個人を尊重する社風づくりで電力業界の競争を勝ち抜く
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月8日 18時14分
従業員は、「いつでもどこでも働ける」自由を謳歌しながらも、オフィスの価値、仲間の価値を忘れることはない。オフィスが好きで週4で出勤する従業員もいるという。
「何日出勤しても『来なくていい』とは言いません(笑)。逆に週1日しか来ない人がいても構わない。選択肢があるということが重要なんです。もちろんチームのベストパフォーマンスに貢献するのが大前提。しかし働き方は個人に委ねられる。そのチームにおいて、どんな働き方なら自分はハッピーでいられるのか。皆がそう考えて、思い思いの働き方を選択しているのです」
「モノをどう配置するか」から「どう働くか」への転換
エッセントのチェンジマネジメントは、単なるオフィス空間の変化に留まるものではない。自宅勤務に象徴されるように、働き方の革新を伴うドラスティックなものだった。
エッセントのワークスペースの変遷をたどれば、コストとメンテナンスを減らして効率化を図るという点で一貫している。80年代はごく伝統的なオフィスレイアウト、90年代はオープンスペースに。しかし2010年代に入ると、働く環境そのものを変える動きが芽生えた。
そこで重要なのは、空間にモノをどう配置するかではなく「どう働くか」の視点だ。プロジェクトのタイトルは『How Do We Work Together』とずばり題されている。今や、オフィス設計はファシリティ部門だけで担えるものではない。事実、今回のプロジェクトもITやHR、ファシリティなど各部門の共同によりプランニングされたものだ。
ブロウメルス氏はマネジャーとしてプロジェクトに関わった人物の1人。ファシリティデザインや仕事の文化的変化の将来に関する部分に携わった。その仕事はファシリティそのものに限定されるものではないと自認している。
(左上)2階の執務スペース。部署の業務内容によっては固定席を持つところもある。(左下)2013-2014年度Dutch Workplace AwardsでNo.1に輝いた際に授与されたオブジェ。(右)1階オープンスペース奥のミーティングブース。オープンではあるが、囲われ感があることで落ち着いて話に集中できる。
地下のミーティングスペース。部屋ごとにデザインのテーマが分かれている。会議室としてだけではなく研修にも使われることが多いそう。
エントランスエリアにあるブース席。自社の電力を来訪者が利用できることでPR効果も狙っている。
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