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「都会の人は冷たく、田舎の人は温かい」は本当か…路肩に車を停めて援助を求めた時の反応の決定的違い

プレジデントオンライン / 2024年4月9日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/champpixs

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、3月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。

■要約サービス「3月のビジネス書」ベスト20

第1位:『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜著、クロスメディア・パブリッシング)
第2位:『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(古屋星斗著、日本経済新聞出版)
第3位:『アドラー流 気にしないヒント』(岩井俊憲著、三笠書房)
第4位:『「伝える前」が9割』(浅田すぐる著、KADOKAWA)
第5位:『何でも言える職場はどっち?』(池本克之著、自由国民社)
第6位:『自分を変える話し方』(寺田有希著、クロスメディア・パブリッシング)
第7位:『すごい心理学』(内藤誼人著、総合法令出版)
第8位:『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください!』(ひろゆき著、サンマーク出版)
第9位:『続ける思考』(井上新八著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第10位:『思いつきって、どうしたら「自分の考え」になるの?』(深沢真太郎著、日本実業出版社)
第11位:『フラット・マネジメント』(電通若者研究部 ワカモン著、エムディエヌコーポレーション)
第12位:『話していると楽しい人 しんどい人』(野口敏著、三笠書房)
第13位:『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』[山口貴大(ライオン兄さん)著、KADOKAWA]
第14位:『コミュニケーションの教科書』(渡部建著、きずな出版)
第15位:『「暗記する」戦略思考』(高松智史著、かんき出版)
第16位:『スラムダンク勝利学』(辻秀一著、集英社インターナショナル)
第17位:『眠れないほどおもしろい 紫式部日記』(板野博行著、三笠書房)
第18位:『ボクと、正義と、アンパンマン』(やなせたかし著、PHP研究所)
第19位:『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』(針貝有佳著、PHP研究所)
第20位:『1フレーズ経営学』(三谷宏治著、SBクリエイティブ)

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年3月の閲覧数ランキング

■会社の「ムダ」100個に解決策を教えてくれる

今月の第1位は『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』でした。

元山文菜『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(クロスメディア・パブリッシング)
元山文菜『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(クロスメディア・パブリッシング)

会社の「ムダ」を100個挙げ、それらを「業務のムダ」「管理のムダ」「共有のムダ」「処理のムダ」「コミュニケーションのムダ」「会議のムダ」「組織のムダ」に分類したうえで、一つひとつの解決策を教えてくれる一冊です。

ムダの一例として紹介したいのが「きまぐれ上司のご機嫌取り」。思いつきで質問やアドバイスをしてくる上司への対応にかかる時間は、ムダ以外の何物でもありません。

そんなムダの解決策として、5つのポイントを意識した「戦略的な説明」が挙げられています。

(1)相手の「既知の情報」と「未知の情報」を推し量り、前提をすり合わせる
(2)説明する範囲を見せる
(3)たとえ話を使って相手の理解を助ける
(4)相手の理解具合を意識しつつ、適切なスピードで話す
(5)相手が理解できるよう、情報量を調整する

これら5つのポイントを押さえて説明すれば、上司とのムダなコミュニケーションを大きく減らすことができるでしょう。結果として、仕事が効率化するだけでなく、気持ちよく働けるようになるはずです。

本書の著者である元山文菜さんは「だれもが一生懸命働く現代、役目を終えたのに職場に取り残され、今も私たちを苦しめているムダ作業。本書がそれらに気づき手放すキッカケになればと思います」と語っています。ムダを手放し、業務を効率化する第一歩として、ぜひ読んでみてください。

■「優秀な若手ほど辞める」を食い止める方法はあるのか

第2位は、前著『ゆるい職場』において、職場を「ゆるい」と感じる若手社員の離職傾向が強いことを指摘して読者を驚かせた古屋星斗さんの『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』でした。

古屋星斗『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(日本経済新聞出版)
古屋星斗『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(日本経済新聞出版)

本書では、若手が活躍できる職場のつくり方や「優秀な人材ほど辞める」への対応策などを提示しています。

まず知っておきたいのは、若手が成長し活躍できる新しい時代の職場に必要な要素として「心理的安全性」と「キャリア安全性」が挙げられること。

職場のキャリア安全性とは「このまま所属する会社の仕事をしていても成長できないと感じる」「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」「学生時代の友人・知人と比べて、差をつけられているように感じる」という不安がどの程度その職場で解消できるのかということ。職場のキャリア安全性が乏しいと、若手は不安を感じ、それが離職につながるのだといいます。

また「優秀な若手ほど辞める」を食い止める方法の仮説として、「囲い込まず、外の体験を与える」「短期で成長実感が得られる業務にアサインする」「褒めるだけでなく、フィードバックもしっかりする」「本人の合理性を超えた機会を提供する」の4つが挙げられています。これらを知っているだけでも、若手社員との接し方が変わってくるでしょう。

入社や配置換えのある春、必ず読んでおきたい一冊です。

■朝と夜の過ごし方を変えることで活力を養う

第3位には『アドラー流 気にしないヒント』がランクインしました。

岩井俊憲『アドラー流 気にしないヒント』(三笠書房)
岩井俊憲『アドラー流 気にしないヒント』(三笠書房)

アドラー心理学を日本に広めた第一人者、岩井俊憲さんが、普段の生活で使えるアドラー心理学を教えてくれる一冊です。

まず取り入れたいのは「オセロ・ゲームの生活」を心がける習慣。朝と夜の気持ちを意識的に「よいもの」にしようとする習慣です。

例えば、朝は気持ちよく起きて出勤(=白のオセロが置かれる)。日中には顧客のクレーム対応をしなければならない(=黒のオセロが置かれる)こともあるものの、夜は家族とゆったり過ごして穏やかな気持ちで眠る(=白のオセロが置かれる)――。この生活であれば、昼に黒のオセロが置かれても、朝と夜に白のオセロを置かれているので、間にある黒のオセロを白のオセロに変えられるのです。

これはアドラー心理学の「勇気づけ」の手法です。勇気づけとは、「困難を克服する活力を与えること」。白のオセロばかり置ける人はいません。それでも少しずつ白のオセロを増やそうと意識することで、困難を乗り越えられるでしょう。

■「紙一枚」でコミュニケーションはぐんと楽になる

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、『「伝える前」が9割』でした。

浅田すぐる『「伝える前」が9割』(KADOKAWA)
浅田すぐる『「伝える前」が9割』(KADOKAWA)

あなたは、伝えるのが得意なほうですか? もしくはあまり得意ではなく、できれば話さずに済ませたいと思っていますか? 特に後者の方にとって、本書は強い味方となってくれるでしょう。

本書のメインメッセージは、伝える前の準備によってコミュニケーションは格段にラクになるということ。具体的には、伝える前の思考整理をしたり、相手に伝えたい情報をまとめておいたりするための「紙1枚」をつくることが推奨されます。

「紙1枚」のつくり方は簡単。紙に4×4の枠をつくり、左上のフレームに日付とテーマを記載して、枠内にキーワードを書き入れていくだけ。最後にキーワードをつないで、伝えたい順番を決めればOKです。

自己紹介からプレゼンまで、幅広く使える「紙1枚」メソッド。マスターすれば、伝えることは怖くなくなるはずです。

■心理的安全性が高い職場をつくる方法は

第5位の『何でも言える職場はどっち?』にもご注目ください。

池本克之『何でも言える職場はどっち?』(自由国民社)
池本克之『何でも言える職場はどっち?』(自由国民社)

心理的安全性が高い職場やチームをつくりたいと思っているけれど、何から始めればいいのかわからない――。そんな人におすすめしたい一冊です。

本書の特徴は、職場でよくある104のシチュエーションを題材に「心理的安全性の高い職場をつくるにはどちらのスタンスをとればいいか?」を二択クイズにしている点。「どっちだろう?」と考えながら、楽しく学ぶことができます。

たとえば「挨拶は自分からする? 自分からしない?」というクイズ。正解は「自分からする」です。その理由は、挨拶には「味方であること」を相手に知らせる効果があるから。挨拶が活発になれば、職場の心理的安全性はおのずと高まっていくでしょう。

リーダーやマネジャー、経営層、人事担当者はもちろん、気持ちよく働いて成果を出したいメンバー一人ひとりにもぜひ手に取ってほしい、チームづくりの教科書です。

■「都会の人は冷たい」は本当なのか

最後にご紹介したいのが、第7位の『すごい心理学』。

内藤誼人『すごい心理学』(総合法令出版)
内藤誼人『すごい心理学』(総合法令出版)

多数の著書を持つ内藤誼人さんが、ビジネスの現場や日常生活で使える心理学を教えてくれる一冊です。

そのうちのひとつが“本当に都会の人は冷たく、田舎の人は温かいのか?”というテーマ。心理学的にいうと、都会の人が冷たい人ばかりというわけではありません。人が多すぎるがゆえに「自分が助けなくても、ほかの人が助けるだろう」と考え、結果として不親切になってしまう「責任の拡散現象」が生じているだけなのです。

これを裏づける実験を紹介しましょう。

米国カリフォルニア州立大学のポール・スコルニックは、交通量の多い道路と田舎道で、路肩に車を止めて援助を求めました。その結果、交通量の多い道路では助けてもらうまでに23.49台の車が通りすぎた一方、田舎道では2.56台しか通り過ぎなかったといいます。

「やっぱり都会の人は冷たいんだ」と言いたくなるかもしれませんが、ここからが実験のミソ。都会であっても、交通量が少なくなる時間帯には助けてくれる人が増えたのです。「責任の拡散現象」が生じなければ、都会の人も田舎の人と同様、他人を助けるといえるでしょう。

あなたの知的好奇心を満たしてくれて、雑談のネタにもぴったりの一冊。ぜひ読んでみてください。

今月も、人材育成からアドラー心理学、習慣術まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第1位だった『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』が第13位、第2位だった『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部 本の要約サービスflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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