合い、お客様の求める価値を創出し、提供することで成長を図ることができる」と述べた。

ここでは、シナジーの創出に向けた新たな取り組みがベースになる。

家電事業を担当するパナソニックが、5つの分社を傘下に置き、シナジーを狙ったが、くらし事業の範囲だけでは顧客課題に向き合うことが難しくなっていたことを指摘。「パナソニック傘下のエレクトリックワークス社と、パナソニックコネクトの現場ソリューション事業が連携し、顧客起点での提案が進んでいる。また、パソナニック傘下のコールドチェーンソリューションズ社の米国ハスマンと、パナソニックコネクトのBlue Yonderでは、食品小売業の共通の顧客を対象に、フードサプライチェーンの視点での新たな価値創出に期待できる」とし、「今後は、ソリューション領域に注力し、そこでのグループシナジーを発揮していく。そのためには、くらし事業の範囲を超えた顧客課題や社会課題に、グループ全体で向き合う体制に変える必要がある。この課題に対応する取り組みのひとつとして、2025年度中にパナソニック株式会社を発展的解消し、傘下にあった分社を事業会社化することになる」と述べた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください