入学まで3カ月! もうすぐ小学生になるわが子のために「家庭でやっておいた方がいいこと」3選
オトナンサー / 2025年1月11日 9時10分
小学校の入学式まで3カ月。3月31日の午後11時59分59秒まで「幼児」と呼ばれていた子が、午前0時を過ぎて突然、「小学生」に変身するわけではありません。日付は一つの区切りかもしれませんが、子どもにとっては単なる時間の連続です。
でも、周りの大人はそうではありません。子どものことを「幼児」ではなく、「うちの子は小学生」と言います。入学したら幼稚園、保育園の先生のように下の名前で呼ぶのではなく、「田中さん」「佐藤さん」と名字で呼ばれるようになります。
子どもにとって、小学校への入学は大きな環境の変化です。戸惑わないためにも、幼児期にやっておいた方がよいのはどんなことか、子育て本著者・講演家である筆者が考えてみました。
■(1)道具の準備は自分でやらせる
小学生になると、時間割を確認して、明日使う教科書を“自分で”ランドセルに入れなくてはなりません。教科書以外にも図工道具、雑巾……先生からさまざまな持ち物の指示があります。
幼児期に、通園バッグの中身のお便り帳、タオルの準備を親が全部せず、子ども自身にさせましょう。実は幼稚園や保育園で、これらの持ち物の準備を、保育士は子ども自身にさせています。自分の棚に道具を置いたり、タオルをかけたりするなど「自分のことは自分で」させるようにしているのです。家庭でも、通園バッグからコップや連絡帳、タオルを出すのを子どもにさせてみてはどうでしょうか。親が手を出し過ぎないようにしましょう。
■(2)時計を読めるようにしておく
学校ではチャイムが鳴ります。子どもが、そのチャイムだけで行動するのではなく、「時計」を見て行動することができるようになると、時間的にも気持ち的にも余裕ができます。「授業まであと5分だから、今のうちにトイレを済ませておこう!」「あと10分で授業は終わり。給食の時間だ」といったように、です。
子どもが時計を読めるようにするために、家に針のついたアナログの時計を置いておきましょう。
数字だけのデジタル時計はおすすめしません。デジタル表示される数字を読んで「8時30分!」と言うことはできても、それでは時間の概念が身に付かないからです。「時計が読める」というのは、「時刻を言える」ことではなく、「時間経過が体の感覚で分かる」ことを指します。
私はかつて学習塾を経営していたのですが、授業で、小学校1年生の子どもたちに目をつぶらせて「1分たったら手を挙げましょう」ということをしていました。
すると、時間を体の感覚で分かっている子どもは、ほぼ正確に手を挙げていました。しかし、日頃から時間を意識せず、親の「早くしなさい」の言葉に条件反射で行動する生活を送っている子どもは10秒で手を挙げたり、反対にずっと目をつぶったままだったりすることがありました。時間感覚が育っていないのでしょう。
針のついた時計は時間経過が視覚的に分かるので、アナログ時計を置くことをおすすめします。時刻を表す数字が「1」から「12」まで書いてある時計だと、なおいいです。
ただし、時計を置いただけだと、風景に溶け込んで“壁紙化”してしまいます。「早くしなさい」ではなく「8時までに準備しようね」、「早く起きなさい」ではなく「ほら、時計見てごらん、7時だよ、おはよう」と声かけをしましょう。子どもは徐々に時計が読めるようになっていきますよ。
幼児期に時計そのものを見たことがなく、小学校の算数の授業でプリントに書かれた時計を見て、初めて「時計」というものを目にする子どもも実際にいます。時計を読むことは理屈ではありません。時計は、日常生活の中で自然に触れて読めるようになるのです。
■(3)一定時間、椅子に座っている習慣をつける
小学校に入学すると「1コマ45分」の授業が始まり、給食が始まると「45分×5コマ」の授業が午後2時ごろまで続きます。通わせている幼稚園、保育園が自由保育で、朝から晩まで好きなことをして遊ばせている場合、45分間、じっと先生の話を集中して聞くことは、子どもにとってハードルが高いものです。
小学校では国語や算数などの授業を通して、毎日新しい知識を学びます。授業で分かった気になっていても、それはそのときだけのこと。家に帰ってからの“再生的学習”が大切であり、そのために宿題も出ます。
家庭学習にかける時間は「10分×学年」といわれています。小学校1年生なら10分、2年生なら20分、3年生なら30分……といった感じです。
幼児期に1分も机に向かう習慣がない子どもに、いきなり「今日から小学生なんだから、10分間机に向かってお勉強しましょう」と言っても、それは無理なこと。それなら年長さんの時期に、1年生の半分の時間である「5分間」机に向かう習慣を、入学前につけておくのはどうでしょうか。幼児ですから、5分間座って「絵本を読む」「折り紙で遊ぶ」でいいのです。
不安でいっぱいの親の気持ちとは裏腹に、子どもは期待と夢でウキウキしています。私は現在保育園でも仕事をしているのですが、毎年3月になったら年長さんにこんな質問をしています。「小学校に早く行きたい人?」。「は~い」とかわいい声で全員、挙手をします。
「皆、小学校に何をしにいくの?」と聞くと、「遊びに行く」という答えは返ってきません。「お勉強をしに行く!」と元気に答えます。子どもたちの答えが正解で、学校は自分の未来を切り開くために、学力を身に付ける場です。
未来に希望を持っている子どもたちにとって、「道具を自分で準備する」「時計を読む」「椅子に一定時間座っている」練習は、楽しいことかもしれませんね。入学前にぜひやってみてくださいね。
子育て本著者・講演家 立石美津子
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