宣伝統括は叶井俊太郎さん「すごく幸せ」中村優一の初プロデュース&初監督映画「YOKOHAMA」
日刊スポーツ / 2024年4月19日 10時0分
俳優中村優一(36)が今日19日公開の映画「YOKOHAMA」で総合プロデュースと監督に初挑戦している。生まれ育った横浜を舞台に不条理な世界を描く3部作「贋作」「横濱の仮族(かぞく)」「死仮面」のオムニバス。「贋作」では出演、「死仮面」は監督に挑戦した。プロデューサー、監督、俳優、そして横浜について聞いてみた。
◇ ◇ ◇
初めて監督に挑戦して、えるものが大きかった。
「俳優は結局、自分の考えも持ちつつも監督とのコミュニケーションだと思うんです。監督が一番、全体を見えているのでね。監督は作品について、全員に説明をしなきゃいけない。そこが、俳優とは違うところかなと思う。全部考える全セクションの総指揮者なので、ちゃんと説明できなきゃいけない。全体を分かっているのか、いち俳優というセクションにいるのかという違いは大きくあるなと思いました。質問された時に全部答えられないといけないので、監督の場合は大変ですね」
監督の大変さ、そして楽しさも知った。
「俳優の方が大変と言う方もいますけどね、やっぱり場面、場面で違う。監督は、俳優と同じ大変さを共有しているっていうかね。今回、監督を体験させていただいて、監督の大変さだったり、楽しさもそれだけあるなと。充実感もありました。そこからは俳優の仕事で他の現場に行っても、監督の気持ちもスタッフさんの気持ちもすごく分かるようになりました。なんかコミュニケーションの取り方も変わりました。俳優として結構、いっぱいいっぱいになってた部分も以前まではあったんですけど、最近はならなくなりました。他の人たちの方が大変なんだっていうことが分かると、そんなこと言ってられないと思うようになりました」
撮影は2年前。昨年の横浜国際映画祭で上映して、今日4月19日に公開。宣伝統括には、今年2月16日に56歳で膵臓(すいぞう)がんで亡くなった映画配給エクストリームの叶井俊太郎氏が名を連ねる。
「叶井さんにお会いしたのは、去年の3月。エクストリームさん配給宣伝の『妖獣奇譚ニンジャVSシャーク』っていう坂本浩一監督の映画で初めて会いました。僕の役は、胴体から切られて首だけになってもしゃべっているみたいな役でした」
“余命半年”の宣告を受けた叶井さんは、手術を拒否して1年8カ月生き抜いて仕事を続けた。生前、自分関わった映画には『霊として出て来るから』と言っていた。
「『ニンジャVSシャーク』のパンフレット撮影の時に『実は自分も最近、作品を撮りまして』って話をしたんです。いつもパンフレットの撮影の時とかはいないのに、その時はなぜかいたんですよ。そうしたら、まだ何も見てないのに、この作品がどんなジャンルかも分からないのに『ちょっと俺やるよ』って言ってくださったんです」
叶井氏は2001年(平13)公開のフランスの恋愛映画「アメリ」を、よく見ずにホラー映画だと思って買い付けて、興収16億円の大ヒットになった。
「僕としては、まだ見てないのにっていうところもあって『まずは1回見てください』って、データを送ったんです。でも、本当に見てるかは分からない。僕はエクストリームさんのやているオカルトっぽいジャンルが、めちゃくちゃ好みの作品ばっかりだったんです。自分の作品のジャンルが絶対に合うなと思ってて、すごくうれしかったんですね。エクストリームさんって言うか、叶井さんが関わってくださるのが」
-横浜の奇麗な映像をバックに不条理な世界を描く映画「YOKOHAMA」は、まさしく叶井さんの世界だ。
「そうですね。なんかハマったという感じで。2月に叶井さんが天国に行かれる前日まで、この映画の4月19日から21日の初日舞台あいさつのキャスティングをやっていました。こういう風に初日舞台あいさつをやろうっていうことを、エグゼグティブプロデューサーの玉井(雄大)さんとやりとりしてました。ビジュアル(チラシ、ポスター)も叶井さんだし、予告編も叶井さんにやっていただいたので、すごく幸せですね」
叶井さんは亡くなる直前まで、映画の宣伝に全力を注いだ。
「映画の配給宣伝に、力を最後の最後まで貫かれたんですよね。これはやりたくないとか、俺はこれがいいとかって、ちゃんと意見を最後の最後まで“叶井節”というかね。なんかね、叶井さんの“血”が通っている映画になったことが、僕はうれしいですね。素直によかったと思います」
プロデュース、監督を経験したことで、新たに意欲もわいてきた。
「『死仮面』もそうなんですけども、まずは36年というか、人生の一つの集大成としてこの映画ができたと思っているんです。叶井さんを含めて、ご縁がたくさん詰まっている映画なのでね。これを作り上げて、新しいスタートの気がしている。やっぱり、もの作りをやっていきたい気持ちがあります」
(終わり)【小谷野俊哉】
◆中村優一(なかむら・ゆういち)1987年(昭62)10月8日、横浜市生まれ。04年(平6)「第1回D-BOYSオーディション」グランプリ。05年日本テレビ系「ごくせん 第2シリーズ」で俳優デビュー。同年テレビ朝日系「仮面ライダー響鬼」。07年テレビ朝日系「仮面ライダー電王」。08年映画「僕らの方程式」主演。12年引退も、14年に俳優業再開。23年映画「妖獣奇譚ニンジャVSシャーク」。177センチ。血液型O。
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