も〜いーくつね〜る〜と〜お正月〜 - ふるまい よしこ 中国 風見鶏便り
ニューズウィーク日本版 / 2014年2月2日 12時11分
中華圏は1月31日に旧正月「春節」を迎えた。昔、香港で過ごしていた頃は、この旧正月が近づくと「眠らない」と言われるあの街にわやわやと1年に1度の正月ムードが広がり、人々の口から正月を迎える古い習慣が飛び出すようになる。例えば、旧暦12月23日には「かまどの神に感謝して奉る」日で、この日からかまどを休ませ、店にシャッターを下ろすレストランもあった。続けて同24日には「正月用の揚げ物を作る」、同25日は「正月用の蒸し物を作る」、同26日は「大掃除をする」、同29日は「入り口に福を迎える張り紙をする」、同30日は「家族揃って食事する」、そしてその食事を終えると正式に新しい1年が始まる。
だが、これは中国の農村部で一族郎党集まって過ごした時代の伝統をそのまま伝承したもので、共働きも多い香港でこれをきちんと実現するのは難しい。知り合いの若夫婦のほとんどは日頃家にいる親たちに正月の準備を任せ、正月2日前からの休みで買い物や飾り付けを手伝うというパターンだった。香港は狭いので、正月はそうして準備された両親の家に行ってお正月気分を味わい、自宅に戻ると簡単に準備したお正月食品などを食べて過ごす......。まぁ、今ではスーパーも正月1日目から開いているし、それほど不自由なことはない。
一方で中国は日頃から故郷を遠く離れて暮らす人が多く、彼らにとって旧正月は1年に1度故郷に戻る、嬉しくもあり大変な時期でもある。1ヶ月前から旧正月シーズンの列車や飛行機のチケット手配に気もそぞろになる。ある友人は北京では人も羨む仕事についているが、実家が空港から不便なこともあり、飛行機は頭から諦めて列車で帰郷するのが毎年の習慣で、先週やっと夜行列車の切符を手に入れた。
だが、彼たちのような勤め人にとって最も頭が痛いのは、旧暦正月の休みが毎年微妙に違うことだ。それを決めるのは政府で、毎年、陽暦の新年が近づき、街に新しいカレンダーが並び始めてやっと政府の「休日弁公室」が翌年の「法定休日」を発表するのである。基本的には旧暦正月や国慶節は7連休で、その他メーデーなど1年のいくつかの祭日は土日と組ませて連休にする「工夫」が凝らされる。しかし、問題はこの「連休」化の代価として休日弁公室が前後の土日を「振替出勤日」とすることだ。そしてその出勤日が毎年発表されるまでわからないことだ。
たとえば、今年の「法定休日」はこう決められている。
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