「株式会社ハマス」の時価総額は5億ドル超、世界各地の系列企業の資金網がガザを支える
ニューズウィーク日本版 / 2024年2月9日 10時36分
なおイトカンは最近までシャルジャで営業していたが、摘発を受けたようで、米政府の制裁対象となってからは「休業状態」にあるとされる。
本誌は23年11月と12月に同社に接触を試みたが、電話は通じず、メールも戻ってきた。
■サウジアラビア
トレンドGYOの18年の公募増資資料によると、サレハ・マングーシュはサウジアラビアにあるアンダ・カンパニーの創業者でもある。
当該資料によれば、サレハ・マングーシュはアンダ・カンパニー株の20%を保有し、肩書はやはり「ゼネラルマネジャー」だ。他にもサウジで数社を設立している。
米財務省によれば、アンダも「ハマスの大規模な投資先の1つ」で、22年5月に制裁リストに加えられている。また同社の実質的な経営者は前出の会計士カフィシェとされる。
マングーシュと共にトレンドGYOの役員に名を連ねる男だ。
■スーダン
スーダンを拠点とする大富豪で、ハマスに資金を出しているアブデルバシット・ハムザ・エルハッサン・モハメド・ハイルは「アルカイダやウサマ・ビンラディンにつながるスーダン企業との関係が深く、テロ組織への資金調達に長年関与」している。
これは米財務省が23年10月18日にハイルを制裁対象とした際の説明だ。
ハイルはスーダンに本社を置くザワヤ・グループのCEO兼オーナーでもあり、この会社も同じ日に米政府の制裁リストに加えられている。
米財務省によると、ハイルはラリーコム・インベストメント・カンパニーというスーダン企業も所有し、やはりCEOを務めている。この会社も米政府の制裁対象だ。
トルコ国籍のカフィシェはスーダンでの事業にも深く関わっている。
トレンドGYOが公募増資に当たって提出した資料によると、カフィシェは00年にスーダンへの投資を開始し、10年以降は首都ハルツームにあるハイル所有の2社、アグロゲート・ホールディングとアルルワド・リアルエステートの取締役を務めている。
両社とも今は米政府の制裁対象に加えられている。
トルコ財務省への提出書類によると、06年に同国で不動産投資を開始したアルルワドを通じて、カフィシェは「トルコで多数の住宅、オフィス、商業ビルの予備調査と建設」に参加してきた。
また米財務省によれば、彼はアグロゲートの役員とアルルワドの会長も務め、「アグロゲートの幹部候補の面接・採用」にも関わっていたとされる。
アグロゲートは10年以上にわたり、スーダンの建設業界をリードしてきた企業の1つだが、その親会社は前出のザワヤ・グループだ。
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1米民主重鎮、決断を称賛=ハリス氏支持で対応分かれる―バイデン氏撤退
時事通信 / 2024年7月22日 9時50分
-
2バイデン大統領、米大統領選からの撤退を表明 代わりの候補としてハリス副大統領を指名
日テレNEWS NNN / 2024年7月22日 3時30分
-
3バイデン氏の決断尊重 英や独首相ら
共同通信 / 2024年7月22日 11時54分
-
4パリ五輪、4355人を「脅威」として排除 仏内相明かす、大会の治安対策で
産経ニュース / 2024年7月22日 11時27分
-
5《トランプ前大統領銃撃事件で使用》「全米で広く出回る」AR-15ライフル、日本の暴力団が「使わない」理由
NEWSポストセブン / 2024年7月21日 16時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)