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オフィスデザインに訪れた「第四の波」とは何か

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月26日 18時36分

そうすると、例えば短期間のプロジェクトでは技術チームをコワーキングスペースに置き、終わったら別の場所に移動させるといった自由度の高いオフィスデザインが可能になります。オフィスというひとつの容れ物ではなく、スペースのネットワークを持つという考え方です。グーグルのキャンパスロンドンやSAPがシリコンバレーにオープンしたカフェ「HanaHaus」などに見られるように、自社オフィスを持っていても外部の共同スペースを利用する現在のトレンドは、こうした発想が軸にあると考えられます。

そもそもソーシャル・デモクラティック・オフィスは、より人間的な職場環境を提供し、コミュニティを創造するという高い理想を持っていました。しかしこれが希釈され、概念だけを使って平凡でつまらないオフィスが多く作り出され、低いレベルのミッションと低いサービス提供の企業キャンパスが増えてしまったという経緯があります。

コワーキングスペースの中には高度なサービスを提供しているものがあり、それらはソーシャル・デモクラティック・オフィスの欠点を補います。動線がたくみに設計され、素晴らしいコーヒーがあって、有能なコンシェルジュがいて、3Dプリンタのサービスを提供していたりする。さらには、テクノロジーのスタートアップやベンチャーキャピタルを集めるといった高度なミッションを持つものもあります。それはビジネスの推進力になり得ます。



働き方は再び変化する。したがってオフィスも変化する

ソーシャル・デモクラティック・オフィスは、建築物という「箱」の内部環境を心地よく、しかも働きやすいように整えていくことで実現します。人々は機能性と快適性を追究し、ランドスケーピングを追究し、空間設計、インテリアデザイン、家具、照明を洗練させてきた。目の前にあるモノを改善するという意味で、それはシンプルな企てでした。

しかし突然、グローバリゼーションにより、タイムゾーンの異なる世界の人々と仕事をするようになりました。オフィスには物理的に存在する人もあれば、デジタル的に存在する人もいます。地球の裏側にいる人と電話するには夜遅くまで待たなければなりません。全てのメンバーが同じ空間にいた時代のようには、ことがシンプルに運ばなくなりました。

ネットワークド・オフィスはそうした問題の解決策をもたらすものでもあります。コストをより良くコントロールし、スペースを最適化するチャンスを与えてくれます。社員の行動に応じてスペースを再構成する柔軟性の高いオフィスは、さまざまな価値をもたらしてくれるのです。

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