恐怖のエボラ出血熱がコンゴ民主共和国で流行中

＜西アフリカを恐怖に陥れたエボラ出血熱が、今度はコンゴ民主共和国で流行――効果99%のワクチンも接種が進まない理由とは＞

2013年末から16年にかけてギニアやシエラレオネなどの西アフリカで大流行したエボラ出血熱が、今度はアフリカ中部のコンゴ（旧ザイール）で猛威を振るっている。

最初の患者が確認された昨年8月以降、感染者は2500人を超え、そのうち1600人以上が死亡。新たな感染者が1日に12人のペースで増えていると推定される。

7月14日には、100万人以上の人口を擁する東部の中心都市ゴマで初の感染者が発生。さらに隣国ウガンダでも死者が確認された。こうした事態を受けてWHO（世界保健機関）は17日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

エボラ出血熱の対策としては既にワクチンが開発されており、その効果は99%と言われている。だがコンゴでは医療従事者に対する不信感が根強い上に、エボラウイルスの存在自体を信じない人も多く、ワクチン接種は思うように進んでいない。さらに政治の混乱や、武装勢力による医療機関への襲撃もエボラ対策の足を引っ張っている。

＜本誌2019年7月30日号掲載＞


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ウェスリー・ドカリー