一級建築士が警告、自宅のワークスペース作りで素人が犯す「超ありがちな失敗」4つ

プレジデントオンライン / 2020年7月2日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AleksandarNakic)

コロナウイルス感染拡大をきっかけに、加速しつつあるテレワーク。オフィスと比較するとどうしても設備不足を感じてしまうため、テレワーク用のリフォームを検討している人が増えているという。そこで、住宅リフォームコンサルタントとして活躍する尾間紫さんに、テレワーク向けリフォームで注意すべきことを聞いた。

■意外に多い「こんなはずじゃなかった!」

前回もお話したとおり、テレワーク用のリフォームに関するご相談やお問い合わせ、執筆依頼などが非常に増えています。休みの日に少し仕事をするのであればリビングやダイニングテーブルを利用すればいいけれど、仕事をする時間が長くなると、リビングなどでは落ち着いて仕事に取り組めませんよね? 週に何日もテレワークをする場合は、生活空間が視界に入らない場所に専用のワークスペースを設けるべきだと思います。

日本の住宅の多くはスペースが限られているので、少しでも空いている空間があるとそこにワークスペースを設けてしまいがち。でも、闇雲に計画して「あれ? こんなはずじゃなかった!」となる人が実は多いんです。そこで今回は、在宅ワークスペースづくりの落とし穴についてお話したいと思います。

■1.空調が届かない

24時間全館空調の家なら問題ないのですが、大抵は部屋ごとにエアコンを設置していて、普段あまり使用しない空間にはエアコンが付いていないことが多いのではないでしょうか。

空調を考慮せずに仕事場を設けると、パフォーマンスに影響が出てしまうのは容易に想像できると思います。特に一軒家にお住まいの方で天井裏を活用するケースには注意が必要。その場合はしっかり断熱をしてエアコンを取り付ける必要があります。

そして意外と盲点なのが、廊下の一部や階段下収納の部分にワークスペースを設けるケースです。普段はそうしたスペースに長時間滞在することがないために、空調が届くかどうかまで気にしたことはないと思います。

ワークスペースを作るなら空調がきちんと届く場所に設けるか、エアコンを後付けするか。室内環境が整っていないと、特にこれからの季節は暑くて暑くて仕事どころではなくなってしまうので要注意です。

■2.収納スペースがない

最近は「パソコンが一つあれば、仕事はどこででもできる」なんて言葉をよく耳にしますが、仕事をしていると何かしらの資料が手元にあるはずです。ノートパソコンの場合、目安として幅60cm以上、奥行き35cm以上のスペースがあれば作業はできますが、収納がないとデスクの上がすぐに物で溢れかえってしまいます。

ただ、わざわざ収納スペースを作るとなると場所を取ります。そこでおすすめしたいのがワゴン型収納。キャスター付きのワゴンに仕事で使う資料などを収納し、使わないときはデスクの足元にしまっておきます。足元はデッドスペースなので、使わない手はありません。目線が行きやすい頭上に収納空間を作りがちですが、デスクの下の空間を使えば見た目もかなりすっきりします。

■3.背景がスッキリしていない

テレワークでは、テレカンを利用する機会がかなり増えていると思いますが、画面に映る相手の背景が気になった経験はないでしょうか。生活空間で仕事をすることが多いテレワークでは、思っている以上に生活スタイルを露呈してしまうもの。例えば背景に洗濯物などが映り込んでいた場合、「面白い!」と笑ってくれる人もいるかもしれませんが、感じ方や捉え方は人それぞれです。

中にはバーチャルの背景を利用できるツールもありますが、ビジネスで利用する場合はやはり白い壁やすっきりとした背景が無難。そこにちょっとしたインテリアやグリーン、額縁などが飾られているととても素敵に見えるので、テレカンのときに映る背景についても意識してみてください。

■4.電源がない

いざ仕事をしようと思っても、コンセントがないとパソコンをつなぐこともできません。室内環境によっては、部屋全体や手元を照らす照明が必要になることもあるので、電源はできるだけ多めに確保しておいたほうがいいでしょう。本格的なリフォームを計画される場合は、コンセントの増設や照明の取り付けについても必ず計画に入れてください。

■リフレッシュスペースも忘れずに

ワークスペース作りと同時にぜひ考えてほしいのがリフレッシュするための空間作りです。通勤していると外の空気を感じたり、同僚とランチに出かけたりして、特に意識しなくても気持ちの切り替えが自然にできるものですが、ずっと家で仕事をしていると、煮詰まってしまうこともあるのではないでしょうか。そんなときにひと息つける場所があると、より快適にテレワークができると思います。

おすすめは、ベランダスペースの活用。ウッドパネルを敷いて簡易的なイスを置き、クッションや膝掛けなどを用意するだけで、殺風景なベランダも心地の良い空間に変わります。小さいお子さんがいるご家庭はベランダからの落下の危険性があるので、使うときにだけパッと出せる折りたたみのイスにするなどの工夫をしていただきたいですが、仕事と仕事の合間にそこでちょっとお茶を飲むだけでも、かなり気分転換ができますよ。

注意したいのが共同住宅の場合。ベランダは共用部分なので、事前に管理規約の確認をしてください。避難経路を塞がない配慮や、排水溝付近を掃除がしやすい状況にしておくことなども大切なので、注意してください。

今回は、自宅で快適に働けるためのワークスペース作りのポイントをお話ししました。テレワークで効率良く働くには、室内環境や設備、収納などを整える必要がありますが、上手に気分転換をはかれる空間を確保しておくことも重要だと考えます。ワークスペース作りとリフレッシュ空間作りを、ぜひセットで考えてみてください。

(住宅リフォームコンサルタント 尾間 紫 写真=iStock.com)

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