1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

敵を絶対に作らない…「協調性が高いが意見は言う」仕事のデキる人が頻繁に口にする"鉄板の前置き"

プレジデントオンライン / 2023年4月22日 15時15分

イラストレーション=たなか ようこ

誰とでも上手く付き合える人は何をしているか。法人向け研修会社を営むコンサルタントの安田正さんは「相手の立場を尊重しつつ、協力して物事を進められる人は、相手が言いたいことを全部言い終えたあと、自分の意見を短くまとめて伝えている。本当の協調性とは、自分を押し殺すことではなく、相手が受け入れやすい表現で、タイミングよく自分の意見を言うことだ」という――。

※本稿は、安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■可愛がられやすい人がみな使っている「尊重力」

「尊重力」で魅せるために

「尊重力」とは、人に敬意をもって接し、忠実に行動する力のこと。

このタイプの人は、どんな相手にでもペースを合わせられるため、次のような特徴があります。

○ 「協調性」がある
○ 物事を「慎重」に進める
○ 忍耐強く「信念」がある
○ 「誠実」で素直

こういう特徴がいい形であらわれていると、

○ 相手の話をよく聞いた上で、自分の意見をしっかり伝えられる
○ 趣旨をきちんと説明できる
○ 自信をもって物事をやり遂げていく
○ 一緒にいるとホッとする

という「いい循環」を巻き起こす、魅力的な存在になります。

礼儀正しい人、可愛がられやすい人はみな、「尊重力」を上手に活かしているのです。

一方で、この特徴が裏目に出てしまうと、フォロワー(リーダーやほかのメンバーを補佐する人)の役ばかりになってしまい、自分自身が評価されにくくなってしまいます。

○ 存在感を出せない……
○ 自信なさげで頼りない……

こういったことに心当たりはありませんか。

「尊重力」を活かして、より魅力的で活躍できるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

具体的な例をあげながら、見ていきましょう。

■相手のいいところを素早く見つけ、素直に評価できる

もめ事は避けたい
1 ホンネが言い合える関係になる
こんなことで悩んでいませんか?

○ ホンネを言うのが苦手
○ 誰かの意見や考え方に合わせがち
○ 無難で当たりさわりのないことを言ってしまう

なるべく角が立たないように、と何かと中立的な立場をとる人がいます。

フェアでいることは一見よいことのように思えますが、どっちつかずの対応をとり続けていると、

○ 相手の印象に残りにくい
○ よそよそしい関係から発展しにくい
○ 納得のいかない結論に決まってしまうことがある……

といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。

変身ポイントは「尊重力」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「尊重力」がマイナスにあらわれているからです。

「尊重力」とは、人に敬意をもって接し、忠実に行動する力のこと。

尊重力が高い人は、どんな立場の相手にでも敬意を表し、礼を尽くすことができます。また、相手のいいところを素早く見つけ、素直に評価できるのも、尊重力が高い人の特徴です。

ここでの悩みのように、「当たりさわりのない態度をとることが多い」といった「尊重力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

オフィスでノートパソコンを片手に説明する男性
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu

■「自分の考えをハッキリさせる」ための前置き

「尊重力」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「当たりさわりのない態度をとってしまう」のでしょうか。

このような人は、相手を過度に尊重するあまり、「気にさわらないように」「なるべく問題を引き起こさないように」と、何事にも慎重になり過ぎる傾向があります。結果として、角が立たないぶん、曖昧でどっちつかずな答え方をしやすくなってしまいます。

これは一概に悪いこととはいい切れません。

このような人は、思考が柔軟で、大きな変化にもすぐに適応できるのが特徴です。たとえば、チームの体制や組織の方向性がガラッと変わっても、動じることなく適応できるのは、このような人ならではの魅力です。

ただし、人間関係の局面では、相手に「物足りない」「腹を割って話せない」とマイナスに受け取られてしまうこともあるようです。

「尊重力」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、尊重力をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

マイナスからプラスへの変身のコツは「自分の考えをハッキリさせる」ことです。

自分は賛成なのか反対なのか、白なのか黒なのかということを明言するのです。

そこで敵をつくらないコツは、意見をハッキリ述べる前に、

「感覚的にしかわからないんですが……」
「私の考えでは……」

とひと言、前置きすることです。

また、複数の中から選ぶような局面では、「Aさんの話が心に響きました」などと含みをもたせて言ってもいいでしょう。

自分自身の「常にフェアである」ことの魅力を活かせば、難しいジャッジも簡単に下すことができるようになります。

■「言い返したくても言い返せない」ことをエネルギーに

周りの空気に流されがち……
2 自分の意見をきちんと言える

こんなことで悩んでいませんか?

○ 強気な発言をする人がいると、自分の言いたいことが言えなくなってしまう
○ 強く主張されると、うまく言い返すことができない
○ 納得のできない結論に従うことが多い

強気でこられると無条件に従ってしまう……。周囲にワンマンタイプの人がいるときに、やってしまいがちな対応です。

しかし、そのままにしていると、

○ 我慢ばかりでストレスが溜まる
○ 自分の気持ちを押し殺すクセがつく
○ 自分の意見を言うのが、どんどん苦手になってくる……

といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。

変身ポイントは「協調性」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「協調性」がマイナスにあらわれているからです。

「協調性」とは、たとえ性格や意見が異なっても、互いに譲り合うことで調和をはかろうとする力のこと。「協調性」に富んだ人は、互いの利害が対立するような場面でも、それぞれの立場を尊重しつつ、協力して物事を進めることができます。

ここでの悩みのように、「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」といった「協調性」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

■本当の協調性とは、タイミングよく自分の意見を言うこと

「協調性」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」のでしょうか。

協調性に富んだ人は弱気で、相手の強気な態度に怖じ気づいている、というわけではありません。

むしろ、人一倍冷静でなるべく物事を荒立てたくない、人間関係に波風を立てたくない――。

そんな気持ちから、相手に強く主張されれば、じっと我慢して合わせてしまうのです。

せっかく、事前に「こういったことを話そう」といったプランや話す準備をしているのに、結局いつも言えずじまいになってしまいます。

これは非常にもったいない話です。

説明する部下と笑顔の上司
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke
「協調性」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、協調性をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

本当の協調性とは、自分を押し殺すことではなく、相手が受け入れやすい表現で、タイミングよく自分の意見を言うことです。

安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)
安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)

絶好のタイミングは、相手が言いたいことを全部言い終えたあとです。自分の意見をなるべく短くまとめて、次のように言ってみましょう。

「若干、別の考え方をしているかもしれませんが、少しお話ししてもいいですか?」
「それでは3分だけお時間をいただいて、私の意見を述べてもいいですか?」

もっとも、あまりハッキリと伝えられず、初めのうちは反撃にあって言い負かされるかもしれません。

ただし、そのようにして必ず自分の考えを伝える習慣があれば、やがては芯のある人として、発言力が増してくるはずです。

----------

安田 正(やすだ・ただし)
コンサルタント
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。1990年法人向け研修会社パンネーションズ・コンサルティング・グループを起業。現在は英語、ロジカル・コミュニケーション®、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)、『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』(三笠書房)、『超一流の雑談力』(文響社)など著書多数。

----------

(コンサルタント 安田 正)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください