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清水建設の次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」開発に向けた山岳トンネル切羽監視支援システム実証実験開始のお知らせ

PR TIMES / 2021年1月11日 12時15分

ディープラーニングを活用したクラック(ひび割れ)検出サポートシステム構築により、トンネル工事現場 切羽近辺での肌落ち災害の防止を目指す

エッジAIのスタンダートを創るLeapMind株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:松田 総一、読み方:リープマインド、以下:LeapMind)は、清水建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井上 和幸、以下:清水建設)と共同で、トンネル掘削工事現場の切羽近辺での肌落ち(掘削面の崩落)災害の防止を目指したサポートシステムの構築に向け実証実験を開始しましたことをお知らせいたします。



[画像1: https://prtimes.jp/i/16656/61/resize/d16656-61-858518-0.png ]

■建設業界における課題
トンネル掘削工事の際、切羽(掘削最先端)付近での肌落ち災害防止のためにコンクリート吹付けを行い掘削面の安定化を図っています。しかし、コンクリート吹付けが行われていた場合においてもクラックと呼ばれるひび割れを発端に落盤・落石等の肌落ちが発生するケースがあります。作業員の安全確保のため、現在は事故防止を目的に、肌落ちの前兆として発生すると考えられるクラックの出現を目視で監視するために切羽監視員を常駐させています。切羽監視員による監視業務は、作業員の安全確保のために非常に重要ですが、目視で監視しているため、発見の遅れや見落としが一定の割合で発生していました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/16656/61/resize/d16656-61-734119-1.png ]

実際に、山岳トンネル工事における切羽での落石等(肌落ち)事故では、被災者の6%が死亡し、42%が休業一ヶ月以上となる事例が報告されており、事故が発生した場合の重篤度が高くなる(※1)傾向にあります。

この課題に対し、更なる安全性の向上のためには、切羽監視員による常時目視監視に加えて、ICT技術を活用した肌落ち発生の予兆を検知するためのサポートシステムの構築が急務となっています。

■実証実験の背景
清水建設では、建設現場での安全性の確保という建築業界における課題に対し、ICT技術やAI等を活用した建設機械と作業員が協調しながら安全に作業する「協調安全」の技術的方策「Safety2.0(※2)」のコンセプトを取り入れた、次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル(※3)」の開発に着手しています。
今回のクラック検出サポートシステムの実証検証は、この「シミズ・スマート・トンネル」の取り組みの1つになります。
この度、LeapMindの先進性と提案力の高さを評価いただき、実証実験を開始することとなりました。

■クラック検出サポートシステムについて

[画像3: https://prtimes.jp/i/16656/61/resize/d16656-61-394904-2.png ]

切羽付近に取り付けられたカメラで撮影した切羽面の画像をクラック検出のための解析PCでリアルタイムに解析し、肌落ち等の前兆の可能性を検出した場合、切羽監視員のタブレット端末へ当該情報を伝達します。その後、切羽監視員はその情報を元に現場状況を確認し、必要に応じて警報機を発報させることを想定しています。クラックの検出にはディープラーニング技術を活用したセマンティックセグメンテーション(画像内の全画素に検出対象ラベルやカテゴリを関連付ける技術)を採用し検証を実施しました。

■実証実験の成果と今後について
検証を実施するにあたり切羽面のクラック画像が必要となりますが、当該クラックの発生頻度は低く十分なデータ収集が難しいものでした。これを解決するために、擬似的にクラックを付与した模擬データを利用しディープラーイニングでのクラック検出の検証を実施しました。その結果、実環境と同等の状況においてもクラック検出が可能であることを確認できました。

今後は、実用上必要な精度を担保可能なディープラーニングモデルの構築を目指すとともに、切羽監視員のサポートに貢献可能なシステム構築およびそれを活用した運用フローの実現を目指してまいります。

※1)『山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン 平成30年1月18日 改正』 厚生労働省.
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149309.html

※2)一般社団法人 セーフティグローバル推進機構の提唱する、人・モノ・環境が、情報を共有することで協調して安全を構築する安全の概念
参考: https://institute-gsafety.com/safety2/

※3)トンネル建設工事の従事者や建設機械、作業環境、建設地周辺の自然環境などのあらゆる情報を集約し、AI解析に基づくガイダンス情報をリアルタイムに現場へフィードバックすることで、トンネル現場の施工における生産性と安全性の向上を目指す、デジタルツイン統合管理システム。情報通信技術(ICT)の活用等で建設生産システム全体の生産性向上を図る「i-Construction」の導入が拡大している事や、トンネル工事現場での安全性のさらなる向上が課題とされている状況を踏まえた取り組み。
参考:https://www.shimz.co.jp/topics/construction/item21/

■LeapMind株式会社について
「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を企業理念に2012年創業しました。累計調達額は49.9億円に達しています。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術に強みを持ち、自動車産業など製造業中心に150社を超える実績を保有しています。ソフトウェアとハードウェア両面の開発ノウハウを元に、半導体IP「Efficiera」も開発しています。

本社:〒150-0044 東京都渋谷区円山町28-1 渋谷道玄坂スカイビル 5F
代表者:代表取締役CEO 松田 総一
設立:2012年12月
URL:https://leapmind.io

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