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日本人は「政治に興味ない」「専門的に生きている」──外国人のお笑い座談会より

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月6日 9時45分

パックン それは芸人目線じゃん。オーストラリア人目線だったら?

チャド オーストラリア人には、その違いを伝えていきたいと思っている。

パックン 日本のお笑いは面白い、それは僕もそう思っているけれど、ケツバットが(その面白さを伝える)邪魔をしていると思うんですよ。

でも面白いよね。日本は穏やかな文化で、暴力はあまりないし、司法制度の懲罰も軽いんだけど、お笑いはちょっと激しい。アメリカは社会が超暴力的なのに、お笑いは穏やかですよ。ツッコミもない。けなしたり、毒舌で笑いを取ったりすることはあるが、ケツバット的なものは全くない。

じゃあ、そろそろ政治にいきましょう。政治ネタができない日本をどう思いますか。

周 日本はできない? 政治家をいじったりできるし、実際してますよ。まぁ最近はね、安倍さんが強くて忖度とかもあって、みんなビビってるんだけど。日本で本当にできないのはたぶん、皇室だよ。皇室は絶対できない。

編集者 確かに。絶対できない。

パックン これはイギリスと大違い。それこそ、エリザベス女王が下ネタのオチになったりするんですよ。何でもありです。



「日本人は今、そこまで不満がないんじゃないか」

ナジーブ 政治とちょっと違うけど、アイデンティティーのユーモアがある。これは面白いと思いますね。日本でもネタにできる可能性があると思う。

例えばシリア難民の話で――実際にあった話だけど――スウェーデンに随分前に難民として行き、今は市民権を取っているシリア人がいる。彼らの祖国から難民がたくさんやって来たときに、彼らはその新しい難民を排除したい政党に投票したんですよ。同じシリア人なのに。

レバノンでも、隣国シリアからの難民を疎ましく思う風潮がある。30年前に難民としてレバノンに来たシリア人が、レバノン国籍を取った。その役所からの帰り道で、こう言う。「あー、一体いつになったらシリア人は自分の国に帰るのか」

パックン いいジョークだね。

周 実情でしょ?

ナジーブ いや、スウェーデンは実情だけど、レバノンのところはジョーク。

パックン でしょ。だからスウェーデンの実情を題材にそういうジョークを作っているというのは、素晴らしいと思う。矛盾した状況。僕も個人的に、先に入ったアメリカ人のお笑い芸人として、後から日本に来たアメリカ人を排除したい気持ちはある。

(一同爆笑)

編集者 厚切りジェイソンとかですね。

パックン おい、名前出すな!

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