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不労所得は年250万円…元年収300万円から貯蓄5000万円を築いた30代女性がやったこと

プレジデントオンライン / 2024年4月1日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RRice1981

どうすれば生活は楽になるか。30代で会社員を卒業し、投資と個人事業で生活をしているアラサーdeリタイア管理人ちーさんは「自分で働くだけでなく、お金にも働いてもらうことを考えるといい。ある程度まとまった額の不労所得が得られるようになると、仕事を選ぶ余裕ができて、生活は格段に楽になる」という――。

※本稿は、アラサーdeリタイア管理人ちー『自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました。』(かんき出版)の一部を再編集したものです(新NISA情報は、2023年11月時点)。

■好きな時に好きな仕事をする自由を手に入れた

多分、多くの人が自由に生きたいと思っているはずです。

ただ、何でも意のままにできるわけではありませんよね?

たとえば時間を巻き戻したいと思ってもできないし、人間から猫になりたいと思ってもなれません。

また、人は一人では生きていけないため、集団生活を送る中で法に触れることや、他者を不快にすることもやってはダメ。

そのため、今回、私の言う自由とは、そういった物理的・倫理的にNGな自由ではなく、「お金で買える小さな自由」のことです。

たとえば、

・やりたくないこと、できないことを代わりにやってもらう
→家事代行、便利家電の導入、外食

・欲しいものを手に入れる
→ブランド品、好きなアーティストのグッズ、家や車

・働く時間を減らす
→出世競争からの離脱、正社員からパートへ、一時的に休職

・やりたいことに挑戦してみる
→本当にやりたかった仕事に転職、習い事、世界一周の旅

・万が一のときの保険
→病気や怪我で働けなくなったときの生活費、治療や介護の費用、老後年金が減ったときの補塡(ほてん)

・誰かを助ける
→大事な人の借金を返す、生活の面倒を見る、学費を払うなどなど。

私は今、この文章を旅行先の山奥で書いています。

7月も末の暑い時期ですが、標高が高く風も通って涼しいので、外で木々のざわめきや鳥や虫の声を聴きながら、どんなことを書いていこうかなぁと考えているところ。

こんなふうに、ある程度まとまったお金を手に入れた今はそこまで大きく稼ぐ必要がないため、好きな時間に好きな場所で、好きなだけ好きな仕事ができるようになりました。

これが、私がお金で買った小さな自由です。

ただし、お金というのはもちろん使えばなくなってしまいますよね?

せっかく手に入れたこの自由を、一時的なものにはしたくありません。

そのため、私は私だけが働くのではなく、お金にも一緒に働いてもらっています。そのおかげで、自分の時間を消費することなくお金を得ることができているのです。

■「労働」だけでは一生働き続けないといけない

前述のように、お金で買える小さな自由はたくさんあります。

しかし、手持ちのお金を使って自由を買うと、その代わりにお金はなくなってしまいますので、その分また働かなくてはいけません。

労働とは、自分の能力と時間を提供することですよね?

ということは、自由を買うために自分の時間という自由を売っているようなもの。

つまり、自由を売って自由を買い、また自由を売るという無限ループに陥ってしまうのです。

働く(自由を売る)→働いた分使う(自由を買う)→働く(自由を売る)→働いた分使う(自由を買う)……→一生労働が必要!

■「お金」を働かせよう

ただし、この無限ループから抜け出す方法があります。

それこそが、自分だけが働くのではなく、お金にも働いてもらうことです。

日本は資本主義の国ですので、自分が持っている労働力もしくは資本を提供することにより、その対価としてお金を得ることができます。

そのため、「労働力の提供=自分が働く」から「資本の提供=お金が働く」に移行できれば、自分の時間を労働に消費することなく、お金を得ることができるのです。

資本とは

事業活動を行うための元手となる資金のこと。生産の3要素(労働・土地・資本)のひとつ。

資本には、
・資本主からの出資
・企業が稼いだ利益
の2つがあり、企業はこの2つの資本と労働者の労働力を使って、生産を行っている。

お金持ちの家に生まれない限り、普通の人は、最初から資本を持っているわけではないですよね? そのため、まずは自分で働くしかありません。

しかし、労働で得たお金をただ使うのではなく、一部を資本として企業に提供すれば、それでお金を得ることができるようになるのです。

自分が働く→働いた分使う→自分が働く→働いた分使う……

自分が働く→自分が働いた分の一部を資本として提供→自分とお金が働く

※ 最終的には、自分は働かずにお金だけに働いてもらうことも可能になる(いわゆるFIRE)。

■目指すは「小さな資本家」

お金を得るためには自分の「労働力」か「資本」を提供する必要があるため、資本主義下では「労働力を提供する人=労働者」と「資本を提供する人=資本家」の2種類に分けることができます。

そして、自分の時間の自由を奪われないためには、労働者ではなく資本家になる必要があるということですね。

ただし、自分がまったく働かなくても済むような大きな資本を持つには、お金持ちの家に生まれるかビジネスで成功しない限り難しいです。そのため、それを目指すのは現実的ではありません。

そこで私がおすすめしたいのが、「小さな自由を手に入れられるくらいの、小さな資本家」です。

これが実現できれば、時間の自由を奪われることなく、小さな自由を手に入れることができるようになるからです。

また、私が大きな資本家よりも小さな資本家のほうをおすすめする理由として、社会的な立場の自由という点もあります。

私は大学生の頃、海外留学をする費用を稼ぐべくホステスのバイトをしていたことがあります。そのときに代々の資本家の方や経営者とかかわることもありましたが、たとえば代々の資本家であれば、「自分の代で資産を減らすわけにはいかない」というプレッシャーだったり、経営者であれば人格者であることを求められたり、従業員も抱えているため責任も重そうだなぁと感じました。

私の人生のモットーは、「楽に楽しく生きる」です。

そのため、できる限り過度なプレッシャーや社会的地位は持ちたくないと思っています。ですから、億万長者になりたいとか、社会的に成功したいという方には、本稿の内容は参考にならないかもしれません。

一方、私のように「今よりちょっと自由に生きたいなぁ」と思っている方には、そのヒントになるのではないかと思います。

スーツケースを持って街を歩く女性
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maruco

■労働者よりも資本家のほうが有利な現実

私が小さくても資本家にもなることをおすすめするもうひとつの大きな理由は、長期で見ると労働よりも資本の収益のほうが高いというデータ上の現実があるからです。

みなさんは、「r>g」をご存じでしょうか。

r>gとは?

フランスの経済学者トマ・ピケティ著の『21世紀の資本』で唱えられた不等式。rは資本収益率、gは経済成長率を表している。

同書によると、18世紀までさかのぼってデータを分析した結果、「r=資本収益率」が年に5%ほどであるにもかかわらず、「g=経済成長率」は1~2%ほどしかなかったと指摘している。そのため、「r>g」という不等式が成り立つ。

このように、労働力の提供によってもたらされる経済の成長よりも、資本の提供によってもたらされる収益のほうが大きいのです。

もっとわかりやすく表すと、汗水垂らして一所懸命働く労働者より、持っているお金を働かせている資本家のほうが儲かるってことなんですよね。

もちろんこれは過去のデータを見るとそうなっているというだけで、今後もそうなるかはわかりません。

しかし、3世紀にもわたってそのように推移してきていることを考えると、今後も労働者より資本家のほうが有利になる確率は高いと言えるのではないでしょうか。

というかむしろ、現在もし労働収入しか得ていない状況なのであれば、それこそがリスクだと思いませんか? そのため、私は小さくても資本家にもなることを強くおすすめしたいのです。

■小さな資本家になるには株式投資が最適

「資本の提供=お金が働く」ということは理解していただけたかと思いますが、具体的にどういう方法があるのでしょうか?

資本の提供ということは、すなわち「資本を何かに投ずる=投資」です。

この投資にはいろいろな方法が存在するわけですが、私はその中でも一番リターンが期待できる「株式投資」をおすすめしたいと思っています。

次のグラフ(図表1)は、私お気に入りの「200年前に1ドルを株式、債券、金、ドルに投資した場合、200年後にいくらになっているか」を示したものです。

どうでしょうか? 最近は金(ゴールド)の高騰も話題ですが、長期では株式が他を圧倒しているのがわかりますよね。

200年前に1ドルを投資したらいくらになるか
『自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました。』P.23より

ちなみにこちらは米国のデータをもとにつくられたものですが、世界的に見ても株式の伸びが一番高いことが知られています。

そしてこのどこに投資をするかというのは、わかりやすく言えば、自分と一緒に働いてくれる「お金ちゃん」を「株式」「債券」「金(ゴールド)」「現金」のどこに就職させるのか? って話なのです。そう考えたときに、私は過去の給料が一番高い「株式」を就職先に選んだって感じですね。

■少額で分散投資が手軽にできる

株式投資は、ほんの30年前まで、基本的にお金持ちしかできないものでした。というのも、手数料も高いしある程度まとまった資金がなければできなかったからです。

しかし、2000年代に入るとネットを通して株式投資ができるようになり、手数料がどんどん安くなっていきました。

私自身このおかげで、庶民ながらも今の資産をつくることができたと言っても過言ではありません。

また、最近は少額から分散投資も手軽にできるため、私はこの「小さな資本家」になるのに、

・長期で一番リターンが期待できる
・誰でも少額から始めることができる

という2点からも、この「株式投資」が最適であると思っています。

ただし、ネット証券を通して買える株式投資の種類は数多あり、その商品選びを間違えるとハイリスクにもなり得ます。

リスクとリターンはイコールなので、大きなリターンを期待してリスクを背負った場合、一攫千金もあれば頑張って働いて得た大切な「お金ちゃん」を失うことも。

そのため、私がおすすめするのは、株式投資の中でもリスクを抑えた投資信託などの方法です。

それは、大きな資本家ではなく、小さな資本家を目指しているから。

また、運や能力に左右されず、多くの人にとって少しでも再現性を高くしたいからです。

■資本家と労働者のハイブリッド生活5年目の現状

私は現在、自分の人生のモットーに則って、楽に生きるためにお金にも働いてもらい、楽しく生きるために生きがいとなるライフワークを見つけ、その仕事を好きなだけするという毎日を送っています。

そう、まさに私自身が今このように、資本家と労働者のハイブリッドで生活をしている状況です。

このような、資産収入(お金ちゃんの給料)と労働収入(自分の給料)の両方を得る状況をサイドFIRE(本稿では「ゆるFIRE」と表現)といいますが、私は2018年の末から現在まで約5年間、このサイドFIREを継続中です。

私の場合は、3000万円の資金を用意し、そのお金にも一緒に働いてきてもらいました。資本の収益率は5%程度のため、毎年、生活費として配当金分である2.5%は使ってきましたが、それでもこの3000万円は現在5000万円を超えるまでに増えてくれています。

著者の資産 2018年末(3000万円)→2023年9月(5109万円)
『自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました。』P.27より
アラサーdeリタイア管理人ちー『自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました。』(かんき出版)
アラサーdeリタイア管理人ちー『自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました。』(かんき出版)

私はたびたび、自分の資本を漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる「スタンド」にたとえています。

スタンドとは自分の精神の力が具現化した存在で、修行をするにつれてどんどん強くなっていきます。スタンドの力は未知数で、本体である人間の域を超えた超絶的な能力を発揮します。これを「r>g」に当てはめると、「r(=スタンド)>g(=本体)」という感じになりますね。

そしてまさに私本体よりも、この「お金ちゃん」という名のスタンドのほうが、どんどん強くなっていっています。

今はまだ私自身も若く、労働力もそこそこありますが、逆転する日(資産収入>労働収入となる日)も近いんだろうなぁと思っています。

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アラサーdeリタイア管理人ちー ブロガー、投資家
ブログサイト「アラサーdeリタイア」管理人。物とお金をうまく管理することで、好きなことだけをしてゆるく生きるライフスタイルについて発信中。著書に『ゆるFIRE』(かんき出版)がある。YouTubeチャンネル「ちーのゆるFIREな日々」も運営中。

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(ブロガー、投資家 アラサーdeリタイア管理人ちー)

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