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悪魔に魂を売った輩が私たちの資産を狙っている…ホリエモンが「絶対買うな」という商品、「行くな」という場所

プレジデントオンライン / 2023年8月9日 13時15分

堀江貴文氏 - 徳間書店提供

資産を効率よく築くにはどうすればいいのか。実業家の堀江貴文さんは「コスパの悪いものは買うべきではないし、そんなものを扱う店には近づくべきではない。代表的なのが、街中でよく見かけるあの場所だ」という――。(第1回)

※本稿は、堀江貴文『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

■がん保険はどんどん値上がりする

今後の日本では、がん保険の保険料がどんどん値上がりしていく。がん保険が成り立つ仕組みから考えると、その理由はすぐに理解できる。

がん保険にかぎらず、そもそも保険とはリスクヘッジの仕組みだ。世の中には、めったに起こらないものの、かりに自分が起こしてしまった場合、個人ではリスクを背負いきれないアクシデントというものがある。例えば、失火(過失による火事)や自動車事故がそうだ。数百万円、数千万円、場合によっては数億円単位の賠償金を請求される。個人では到底まかなえない。

だから事前にリスク分散しておく。みんなであらかじめお金を出し合って協力する。そのいわば元締めとなるのが保険会社だ。保険会社は加入者から少しずつお金を集め、個々人の「もしも」のときに備えるわけだ。

失火や自動車事故などは「めったに起きないからこそ、加入者の保険料は少しで済む」とも言える。

■がん保険はリスクヘッジとしては割高

しかし一方、がんは「国民病」といわれ、じつに国民の2人に1人が罹るとされる病だ。めったに、どころか頻繁に起きる。頻繁に起きるぶん、がん保険から拠出される治療費の全体総額はかさむ。そしてその治療費(給付金)をまかなっているのは、ほかでもないがん保険の加入者たちだ。勘の良い人なら気づくと思うが、がん保険という仕組みは加入者にとって合理的ではない。リスクヘッジとして単純に割高なのだ。

私は自宅や自動車を所有していたときには火災保険や自動車保険に加入していた。でも、がん保険には一度も加入したことがない。もちろん今後も加入する気はない。

■値上げしないとビジネスとして成り立たない

すでに割高ながん保険だが、これが今後さらに値上がりしていく。

日本人の平均寿命が延び、がん患者がさらに増える傾向にあるからだ。国立がん研究センターの統計で、がんの罹患(りかん)数と死亡数の増加は、人口の高齢化がおもな原因だと結論づけられている。

そして平均寿命は今後も延びていく。厚生労働省の発表によれば2040年には男性が83.27歳、女性は89.63歳になる。無知なインフルエンサーらが「日本ではがんが増えている。これは添加物や抗生物質、ワクチンのせいだ!」などと騒ぐことがある。だがそれはくだらない陰謀論だ。

ベンチに座ってスマホを見ている老夫婦
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

昔はがんに罹患するまえにくも膜下出血や心筋梗塞など、血管疾患系の病で多くの人が命を落としていたにすぎない。がんという病にとって最大の支援者は時間だ。人間は年齢を重ねれば重ねるほど、がんに罹る可能性が高まっていく。生体としてそういうメカニズムなのだ。

日本社会は少子高齢化を突き進んでいる。がんに罹りやすい高齢者が増え、その一方でがんに罹りづらい現役世代の数は減っていく。いまですら割高ながん保険だが、今後はさらに保険料を値上げしていかないと、保険会社のビジネスは成り立たなくなってしまうのだ。

あなたにとってがん保険は本当に必要なのか。真剣に考えたほうがいい。日本には手厚い公的医療保険制度がある。万が一、がんに罹ったとしてもその制度で基本的には充分だ。がん保険などという、コスパの悪い出費をあえて選ぶのは賢明ではない。

■21世紀にふさわしい投資方法とは

「堀江さんが保有している上場株式の銘柄を教えてください」

手っ取り早くお金を稼ぎたい人が多いのだろう。こんな質問をよく受ける。結論から言えば、上場銘柄なんて持っていない。たんなるマネーゲームには興味がないからだ。私が勧める投資は自己投資だ。大きなリターンを得たいなら起業がベストだろう。

ここ数年、日本では投資の機運が急に高まった。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などの税制優遇措置が適用される制度もすっかり浸透した感がある。2024年には、現行のNISAをさらに拡充した「新NISA」もスタートする。

「貯蓄から投資へ」と政府もそんなスローガンを掲げ、国民に投資による資産形成を促している。なら、この激動の21世紀においてふさわしい投資方法とはなんなのか。

ここで簡潔に私見を述べておこう。

■本命はロケットや衛星などの宇宙開発事業

多くの人が関心を持っているのはアメリカ株だろう。特に「S&P500」というアメリカの代表的な株式指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)が人気だ。たしかに、ここ20~30年のアメリカ経済はすこぶる好調だ。それまでのビジネスのあり方を一変させる企業や製品のことをゲームチェンジャーと呼ぶが、2010年代のゲームチェンジャーは「スマートフォン」だった。だからGAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)などのIT企業が業績や株価を大きく伸ばした。

そして2020年代以降のゲームチェンジャーの本命は、ロケットや衛星などの宇宙開発事業だろう。アメリカではスペースXやブルーオリジンといった宇宙開発企業の活躍がめざましい。今後もアメリカが世界経済をリードする。

でも、だからといって、S&P500やアメリカの企業の株を買えばいいとは言い切れない。株価は必ずしも業績には比例しないからだ。宇宙開発企業が業績を伸ばしても、それが株価や株式指数に反映されるとはかぎらない。

このように投資に確実性はない。確実性がないからこそマネーゲームが成立するわけだ。となるとポイントになってくるのは「どこに投資するか」ではなく、「どう投資するか」だろう。

■投資の鉄則「長期・分散・低コスト」

投資には「長期・分散・低コスト」という3つの鉄則がある。

投資は株価上昇を期待して行うが、下落するリスクもある。でも長期保有すればリスクを軽減でき、より大きなリターンを得やすくなる。

投資の世界に「卵は1つのカゴに盛るな」という金言がある。投資をするなら、リスクを分散させるべきという戒めだ。分散のやり方はさまざまだ。いちばん手っ取り早いのは「インデックスファンド」という運用商品に投資することだろう。インデックスファンドとは、日本のTOPIX(東証株価指数)などの株価指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託。このうち「全世界株式」などの名称がついている商品を選べば、世界中の株式に分散投資することができる。

将来の正確な株価はだれにも予測できない。でも取引手数料や信託報酬が高いとその時点で不利になる。できるだけ低コストの金融商品を選べば投資は有利になる。

「長期・分散・低コスト」この投資の鉄則は、10年後の未来にも不変なのだ。

■銀行も追い詰められれば悪魔に魂を売る

銀行の経営が年々厳しくなっている。銀行はかつて融資金利と預金金利の「利ざや」で大きな収益を上げてきた。でも長引く超低金利により、それも減益の一途だ。それでもネット銀行(インターネット専業銀行)の場合は、人件費や店舗運営コストを低く抑えることができる。

一方、メガバンクや地銀など店舗型銀行はそうもいかない。多くの実店舗と人員を抱えているからだ。一見すると体力がありそうなメガバンクも余裕がなくなっている。駅前の一等地などを中心に店舗の統廃合や移転の動きが進んでいるのがその証拠だ。

銀行の看板
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/y-studio

経営悪化に苦しむ店舗型銀行が、新たな収益源の柱として目をつけているもの。それが手数料をたっぷり上乗せした運用商品の販売だ。すでに銀行窓口などで販売されているが、より気合いを入れて売ってくる。今後はなかば欺くような商品も平然と売りつけてくるだろう。

これからの日本では、年金の受給額の減少や、受給開始年齢の繰下げが予想される。老後の生活費を心配する人が増え、銀行はそこにつけ込んで営業を仕掛けるはずだ。

「銀行がそんなことするの?」と思われるかもしれない。するのだ。店舗型銀行の経営はさらに悪化していく。超低金利に加え、地方経済の停滞も銀行経営の逼迫(ひっぱく)に追い打ちをかける。雇用規制のある日本では、リストラもしづらい。

背に腹は代えられなくなった銀行が悪魔に魂を売っても、なんらおかしくないのだ。

■店舗型銀行は存在そのものがリスク

厄介なことに、銀行は私たちのお金の流れを把握している。しかも、正確だ。預金残高はもちろん、ボーナスや退職金など臨時的な収入の有無、クレジットカードの支払い状況など、すべて筒抜けである。ボーナス、退職、子どもの進学――折に触れて手数料の高い運用商品を勧めてくる。

もはや店舗型銀行の存在自体がリスクだ。近づかないにかぎる。

堀江貴文『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)
堀江貴文『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)

高い手数料のかかる運用商品は、投資の鉄則の1つである「低コスト」に反する。手を出すべきではない。

私と共著を出したこともある経済評論家の山崎元さんが「手数料が0.5%を超える運用商品はすべてゴミだと思え」と言っていた。同感だ。そして、このルールに従うと、銀行の窓口で販売されている運用商品に買うべきものはなにひとつないことになる。むしろ買ってはいけないものしかない。

私たちにできる対策としては、ネット銀行にお金を置いておくことだろう。

ネット銀行は、人件費や店舗運営コストが低いぶん、販売している運用商品の手数料も安い。客に営業するとしても比較的マイルドだ。そもそも銀行員と対面で接触する機会がなく、運用商品を直接売りつけられる心配がない。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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