資格を取りたいけれど「たぶん挫折する」としり込みしているあなたが知るべきことはたった1つ
OTONA SALONE / 2022年12月20日 19時0分
「新年こそは英検に挑戦したいな」「化粧品検定を受けたい」なんて「挑み心」がむくむく首をもたげてくる年末年始。資格とは不思議なもので、いろいろな勉強をしてどんどん取る人もいれば、なかなか腰が上がらない人もいます。モチベーションの維持、時間の捻出、集中できる体力、いろいろな側面がありますが、「うまくいく人の違い」はいったいどこにあるのでしょう。
SNSバズ常連の若き恋愛評論家・ジェラシーくるみさんの新著『そろそろいい歳というけれど』からお届けします。
ちょうどいい負荷のかけ方
昔からTo doリストを作るのが好きだった。
同時に、To doリストを守ることは大の苦手だった。
今日はこれをやる!と決めても、意志の弱い私は、リストの項目の半分にしかチェックをつけてあげられない。どのタスクも、大体想定した時間の1・5~2倍はかかってしまう。
To doリスト常連敗者の私だが、一つだけ気づいたことがある。
それは、書き下ろしたタスク間の距離が遠いほど、達成率は低いということ。
例えば受験生なら、タスクが「英語のシャドーイング」「英単語の復習」「英作文×2」の3つであれば、80%くらいの達成率が見込める。
だが、「英語のシャドーイング」「古文の文法の復習」「世界史の問題集の近代史パートを解く」だと、古文をやっている中盤で日が暮れる。
英語の勉強が終わった時点で、なぜか床に積み上がった参考書や筆箱の内側の汚れが気になり、受験生あるあるの「無意味な整理整頓」「テスト前限定のきれい好き」が発動するのだ。
各タスクが地続きでないと、どうしても集中力が持たない。タスク間の休憩時間もむやみに延びるし、同じジャンルのタスクよりも脳にかかる負担が大きく、切り替えに時間を要するため長いこと時間がかかってしまう。
距離の種類がまだ「教科」だけならマシだが、「部活」「バイト」「行事(文化祭など)」などが絡んでくると、もうキャパシティがパンクする。いつも自転車操業で、一つのジャンルに集中する時期は他のすべてを捨てるしかない。
そして社会人になり、最低週5の仕事や一人暮らしが始まると、タスクの間に無限とも思えるほどの物理的距離や気分の距離が生まれる。
平日は眠気や頭痛と闘いながらベッドから這い上がり、ドタバタの朝の準備を乗り越えてようやく出社。メール返信などのルーティンワークに始まり、上司や部下や客先への顔をコロコロ入れ替えながら一人考える時間と資料などにアウトプットする時間を確保。人によっては外回りをしたり店頭に立ったりと、脳みそと口に加えて肉体や手先を駆使することもあるだろう。帰宅しながら今晩のご飯の調達方法を考え、家では溜まった洗濯物を片づけながら週末の予定を立てる。
週末は1日に2つ以上予定が入るともう考えごとなんてできず、クリーニングやゴミ出しなど最低限の家事すら手が回らない。平日に「これは土日に考えよう」と隅に置いた考えごとの種は、気づけば「来週の土日には絶対やろう」の枠にスライドしているのだ。
余裕のある週は家にこもって疲労回復という名の優雅なゴロゴロライフを送っているため、気づけば季節は移り変わり師走。なんとなく充実感を得ながらも「今年も1年あっという間だったなあ、何したっけなあ」と間に合わせの大掃除を半分だけこなして年を越す。
でも、脳の負荷や体力を言い訳にタスクを先送りしていると「逃げ上手な私」というものが太もものセルライトのごとく、どんどん板についてきてしまうのだ。人生はなかなかうまくできていて、やったこともサボったことも、どこかの巡り合わせで必ず自分に返ってくる。コツコツ取り組んだ地味な作業も、湯気が出るほど踏んばった経験も、スキップし続けたタスクも、スルーしてしまった決断も。
どのみち多少の後悔や失敗は免れないが、自分自身に納得できない人生は送りたくない。欲張りな私は、まだ体力に無理がきく今の時期に気合を入れ直し、相応の努力を払わなければならないだろう。
まずは自分のちょうどいい追い詰め方と、癒やし方を見つけるところからだ。日々の仕事や雑事をこなし、自分の「ちょうどいい」を更新していく。
どうせ人生の計画なんて頓挫と立て直しの連続なんだから、自分で設定した小さなチャレンジにくらい誠実でありたいよね。
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