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「今が瀬戸際」 雨が少ない沖縄で給水制限は回避できるのか 11ダムの貯水率、過去10年で最低値

沖縄タイムス+プラス / 2024年3月1日 10時13分

県内11ダムの貯水率(29日午前0時現在)/貯水率の推移

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 沖縄本島内11ダムの貯水率が過去10年の最低値を更新している。同様に水不足だった2004年3月に夜間断水の目安とした当時のダム水量を現在の11ダム容量で換算した貯水率は約28.5%になる。まとまった雨が降らない日が続けば、4月中旬ごろにその水準に達すると予想される。04年は1~2日前に多量の降雨に恵まれ、断水を免れた。給水制限を回避するには、節水協力が不可欠になる。

 前回給水制限の危機にあった04年も、前年からの少雨の影響で年明けから厳しい水事情に直面した。

 当時の沖縄渇水対策連絡協議会(渇水協)は、時期や天候予報などの状況が似通った1989年断水時の貯水量を参考に、3月29日から夜間8時間断水を実施すると決定。同27~28日にかけて北部5ダム流域で平均113ミリの雨が降って貯水率が回復したことから、延期となった。その後、梅雨や台風の降雨で渇水は解消された。

 県内11ダムの貯水率は29日午前0時現在で平年値を31.9ポイント下回る43.7%。現状のペースで1日約0.3ポイントずつ貯水率が低下すると、4月中旬にも2004年に断水目安とした値に近づく。

 渇水協は1月中旬から節水を呼びかける。呼びかけの約1カ月前の県企業局からの1日平均配水量は42万8千トン、呼びかけ後は42万5900トンで、大きな変化は見られない。

 4月末からゴールデンウイーク(GW)が始まる。コロナ禍からの回復で多くの観光客の来訪が期待される。給水制限のまま大型連休を迎えれば、観光をはじめとする県経済に与える打撃は計り知れない。

 県関係者は、仮に給水制限に踏み切る場合は「タイミングを慎重に判断する必要がある」と説明する。最終的に玉城デニー知事の政治判断に委ねられそうだ。

 沖縄気象台の予報では、3月7日までの1週間は曇りや雨の日が多い。5~6月の梅雨時期の降水量は平年並みか多いと予想。沖縄地方の梅雨入りは平年5月10日ごろ。1951年の統計開始以降、最も早かったのは80年の4月20日ごろ、最も遅かったのは63年の6月4日ごろと開きがある。

 別の関係者は、給水制限を回避して梅雨入りを迎えるには「まさに今が瀬戸際だ」と節水への協力を強く訴えた。(政経部・東江郁香)

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