過労で入院した44歳。退院後に待っていたのは辛い更年期の始まりだった【100人の更年期#95】前編
OTONA SALONE / 2023年7月16日 21時0分
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
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【100人の更年期#95】前編
ナオミさん 52歳
介護施設で働く看護師。2人の娘と夫との4人暮らし。44歳ころから更年期を感じるように。50歳で閉経。
看護師をしながら2人の娘をワンオペ子育て。夫は何もしてくれない
介護施設で看護師として働くナオミさんは、現在52歳。8年前に過労で倒れて以降、働く場所や働きかたを見直し、いくつか職場を変えて、いまの職場に落ち着きました。過労の原因は仕事そのものではなく、仕事に加えて子どもの部活動や受験のサポートが重なったことや、夫の協力がなくワンオペだったことではないかと、ナオミさんは考えています。
「長女が高校生のとき、部活動で朝早く出かけて夜遅く帰ってきていたので、送り迎えをしていました。合宿や大会もしょっちゅうあり、忙しい娘に代わって準備をしていました。また、毎朝お弁当を作っていたため、睡眠時間もあまりとれませんでした。自分の時間がとれないほど忙しい毎日でしたが、長女は高校3年間ずっと全国大会出場を果たしてくれたので、あまり苦に感じていませんでした。
ただ…… その当時、次女はまだ小学生で手がかかる時期でしたが、夫は家のことを何一つやってくれませんでした。今思えば、少しでも夫に協力してもらえていれば、その後に起きる私の更年期の症状は、もっと軽かったかもしれません」
44歳。物覚えが悪くなり転職するも新しい職場には別の苦労が待っていた
忙しい中でも、活躍する長女の姿を見て充実感を覚えていたナオミさん。その後、ナオミさんが44歳になった年、長女は無事に高校を卒業して大学へ進学しました。ほっとすると同時に、少し時間に余裕ができたナオミさんは、派遣スタッフとして働いていた病院を辞め、新設されたデイケア施設(在宅介護の高齢者や障害者を昼のみ預かる福祉施設)へ正社員で就職し、オープニングスタッフとなりました。
「私は本来、一つの職場で長く働くより、いつも新しい環境に身を置くほうが好きです。だから派遣という働きかたを選んでいました。でも、40代になってから物覚えが悪くなって、新しいことがなかなか覚えられなくなってきたんです。このまま数カ月ごとに職場を変えて、その都度新しいことを覚える自信がなくなってきてしまい……。それなら正社員として就職して、一つの場所で長く働いたほうがいいんじゃないかと思ったんです」
デイケア施設は夜勤がなく、病院よりも労働負荷は減ると思っていたナオミさんでしたが、現実はそう甘くありませんでした。新設がゆえに、何もかもがゼロからのスタート。ゴミ箱やペンなどの備品購入から自分たちでおこなわなければいけません。各種手続き書類一つとっても、場合によってはフォーマットから作る必要があります。当時はまだパソコン操作に不慣れだったナオミさんにとって、それは終わりなき旅のように先が見えない作業でした。ただ、新しいことが好きなナオミさんにとっては楽しくもあり、いつしか疲れを忘れるほど没頭していきました。
過労で入院。晴れて退院したナオミさんに待っていたのは…
そんなある日のこと。自宅で次女の家庭訪問を待っていたら、突然意識が遠のいて倒れてしまったナオミさん。そのまま入院し、医師から「心臓にかなり負担がかかっている」と言われました。ナオミさんは、睡眠不足と過労が原因だと思いました。その後、一週間ほどで退院しましたが、この辺りからナオミさんの体に異変が現れ始めました。
「経血が異常に多くて、多い日用のナプキンでも足りないくらいになりました。私は子宮筋腫があるので、その影響かなとも思いましたが、年齢的に更年期による変化でもおかしくないと感じました」
その後も経血量が増えたり減ったり、生理周期が乱れたりすることが続きました。このことを知り合いの医師に話したところ「それはもう更年期に入っているよ」といわれ、ナオミさんのなかで「仕方ない、うまくつきあっていこう」という気持ちの切り替えスイッチが入りました。と同時に、体に無理のない働きかたをするため、ふたたびの転職を決めました。
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