人気の「英会話テキスト&著者」トップ5
プレジデントオンライン / 2016年7月3日 12時15分
社会人は、いつ、どのように学んでいるのか。アンケートをとったところ、「苦しいのは自分だけではない」と思わせてくれる結果がずらり。参考にしてほしい。
■回答者の受験数は10回以上が最多
世の中にはさまざまな英語勉強法があるが、目的をTOEICの点数アップに絞ると、はたしてどのようなやり方が効果的なのか。それを探るべく、現在TOEIC勉強中の500人にアンケートを実施。実態を調べた。
アンケート協力者の最終学歴は、大卒(国内)が58.2%、大学院(国内)が20.0%で、ほとんどの人が受験英語を経験済みだった。注目したいのは、TOEICを受けた回数だ。未受験は4.4%で、1回だけは7.4%。つまりそれ以外の88.2%が複数回受験者。しかも、回数が半端ではない。受験回数が5回以上は61.4%、10回以上は34.8%に達していた。
気になるのは、複数回受けて点数が上がるかどうかだろう。複数回受験者に点数を聞いたところ、「伸びている」と答えた人は54.9%で半数を超えた。点数の伸び幅も大きい。平均最低スコアは490点で、平均最高スコアは698点。200点以上の差がある。
ただし、複数回受ければすぐ点数が上がると考えるのは早計だ。TOEIC専門塾「英語屋」講師で、満点の990点を40回以上取得している古澤弘美氏は次のように指摘する。「短時間の勉強で点数を大きく上げるのは難しい。受験回数より勉強時間が大事。社会人が仕事のかたわら200点アップを目指すなら、2~3年は覚悟すべき」。
アンケート結果もそれを裏付けている。勉強期間は、3年以上の人が68.2%。複数回受験者の点数が大幅に伸びているのも、長期にわたって勉強を積み重ねてきたからだろう。
一方、複数回受験者のうち、「点数が伸びていない」の回答は5.2%。これは何が原因だろうか。
「TOEICは点数の出方に波があり、同じ実力の人が受けても回によって50点前後の誤差が出ます。数回受けて点数が下がった人は、まず誤差の影響を疑うべき。ただ、何度受けても点数が伸びない人は、勉強法が間違っているのかも。自分に合ったやり方かどうか見直したほうがいいでしょう」
では、点数を伸ばすために何を見直せばいいのか。まずチェックしたいのはテキストだ。今回、一番人気だったのは『TOEICテスト新公式問題集』で、44.8%の人が使っていた。古澤氏も「試験対策にいい」と高評価だ。
「TOEICの出題傾向は年々変化しています。例えば、かつてリスニングのパート3や4は、聞こえてきた単語がそのまま正解選択肢に入っていましたが、5~6年前から言い換えられた単語が交じり始め、単に聞き取るだけでなく、瞬時に理解して対応する力も求められるようになりました。公式問題集には、そうした変化が反映されています」
しかし、公式問題集が万人向けのテキストかというと、必ずしもそうではないらしい。
「簡潔な解説しか載っていないので、ある程度の知識のある人でないと十分理解できません。目安はTOEIC500点台後半。それ以下の人が公式問題集で勉強するのはミスマッチ。500点中盤以下の人は、解説がわかりやすく書かれた、基礎的なテキストのほうが点数は伸びやすいと思います」
一定の英語力が求められるのは2位の『DUO3.0』(利用者18.0%)も同じ。大学受験でもおなじみのテキストだが、TOEICに特化しているわけではなく、単語のレベルが高い。今まで使っていた人や単語力に自信がある人ならいいが、そうでない人にはハードルが高いだろう。
▼役立つ英語テキストBEST5
※経験率79.2%。利用者数の順位。
1位:『TOEICテスト新公式問題集』
利用者44.8% 満足度(10点中)7.9点
著者:Educational Testing Service 出版:国際ビジネスコミュニケーション協会
コメント:信頼性が最も高い(30代男性)/本試験に一番近いと言われているから(30代女性)
2位:『DUO 3.0』
利用者:18.0% 満足度(10点中):7.3点
著者:鈴木陽一 出版:アイシーピー
コメント:例文つきなので、単語の使い方が理解できる(40代男性)/別売りCDをiPodに入れてシャッフルして使用(40代女性)
3位:『TOEICテスト 究極の模試600問』
利用者:13.6% 満足度(10点中):7.0点
著者:ヒロ前田 出版:アルク
コメント:毎回TOEICを受験し、TOEICを知り尽くした著者が問題と解説を作っているから(40代男性)
4位:『1駅1題 新TOEIC TEST文法特急』
利用者:11.0% 満足度(10点中):7.6点
著者:花田徹也
5位:『新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ』
利用者:10.4% 満足度(10点中):7.6点
著者:TEX加藤
▼信頼している著者BEST5
1位:ヒロ前田 支持率11%
コメント:セミナーにも参加したが、TOEICを知り尽くしたスーパーマンのような人(50代男性)/テキストは解き方のノウハウがわかりやすい(50代女性)
2位:大西泰斗 支持率10%
コメント:前置詞、単語、文法を、暗記に頼るのではなくイメージで説明してくれる(40代男性)/『一億人の英文法』は何度も読み返しています(30代女性)
3位:中村澄子 支持率9%
コメント:TOEICの傾向を反映した良質な問題が多く、それでいてビジネスにも使える表現も豊富。自然に英語力がつくように少し長めの英文もいい(40代女性)
4位:花田徹也 支持率9%
コメント:ポイントが絞られているのでわかりやすい(40代男性)/ユーモアのある解説がいい( 40代女性)/TOEICに出る問題解説がいい(50代男性)
5位:ロバート・ヒルキ 支持率7%
コメント:TOEICテスト直前の技術は目から鱗(40代男性)/平易な説明でわかりやすい(40代男性)/難易度がちょうどよいから(30代女性)
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大阪・梅田の社会人のためのTOEIC専門塾「英語屋」講師。授業に活かすため、TOEICはほぼ毎回受験しており、通算80回超。今やわざと間違えないかぎりは満点という。
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(ジャーナリスト 村上 敬 写真=PIXTA)
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