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組踊がお笑いと異色のコラボ! 「組踊漫才」考案者たちの思いは【動画あり】

沖縄タイムス+プラス / 2024年3月31日 10時31分

 

 お笑いコンビ・オリオンリーグ(剛くん・玉代勢直)と、琉球芸能実演家で沖縄県立芸術大学准教授の嘉数道彦がコラボ・出演した舞台「組踊漫才第三段~万歳敵討編~」が3月8日、那覇市壺屋の壺屋演劇場かさねであった。
 組踊の所作やあらすじを盛り込んだ漫才とコントで、嘉数はオリオンリーグに負けず劣らず、爆笑に次ぐ爆笑を生み出した。それもそのはず。オリオンリーグ剛くんと那覇高校1年の時に同級生コンビ「しかぼーず」を組み、FEC主催の新人発掘お笑い賞レース「フレッシュお笑い選手権」で大賞に輝いた実績を持つ“お笑い実力者”だったのだ。
 会場には、満員の約50人が詰めかけ、「組踊漫才」という新鮮なアプローチで学びと笑いの両方を楽しんだ。(ライター・長濱良起)

組踊文化の豆知識も笑いの種に

 この日の一発目は、オリオンリーグの漫才。玉代勢の出身地である宜野座が、宜野湾と間違われやすいというネタで会場を笑いで包み込んだ。

 続いて、嘉数と剛くんのコンビが、マイク1本を前に漫才を披露。同級生ならではのやり取りの中で、嘉数がひょうひょうとボケを連発し、剛くんがいなすようにツッコミまくると、一つも外すことなくウケ続けた。

 後半は、教師に扮(ふん)した嘉数と、生徒役のオリオンリーグの2人がそろって登場する学園コントも。数学教師の設定のはずが、突然、組踊の授業を始める嘉数。組踊のせりふは全て「8.8・8.6」の琉歌のリズムで構成されていることや、つえを持って舞台をぐるりと回るのは長距離移動を表現していること。そんな「学び」もネタに組み込みつつ、アドリブをたっぷり入れて“授業”を進めた。

お笑い好きのお客さんが「組踊面白い」と…

 舞台を終えた3人に話を聞いた。

-「組踊漫才」が立ち上がったきっかけを教えてください。

玉代勢 2023年9月が初回でした。普段とは違う客層の方にもお笑いを見てもらいたくて、組踊とコラボしたいと思いました。組踊の中でボケを入れるのではなく、あえて漫才の中に組踊を入れ込むことで、お笑いのお客さんに組踊を知ってもらって、それから組踊のお客さんにも来てもらう、という考え方で始めました。  

剛くん 東京から沖縄に戻り、沖縄の伝統芸能のことを勉強したいという気持ちもありました。中高の同級生で部活も一緒だった(嘉数)道彦が組踊で活躍しているので、話を持ちかけました。よく連絡も取り合ってますし、舞台に立つ人間としてまた一緒にやれるのはとてもうれしいです。

-剛くんから話を持ちかけられた時、嘉数さんはどう思いましたか?  

嘉数 彼と同じように、今まで沖縄の伝統芸能に興味関心がなかった方々に、その魅力を伝えられるきっかけになると思いました。できる限りのことはやりたいと。  

剛くん 同窓会で2人でネタをやる機会もあったんですよ。直近では2020年にもやりました。

-組踊をお笑いに入れ込む上で、ネタ作りはどのように進めましたか?

玉代勢 ストーリーの面白さや組踊のルールなどを、まずは書籍で学びました。今回のテーマとなる演目は「万歳敵討」だったんですが、嘉数先生に詳しく話を聞いたり、解説をしてもらったりして、漫才に入れたら面白くなりそうな要素を拾って広げていきました。

-組踊漫才も3回目を終えて、手応えはいかがでしょうか?

玉代勢 (お笑い好きの)お客さんが「組踊は面白い」って思ってくれているなと感じています。自分も組踊のことが好きになりました。

伝統を重んじながらも新たな入り口を

-組踊漫才の今後をどのように見据えていますか?

玉代勢 今は3人ですが、もっとたくさんの人数、例えば10人ぐらいでやりたいですね。本物の地謡の皆さんに音を鳴らしてもらったりして。

剛くん 組踊とお笑いとでそれぞれで人を集めて、集団コントのようなことをやりたいです。

嘉数 僕たち3人じゃなくて、全く違う3人でやっても良いと思うんですよね。演じられる人はたくさんいますから。堅苦しくなく組踊に触れる機会がいろんなところであったらいいのかなと思っています。伝統を重んじて研鑽(けんさん)を積みながら、このような発信との両方を大切にしていきたいです。

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