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転職に成功している人が描く「3つの円」とは何か

プレジデントオンライン / 2020年2月16日 11時15分

※写真はイメージです(Getty Images=写真)

■崩れた「転職は35歳まで」の常識

日本の労働人口およそ6500万人のうち、年間300万人以上、率にしておよそ5%が転職しており、その数はここ数年、毎年30%ぐらいのペースで増え続けています。年齢の幅も広がり、受け入れ先も新興企業だけでなく、老舗の大企業にまで広がっています。ただ直近では米中経済紛争の影響もあり、2020年の転職市場は前年までの右肩上がりから横這いに転じ、求人倍率は高止まりが続くものの、雰囲気としては「絞られ感」が出てきそうです。

この5年ほどの転職市場のトレンドは、シニアの転職が増えていることです。これまで転職の少なかった40代、50代の管理職層で、「新しい舞台で働きたい」という人が増え、受け入れ側となる企業の門戸も開かれてきました。一昔前は「転職は35歳まで」と言われたものでしたが、最近は世代の実感が変わってきており、今の40代は昔の30代くらいの感覚でしょう。一方で年収などに釣られて安易に転職した結果、「失敗した」と悔やむ人も増えています。

転職に際して確認すべき事項は、転職先の企業に関してだけではありません。自分自身についても「何ができ、何をしたいのか」という「自分の軸」をしっかり確認しなくてはなりません。そこがきちんと絞れていない人は、転職でも失敗しやすくなります。

「これから転職する場合にどんな勉強をしたらいいか」とは、よく訊かれる質問ですが、1つ言えるのは、「この資格があれば転職しやすくなる」といった話は信じてはいけない、ということです。

もちろんあらゆる資格が無駄だということではありません。医師や弁護士など、その仕事をするためにライセンスが必要な場合は、その取得は必須ですし、コンサルティング会社のようにMBAを持っていることが採用の条件になっている場合もあります。あるいは不動産業における宅建のように、仕事をするうえで取得すると有利で、取ると会社から手当が出るような資格もあります。

ただ「転職に有利だから」という理由で、仕事の合間に取れるような資格を取るために学校に通ったりするのは、時間の無駄だと思います。たとえば営業部門から経営企画部門に行きたい人が、中小企業診断士の資格を取ろうと勉強していることがありますが、そうした資格があるからといって、転職して希望のポストに就けるわけではありません。

転職先を選ぶうえでよく申し上げているのが、「『できること』『やりたいこと』『求められること』の3つの円を描いて、その重なる部分で仕事をしましょう」というアドバイスです。

自分ができること、やりたいことを徹底的に磨き上げ、得意技をつくって、それによって世の中のニーズに応えていくのです。

■自動化とともになくなる職種

一般に仕事をその給与の原資で分類すると、

①原価で扱われる仕事
②販売管理費で扱われる仕事
③利益処分で報酬をもらえる仕事

に大別されます。受付業務や伝票整理のような作業的な仕事、時間給で計算されるような仕事は、原価すなわちコストとして扱われる仕事であり、自動化の進展とともに次第になくなっていきます。

私のお勧めは、目の前の仕事に集中し、そこに自分の得意技を見出すことです。その意識を持たずに、巷の副業ブームに乗って、得意技や本業と関係のない仕事を始めるのはやめるべきだと思います。

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井上 和幸(いのうえ・かずゆき)
経営者JP社長
早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人事部門、広報室、新規事業立ち上げを経て、2000年に人材コンサルティング会社取締役就任。その後リクルート子会社役員を経て、10年から現職。

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(経営者JP社長 井上 和幸 構成=久保田正志 写真=Getty Images)

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