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武器貿易条約発効 人権の歴史的快挙

PR TIMES / 2014年12月24日 19時13分

武器貿易禁止条約(ATT)が、本日12月24日に発効する。この条約成立に20年以上にわたり取り組んできたNGOにとって、記念すべき人権の飛躍である。ATTは一つひとつの武器取引で人権の視点が明確に入った初の条約である。この種の条約としては初めて法的拘束力を持ち、残虐行為を行う可能性のある国に武器が渡ることを阻止することができる。




1990年代初めよりアムネスティは他のNGOとともに、残虐行為や人権侵害が行われている国で、事態をさらに悪化させる通常兵器や弾薬の流入をくい止めようと、国際的な武器移転を規制する国際規約の実現に向けて活動してきた。武器取引規制を初めて提案した当時は、それを聞いて嘲笑する人たちもいた。

20年を経た今、その提案が法的拘束力のある条約になる。この歴史的快挙は、人権活動家たちが、優れた着想を人びとの命を守る手段に変えるためにあきらめずに活動を続ければ、何が実現しうるのかということを示している。

これまでほとんど規制なく取引されていた武器・弾薬で、毎年少なくとも50万人の命が失われ、数百万人が負傷し、強かんされ、自宅を追われている。武器は秘密裏に取引されているが、国際的移転の総額は年1,000億米ドル近いとされる。武器貿易条約には、大量虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪や重大な人権法違反となる行為に武器が使用される恐れのある国への移転を阻止する確固たる規定が、多く盛り込まれている。条約に参加する各国は今後、武器輸出が残虐な行為を助長する危険性を軽減するために、客観的な評価を求められる。

武器の輸出国主要10カ国のうち、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の5カ国は、武器貿易条約をすでに批准した。批准国数は全部で60カ国だ。条約に署名したがまだ批准していない国は70カ国である。最大の武器生産国であり輸出国の米国は、その70カ国に入っている。中国、カナダ、ロシアなど他の主要な武器生産国は、条約の署名あるいは批准を拒否している。

アムネスティは条約をしっかりと機能させるために、すべての国が批准して条約に参加するようこれからも圧力をかけ続ける。世界のアムネスティ支持者らは、米国、中国などまだ批准していない国々が、来年には批准するよう要請していく。この条約が世界の武器取引の基本原則を確立したとはいえ、万能ではない。各国がこの原則を確実に守るようにするためには、さらに幅広い支援と圧力が必要であり、各国の決意と参画が不可欠である。武器が見境なく取引されてきたために、世界でどれだけの人びとが苦しめられてきただろうか。各国が条約を実践することは、幾多の武器犠牲者や被害者に対する責務である。


▽アムネスティ日本公式サイト
www.amnesty.or.jp

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