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コンビニ食でダイエットをするなら「おにぎり」を中心に組み立てるのがいい【2020年BEST5】

プレジデントオンライン / 2022年1月3日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ljiljana Pavkov

2020年(1~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。食生活部門の第3位は――。(初公開日:2020年12月17日)
ダイエット中はなにを食べたらいいのか。管理栄養士の浅野まみこ氏は「ダイエットに向いていないのは、砂糖が多く含まれるお菓子や、血糖値が上昇しやすいパンや麺などの粉もの。お米には食物繊維や多くの栄養素が含まれていて、むしろ太りにくい。特におすすめの具材はツナマヨだ」という——。(第1回/全2回)

※本稿は、浅野まみこ『コンビニ・ダイエット』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

■コンビニおにぎりの選び方

最近のおにぎりは、多種多様になっています。

昔は、おにぎりと言えば白飯に梅干し、昆布、鮭といったところでしたが、最近では、白米、雑穀米、もち米、チャーハン、炊き込みご飯、酢飯、混ぜ込みご飯とバラエティが増えました。

具も、卵や唐揚げ、混ぜ味噌、焼き魚、野菜など、おかずになるような具材や、こだわりの高級具材までさまざまです。おにぎりは、ジャンクフードにもなり、素材を意識するとこだわりの食べ物になり、雑穀や野菜を合わせると健康志向のものになっていきます。

それだけおにぎりは日本人に愛されているのです。

「糖質制限」をしている方や、「米飯を食べると太る」という理由から、おにぎりを控える方もいますが、糖質(炭水化物)の摂取過多は、「米飯やおにぎり」が主な原因ではなく、多くの場合は、砂糖やブドウ糖などが含まれるお菓子、清涼飲料水などが原因と考えられます。

ただ、おにぎりとサンドイッチ、ラーメンとライス、パスタとパンのような「炭水化物W食べ」をしている方は炭水化物の摂取し過ぎが考えられるので、食べる量を意識することが大切です。

おにぎりは、実は炭水化物の中でも、ダイエットに向いた食べ物です。

■栄養素も豊富で、冷えると血糖値の上昇を抑える

米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維のほか、意外なことにタンパク質も多く含んだ食材です。

さらには、水分摂取にも役立ちます。食パンの水分量は38%ですが、おにぎりの57%は水分です。水分摂取を意識して、ご飯を食べるのも良いでしょう。

また、米は冷えることでデンプンが「軟消化性デンプン」のレジスタントスターチに変わります。このレジスタントスターチは、消化吸収されにくい上に、カロリー消費を高めます。

吸収されにくいことで、血糖値の急上昇を抑えることができます。血糖値が上がるとインスリンが分泌されますが、インスリンは脂肪を合成する働きがあります。おにぎりは、レジスタントスターチにより、血糖値が急上昇せず、インスリン分泌されにくく、脂肪合成を抑えることにつながるわけです。

炭水化物は血糖値が上がると気になる方もいるかもしれませんが、食べずに空腹を感じるよりも上手におにぎりなどを活用し満足度を高めるほうがダイエットは成功します。

血糖値の上昇を緩やかにする食べ方もあります。

おすすめは、雑穀入りのおにぎり、油入りのおにぎりであるチャーハン系やシーチキンなどのおにぎりも良いでしょう。食物繊維が多く含まれることで血糖値の急上昇を抑えるほか、油も血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

■ダイエットに向いているおにぎりの特徴

ダイエットにはシンプルなおにぎりは選ばないことが鉄則です。

手巻き寿司
写真=iStock.com/Yue_
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yue_

便秘の改善に向けておすすめのおにぎりは、雑穀のおにぎり、玄米のおにぎりです。雑穀や玄米には、食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、便秘で大腸に留まっているカチカチの便をやわらかくするのが、水を含みゼリー状になる水溶性食物繊維、腸管を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を促すのが不溶性食物繊維です。

最近流行の雑穀おにぎりでスーパー大麦と言われる「バーリーマックス」という雑穀が入ったおにぎりがあります。

茶色の粒でプチプチとしたしっかりとした食感が人気ですが、一般的な大麦に比べて、2倍の食物繊維が含まれているほか、食物繊維であるフルクタンや腸内環境を整えるβグルカンなどを豊富に含んでいます。

食物繊維をたっぷりと摂取できるのも、おにぎりの良い点です。

また、体を鍛えたい、筋肉をつけたい場合には、タンパク質の含まれているおにぎりが良いでしょう。最近では、味付け玉子が丸ごと1個入ったおにぎりなどもありますし、サバ、納豆、ツナマヨ、唐揚げなどのおにぎりもタンパク質が手軽に摂れるおにぎりです。

1日に必要なタンパク質量を摂るためには、毎食、タンパク質を意識することが大切です。毎週のように新しい種類が増えるおにぎり。美味しいだけでなく、ダイエットにも向いているので、選び方をぜひ意識してみてください。

■「糖質があるから太る」は間違い

「ご飯を食べると太る」と日常から米飯を残したり、食べないように我慢している人も多いのですが、米飯は食べた方がダイエットはしやすいのが事実です。

ここ数年、糖質オフが流行り、その流れで「炭水化物である米は食べたら太る」という悪評まで立っている米飯ですが、主食として食べる、麵類、パンと比べても優秀な存在です。

「ご飯が太る」と言われるようになった理由は、「糖質」というキーワードが関わっています。100gあたり米飯は、糖質量が37gです。

ちなみに、食パンが44g、うどんが21g、そばは24gの糖質が含まれます。こうして並べると食パンと米飯が、糖質量が多そうに感じるのですが、ご飯の糖質が主食の中でずば抜けて高いということではなく、主食となる食品は全て食べてすぐにエネルギーとして使うことのできる糖質を多く含んだ食品なのです。

「糖質」と書くと「砂糖」を思い浮かべる方が多く、「ご飯は糖分が多い」「ご飯には、砂糖が多く含まれているから良くない」というイメージを抱いている方も多いようです。

誤解を解くために言うと、ご飯に多く含まれる糖質は砂糖のことではありません。砂糖は、糖質の中でも小さな単位の「糖類」になります。「糖質」「糖類」どちらも炭水化物のグループの仲間であり、言葉もとても似ているのですが、少し違います。

■お米は意外と太りづらい食べ物

まず、「糖質」は、炭水化物から、体内で消化できない食物繊維を除いたものを言います。糖質は、体内で消化吸収され、具体的には、デンプンなどの多糖類、糖アルコールなどがあります。

ごはん
写真=iStock.com/Dmitrii Ivanov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dmitrii Ivanov

米は多糖類を多く含む食品です。「糖類」と言われるのは、この中で、一番小さな単位の「単糖」と、単糖が2つくっついた「二糖類」です。砂糖は、ブドウ糖と果糖が合わさった二糖類ですが、ご飯は糖類ではありません。

また、「糖分」という言い方は、砂糖入りのような表現の時に使われます。つまり、糖質・糖類・糖分のイメージが混ざり合って、混乱しているところから「ご飯は糖分が多くて太りやすい」に変化しているようです。

そのほか、糖質量の比較で「ご飯は角砂糖○個分」などと砂糖が入っていそうな誤解される表現も問題ですね。

説明が長くなってしまいました。米飯のメリットを見直していきましょう。

まず、主食の中で1回量を考えると、糖質が多く感じますが、総合的に考えると糖質量、カロリー共にそれほど多くない点です。

パンや麵類は、作る過程で、塩、油脂、バターなどを加えて作りますが、米飯は、米を水と共に炊いているだけです。

さらに、食事の際も、パンにはバターなどの油脂やジャムやはちみつなどの糖分と合わせることが多いですが、ご飯のお供といえば、納豆や梅干し、しらすぼしなど、油脂も糖分も入っていないものばかり。

米飯は、食べ方を考えれば、案外、低カロリーで、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水分などもしっかり含んだバランスの良い食品と言えます。

■便利なパックご飯でかしこくやせる

また、血糖値の上昇についても変化があります。例えば、市販のうどんやそば原材料は小麦を粉にした小麦粉が基本です。

植物を加工して粉にした炭水化物を「粉物」と呼んでいますが、粉物は血糖値が上昇しやすく、冷やしうどんやざるそばなどは、シンプルにトッピングや薬味が少ない状態で食べるほど、血糖値は上昇しやすい傾向があります。

ご飯は、植物のままである「米」が原料のため、分解に時間がかかり、粉物に比べて吸収スピードは緩やかになるわけです。ご飯を我慢し、おかずだけを食べて物足りなさを感じるよりも、ご飯を適量加えて、満腹感を得ながら、栄養バランスを整えることがおすすめです。

そこで、やっと本題ですが、コンビニでぜひ活用したいのが、パックご飯です。

おにぎりも良いのですが、常温で長期に保存ができ、いろいろなおかずに合わせることを考えると使い勝手が良い優れものです。レンジで温めて開封した時のふっくら感は、家でわざわざ「ご飯を炊く」煩わしさを解消しながら、炊き立てのご飯のような感覚で食べることができます。

最近のパックご飯は、パックの種類と量も変化しています。以前の量は、「白米200g」のようなものが多かったのですが、最近では150~160gのサイズが増えてきています。150gは、女性用のお茶碗でご飯1膳ほど、1回で食べ切るにはちょうど良い量です。

■夜食のカップ麺をパックご飯に置き換える

白米ももちろん良いのですが、朝など空腹時の最初に米飯を食べたい時には、やはり雑穀米がおすすめです。

浅野まみこ『コンビニ・ダイエット』(星海社新書)
浅野まみこ『コンビニ・ダイエット』(星海社新書)

最近では雑穀入りパックご飯の種類も増えており、玄米、雑穀、もち麦、スーパー大麦、発芽玄米、発芽もち麦など、好みに合わせて選ぶことができます。同じ分量を食べながら、雑穀が多い分、食物繊維が増え、糖質量を抑えることができます。

食物繊維によって、吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えることができるのです。

また、代謝に必要なビタミンやミネラルの含有量も多くなるので、雑穀米を日常の習慣にしても良いはずです。美味しいパックご飯の温め方は、ほんの少しふたをはがし、記載の時間通りにレンジにかけます。

炊き上がったご飯は、すぐにしゃもじでざっくりとほぐす。これだけで炊き立てのご飯の味わいが楽しめます。

朝食は、ご飯パック1個、カップ味噌汁にレンチンしたカット野菜を加えたもの、惣菜パック1個(焼き魚など)を合わせると、量も栄養バランスも程よく摂取できます。忙しい時は、パックご飯と納豆、パックご飯とハムや温泉卵の組み合わせも良いでしょう。

昼食や夕食など少し余裕がある時、最近充実している冷凍食品のおかずシリーズから、豚の生姜焼きや牛カルビ、餃子、焼き鳥、レバニラなどと組み合わせるのも良いでしょう。

自宅作業などで忙しい時、夜中お腹が空いた時などに、ついつい手軽なスナック菓子やカップ麵などを食べる習慣がある方は、お気に入りのパックご飯を見つけて、常備をしてみてください。

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浅野 まみこ(あさの・まみこ)
管理栄養士
1975年生まれ。食と健康のコンサルティング会社・(株)エビータ代表。総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8000件以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、現在は、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ、講演、栄養指導など多方面で活躍中。テレビ、雑誌をはじめ、メディア出演多数。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動している。公式サイト

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(管理栄養士 浅野 まみこ)

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