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堀江貴文「お金がないから続けられないというのはただの言い訳」

プレジデントオンライン / 2021年6月4日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ijeab

やりたいことがあるのに資金がないときは、どうすればいいのか。実業家の堀江貴文氏は「今の時代はお金を集める方法はいくらでもある。『資金がないので、できません』という言い訳は、通用しない」という――。

※本稿は、堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)の一部を再編集したものです。

■起業資金を当時付き合っていた女性のお父さんから借りた

お金が手元になくても、やる気さえあれば何でもできる。根性の話ではない。

スマホアプリをはじめとしたネットサービスを介して、お金の集め方・借り方・稼ぎ方があふれているこの時代に、「資金がないので、できません」という言い訳は、通用しないということだ。

本当に、いい時代になったなと思う。僕が起業を考えたときはお金がなくて、まとまったお金を、当時付き合っていた女性のお父さんから借りた。その借金にはまったく後悔していないけれど、知り合いのツテをたどるまでもなく、資金集めの選択肢が数えきれないほど揃っている、いまの若い世代は恵まれているなぁと感じる。

ひと昔前までは、お金がなければできないと思われていた分野でも、工夫を凝らして、お金集めに臨んでいる人が出てきた。例えば、大学での基礎研究の分野だ。

■「予算がないと研究できない」が常識だったが…

基礎研究は本来、大掛かりな資金設計が求められる。実現化の見えている応用研究や、再生可能エネルギーのように国家戦略に関わる研究領域は、大きな予算がついて、産学連携でプロジェクトが進められる。

今年の初めに、老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が、さまざまな加齢現象や老年病、生活習慣病を改善させることを、東京大学医科学研究所が証明した。老化細胞の代謝特異性を標的とした老化細胞除去による、新しい抗加齢療法の開発につながるかもしれない。つまり今後の研究成果次第では、人間の不老不死を実現する可能性がある。

僕自身、高く注目している研究だ。このような事案には、おそらく国から潤沢な資金が投入されるだろう。

ところが、現状では何の役に立つかわからないような基礎研究は、予算をもらうことが難しい。研究者がいくら熱意を持っていても、予算がつかなければ研究は続けられない。

通貨、疑問符
写真=iStock.com/lucky336
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/lucky336

また別の側面では、大学の研究室では、出身組織や派閥など複雑なしがらみが邪魔をして、優秀な研究者でも思うように仕事を進められない場合もあるだろう。

そんな基礎研究の実情に新風を吹き込んだのが、クマムシ研究者の堀川大樹さんだ。

■企業からの出資を避けたクマムシ研究者

堀川さんは、NASAやフランス国立衛生医学研究所などに在籍したが、自分の意思でアカデミアを離れた。国や企業に研究費を頼るのではなく、自力でクマムシ研究の資金を稼ぐ道を選んだのだ。

書籍執筆、最新科学の知見を盛り込んだメルマガ、クマムシのLINEスタンプ、クマムシの観察キットのプロデュースなど、多様な方法でマネタイズに取り組んだ。企業からの出資では、どうしても忖度やしがらみが生じる。それを避けて、自分のやりたい研究が自由にできる環境を求めたのだ。

取り組みは成功して、彼は独自の文脈のクマムシ研究を進めている。組織からは生まれない、斬新な論文が発表されることだろう。

本当にやりたい研究があるなら、その魅力を広く伝えて支援者を募ることで、フリーで研究することは可能になったのだ。もちろんクラファンも便利に使えるだろう。

国内に支援者がいなければ、英語を必死に勉強して、海外へ発信すればいい。何にしても、最大限の努力や工夫を徹底的にやりきることが必要だ。

お金がないなら、お金を集める努力をする! そんな当たり前のことをしないで、「ない、ない」と嘆いてばかりいるのは、どう考えてもおかしい。

■自己満足ではない「価値」に人は期待し、お金を出す

努力してもお金が集まらないのだとしたら、それはやり方に問題があるのではないか。丁寧に説明して、ひとりも出資者が現れないようなプランは、世の中に需要がないという証拠だ。歯を食いしばって続けたとしても、社会に役立つ成果につながる可能性は低い。

堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)
堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)

それでもいいというなら結構だが、自己満足で終わってしまうようなチャレンジは、面白くないだろう。

本当にやりたいことがあって支援を求めたいなら、人々の需要をアピールすることだ。

あなただけが楽しむために、人はそうそう手助けをしてはくれない。自分も楽しんで、他人も楽しむには、どんな方法があるのだろう? と、考え尽くしてみよう。自分の中で、答えがひとつでもふたつでも出てくれば、出資先への頭の下げ方やその際の説明の言葉が変わってくるはずだ。

まずは最低限のお金を集める努力をして、その後、まとまったお金をかけなくても継続できる方法を、実際に行動しながら学んでいこう。

地道に、やる! テクノロジーが進化して、試行の方法は自由に選べるようになったが、ステップアップの基本は、昔から変わっていないのだ。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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