1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

コスト削減にこだわるコンビニジム「chocoZAP」がなぜ? 1か月に及ぶ100人規模の海外出張に踏み切った理由

NEWSポストセブン / 2024年9月5日 11時14分

 また、中国滞在中は見本市で見つけた“コスト削減に役立つ”もしくは“お客様に喜んでもらえる”アイテム3品以上を1人6分の持ち時間でプレゼンする場が設けられた。プレゼンされた品の中には、実際に一部店舗で採用されてトライアルに入っているものもある。そのひとつが、出張メンバー最年少、23歳の女性社員が提案した電子ピアノだ。

「防音の問題で楽器演奏を諦めている人は大勢います。自身もピアノに馴染みのある若手社員が『店舗にはすでにカラオケ用の防音設備はある状態なので、ピアノを置いてみてもいいんじゃないか』と提案しました。プレゼンするのは人生初ということで本人はとても緊張していましたが(笑)、社長のゴーサインが出て、即トライアルが決まりました。

 これから一部店舗で導入していきますが、お客様の利用率などのデータ次第では、ほかの店舗にも拡大していく方針です」

 プレゼンの場で木村氏がうなった品には、「chocoZAP」事業責任者が見つけたビニール手袋があるいう。

「フレンドリー会員(料金割引のかわりに店舗運営のサポートを一部担当する会員のこと)の方々には、清掃作業などのときにビニール手袋を使っていただいています。些細な品ではありますが、全店舗で年間を通じて使うとなると、そこにかかるコストはばかにできません。

 事業責任者たちがビニール手袋や布巾を実際に触ってみながら、『厚みはどうだ、大きさはどうだ、荷姿はどうする』などと真剣に検討しているのを見て、自分も良い刺激を受けました。

 提供するサービス内容など顧客満足度にダイレクトに関わってくる部分が“幹”だとすれば、ビニール手袋といった備品は“枝葉”の部分かもしれません。ですが、こういう枝葉を強くすることで、幹も強くなっていくのだと再確認しました」

 言葉が通じない場で実際に動きまわり、「これだ!」と感じる1円でも安い品を探し出して、社長に直々にプレゼンする。過酷ではあるが、こうした経験はビジネスパーソンとして貴重なものと言えるだろう。

「初めはオンラインを使ってもう少し小さな規模で研修を行う案もあったのですが、実際に手足を動かさないと、どうしても自分ごとになりにくいんですよね。今回の海外出張で使ったコストは、将来的に大きなリターンに繋がると確信しています」

 100円ショップ出身の執行役員のもと行われた大規模な海外出張。「1円でも安い品を探し出す」という小さな努力の積み重ねが“異次元の低価格”を実現させる、ひとつの要因になっているのだろう。

(了。前編から読む)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください