1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

緊急事態宣言を発令するための「指標」は何のためにあるのか

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月17日 17時25分

写真

定例会見で道民に外出自粛を強く呼びかける、北海道の鈴木直道知事。緊急事態宣言が発令される16日から31日までの期間中は道内全域で外出自粛を進めていくとした =15日午後6時20分ごろ、北海道庁

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新たに緊急事態宣言が北海道、岡山県、広島県に発令されたニュースについて解説した。

定例会見で道民に外出自粛を強く呼びかける、北海道の鈴木直道知事。緊急事態宣言が発令される16日から31日までの期間中は道内全域で外出自粛を進めていくとした=2021年5月15日午後6時20分ごろ、北海道庁 写真提供:産経新聞社

緊急事態宣言の対象地域が拡大

政府は5月16日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を、北海道、岡山、広島の3道県に発令した。宣言の対象地域は9都道府県となり、期限は5月31日までとなっている。

飯田)5月31日までということです。

緊急事態宣言を発令するための指標が定まっていない

須田)この件に関して言うと、当初、政府の諮問等に対して「分科会が抵抗して新たに北海道、岡山、広島が加わった」というのが大きなポイントなのでしょう。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に指定するには、大きく7つの指標があります。例えば、医療のひっ迫具合や1週間の人口10万人あたりの感染者数の増加など、7つのうちの大体4つくらいが重要指標なのだと思うのですが、それを見ていると、基準以下でも指定されてしまうところもあります。「これは何のための指標なのか」というのがよくわからないのですよ。

飯田)そうですね。

須田)「総合的に判断して」という言葉が必ずついて来るのだけれども、そうすると恣意的に対応を否定するような状況になって、混乱を招くのではないかと。だから、きちんとした指標を決めるべきだと思います。

国民が納得する形で指定するべき

須田)例えば北海道です。北海道に緊急事態宣言を発出するのはわかります。なぜかと言うと、札幌市以外ではそれほど状況がひっ迫していないのですが、札幌市は大都市ということもあって、感染者数が激増しました。そこだけが問題になっているという状況なのです。そうすると、札幌市の近郊で病床が確保できるのかできないのかというところを考えると、相当難しいということになって、道全体では指標を超えていないのだけれども、一応指定しようということになった。

飯田)近郊での病床確保が難しいと。

須田)そういう個別の事情はわからなくもないのですが、とは言っても、国民や県民、道民にとっては「なぜ指定されたのか」ということになりかねません。なぜ指定されたのかということをきちんと説明する。または国民が納得するような形で指定するべきだと思います。

4都府県3回目の緊急事態宣言延長 JR原宿駅前で、コロナ感染拡大防止のため、不要不急の外出や移動の自粛などを呼びかける警察官ら=2021年5月8日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

まん延防止等重点措置がなく、いきなり緊急事態宣言を発令した広島、岡山

飯田)緊急事態宣言は建て付け上、都道府県全体にというものですが、一方でまん延防止等重点措置は都道府県が市区町村を指定しながらやるという方法ですよね。北海道の場合はすでにそれをやっていましたが、広島、岡山はいきなり緊急事態宣言が出たなという感じがしましたが。

須田)広島県の場合は、県知事が強く要望していたという状況があります。そうすると「県知事が要望すると指定されるのか」という話になってしまう。先ほどの話ではないけれども、「では7つの指標とは何なのか」ということになりかねませんからね。

飲食店への協力金は指定とワンセットでスムーズに出すべき

飯田)飲食をやっていらっしゃる方は当然、そういう情報をじっくり見ていて、詳しい。その指標で次にお店を開けるのはどうするかを判断していたのが、予見できなくなりますよね。

須田)仕入れの問題や人繰りの問題も出て来ますし、飲食の人たちにとっては死活問題でしょうからね。その点についても考慮しているのかどうか。加えて問題なのは、協力金です。1月分がようやく支給されている状況ではないですか。なぜそれがスムーズに行かないのか。そういう指定をするのはいいのですが、それとワンセットで協力金を出すべきです。飲食の人たちにとっては、ある種の命綱ですから。その辺りがスムーズに進むように考えてもらいたいと思います。

飯田)入って来るべきお金が入って来ないとなると、つなぎで金融機関に融資をお願いしなくてはならない。ある程度は実質無利子・無担保でできるとは言え、いろいろなところに影響が出ますよね。

須田)本来借りる必要のないお金ですから、やらなくていい作業の負担を飲食の人たちに押し付けるのかという問題もありますからね。

アメリカに見る経済活動とリンクするワクチン接種

飯田)そして緊急事態宣言が出続けるなか、ワクチンについても17日から東京と大阪で予約が始まります。これが広がって行けば、感染者数や緊急事態宣言も落ち着くという感じになりますか?

須田)先行しているイギリスやイスラエルでもそうですが、特に私が注目しているのはアメリカです。全米最大のニューヨーク市を抱えるニューヨーク州では、6月から飲食店の営業時間が終夜営業、つまり24時間通しで営業できるようになり、ミュージカルの劇場などもオープンして行く流れになっています。ワクチン接種が進んでいて、いまでは予約がなくても接種できる状況です。そういうところを考えると、経済活動の再開と完全にリンクして来ます。ですので日本でも早急にワクチン接種は進めて欲しいですね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください