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ブルーライトが有機ELディスプレイの劣化を促進することを実証

PR TIMES / 2022年7月28日 10時45分

~有機ELディスプレイの長寿命化と、円偏光板レスのフォルダブル/ローラブル端末の用途拡大に弾み~

トーヨーカラー株式会社(代表取締役社長 岡市 秀樹、東京都中央区)は、ブルーライトから有機EL素子を保護することで、有機ELディスプレイの劣化を抑制できることを実証いたしました。当社が開発したブルーライトカット剤を用いて380~420nmの波長をカットすることで、有機ELディスプレイの長寿命化が可能になります。




 有機ELディスプレイはその画質の高さからハイエンドモデルのスマートフォンやテレビなどで採用が進んでいますが、特に青色素子の耐久性が低く時間の経過とともに画質が劣化するため、液晶ディスプレイと比較し製品寿命が短いといわれています。有機EL素子の劣化要因としては素子が繰り返し発光することや紫外線が挙げられ、これまで様々な対策がなされてきました。ブルーライトによる影響も劣化要因のひとつと推定されていましたが、実用に耐えうる適切なブルーライトカット剤がなかったこともあり、これまで証明はされていませんでした。
 この度トーヨーカラーは、有機エレクトロニクス分野の最先端実証研究機関である山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(https://inoel.yz.yamagata-u.ac.jp/)結城敏尚准教授の協力のもと、ブルーライトが有機EL素子に与える影響を実証しました。当社のブルーライトカット剤を用いて有機EL素子を保護することで、現行構成と比較して電圧上昇を約60%抑制することができます。
これにより、有機ELディスプレイの寿命を延ばすことが期待できるほか、より過酷な使用環境での耐久性が求められる車載用途や屋外のサイネージなどへの展開も可能になります。さらに、円偏光板(*1)レスでも劣化を十分に抑制できることから、フォルダブル/ローラブル端末の用途拡大が期待されます。

トーヨーカラーは、要素技術である合成技術・分散技術を活かし、「機能材で社会課題の解決」を提案し続けることで、お客様の製品訴求力向上に寄与し、未来に向けたディスプレイの進化と新しい生活文化の創造に向けて貢献していきます。

◆ブルーライトおよび当社ブルーライトカット剤について
ブルーライト(380~500nm)は可視光線の中で波長が短く、比較的強いエネルギーをもつ光です。紫外線(~380nm)が有機物を劣化させることは広く知られていますが、ブルーライトもまた、紫外線と同様に素材を劣化させることが指摘されはじめています。

[画像1: https://prtimes.jp/i/68461/55/resize/d68461-55-65a0109f1c923ba0396b-2.png ]



 トーヨーカラーが開発した高耐性ブルーライトカット剤は、長年培った合成技術による独自の構造により、優れたブルーライトカット性能を有する新しい素材です。少量添加でブルーライトカット機能を付与でき、また要望に応じてブルーライトのカット域を一定範囲で任意に制御することも可能です。耐光性・耐熱性が非常に高く、長期的に劣化しないため耐久財用途に向くほか、350℃もの高温に耐える製品もラインナップしており、これまで使用できなかった加工プロセスや過酷な使用条件でもご使用いただけます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/68461/55/resize/d68461-55-ca3bdf48dcd95f2847a0-1.png ]




トーヨーカラー関連ウェブサイト

高耐性ブルーライトカット剤
https://www.toyo-color.com/ja/products/pickup/blue-light-cut_masterbatch.html

◆ブルーライトが有機EL素子に与える影響について
有機EL素子は一般的に劣化が進むにつれ同じ輝度を得る際の駆動電圧が上昇します。保護材料の違いによる素子の劣化を比較するため、青色有機EL素子をそれぞれ円偏光板、汎用の紫外線吸収剤、ブルーライトカット剤を用いて保護し、耐光性試験を実施しました。なお、素子の作製と劣化評価は、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター結城敏尚准教授の協力のもとに実施しました。
本実験の結果、現行の有機ELディスプレイに用いられる円偏光板に代わり、紫外線吸収剤とブルーライトカット剤で保護することで、有機EL素子の駆動電圧の上昇を現行構成と比較して約60%抑制でき、円偏光板レスでも劣化が十分に抑制できることが実証されました。フォルダブル/ローラブル端末で注目されているCoE(Color Filter on Encapsulation)構造(*2)の長寿命化に寄与することが期待されます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/68461/55/resize/d68461-55-6674950835c091baa5ba-0.png ]


※1円偏光板:有機ELディスプレイに使用され、ディスプレイに入った外光反射を打ち消す役割を担います。
※2 CoE(Color Filter on Encapsulation)構造:円偏光板に代替する反射防止技術。

TOYOCOLOR、およびTOYOCOLORロゴは、東洋インキSCホールディングス株式会社の商標もしくは登録商標です。


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