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活路はある! ふんばるんだ! コロナ後、韓国・米国の巨大企業に日本が勝つ方法

プレジデントオンライン / 2020年8月30日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Andy

■コロナで注目はデータセンター需要

半導体は、コンシューマー(消費者)に直接販売するような商品ではありません。家電製品や自動車などに使われる電子部品なので、半導体業界の動向は、それらの売れ行きにどうしても左右されることになります。

そういう意味では、新型コロナウイルス拡大の影響によって世界経済全体が地盤沈下し、電子機器の販売が低迷する現状では、半導体業界も当然ネガティブな影響を受けることになります。

半導体が使われることの多いスマートフォンやテレビ、自動車も緊急事態宣言期間は、もちろん商品によって違いはあるものの、軒並み40~50%程度落ち込みました。2020年6月に入って少しずつ回復基調には入っていますが、年間では19年比10~20%程度はダウンすると見ています。

PCに関しては、在宅ワーク、学校のオンライン授業などの対応のため短期的には売り上げが上がっています。ただし、これがずっと続くかといえば、そうともいえないでしょう。経済情勢がさらに悪化し、失業率なども高まれば、働きたくとも働けず、PCなどの機器を買う経済的余裕などないという人も多く出てくるからです。

そんな中、例外的に需要が盛り上がっているのが、「データセンター」です。テレワークの導入拡大やデータの保存、Netflixなどの動画視聴でアクセス機会が飛躍的に増え、通信量拡大への対応が求められています。

データセンターで使われている半導体は主にフラッシュメモリやプロセッサー、ストレージといった種類ですが、このあたりのラインナップを取りそろえる半導体メーカーは、いわゆる「コロナ特需」の恩恵を受けています。

ほかにも、巣ごもりによってAmazonなどのネット通販が急増しており、その影響で配送センターのベルトコンベア、商品の自動振り分け装置などの需要が高まっています。これらにもメモリやセンサーまわりに半導体が使われているので、好影響を受けるメーカーは少なくないでしょう。

■倍々で成長を続けてきた業界

半導体は、ここ10年ほどスマホ市場の拡大・成長などもあって倍々で成長を続けてきた業界でした。しかし19年あたりから日中貿易摩擦などの影響もあって成長が鈍化しており、20年の春先くらいからやっと回復基調に乗ってきたところだったのですが、今回のコロナ騒動がそれを吹き飛ばしてしまった、というのが直近の状況です。

とはいえ、スマホやPC市場はこれまでのように2ケタ成長とまではいかなくとも、年2~3%程度は成長を続けるでしょう。自動車でも自動運転関連で半導体がさらに使われていくことになるため、長い目で見れば見通しが悪いわけではありません。

国内メーカーに目を向けると、半導体の分野別にトップシェアを獲得できています。データセンターで使われるNAND型フラッシュメモリのキオクシア(旧東芝メモリ)、イメージセンサーのソニー、電子部品の分野でも村田製作所などが世界のトップ企業として存在感を示しています。世界市場を見ても、日本企業は強みのあるそれぞれの分野では、韓国のサムスン電子やSKハイニックス、米国のインテル、マイクロン・テクノロジーなど世界の巨星と対抗しながら、各分野で成長し続けていくことができるでしょう。

コロナ後に再拡大する世界の半導体市場

(野村総合研究所 上級コンサルタント 晝間 敏慎 構成=衣谷 康)

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