~ICT を活用した学びのあり方に関する調査~ 小・中学校教員の 9 割が授業でのICT活用に前向き ICT が「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は 4 割未満

PR TIMES / 2014年3月19日 19時44分



 株式会社ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2013 年10 月に、全国の公立小・中学校の教員を対象にした「ICT を活用した学びのあり方に関する調査」を実施いたしました(郵送調査、有効回答数 1,608 名)。本調査は、ICT 機器の整備状況の把握にとどまらず、授業での ICT 活用の実態や教員の意識、これからの学びを教員がどのように捉えているかについて明らかにすることを目的としています。また、全体の傾向を捉える一般の公立校と、ICT を活用した授業を実践している先進的な学校を抽出して調査を行うことで、今後の ICT 活用のあり方や課題を検討しています。学校に調査を依頼して、さまざまな立場の教員の指導実態や意識をたずねており、他にはない調査になっています。主な調査結果は、以下の通りです。
*下記調査結果の文中、カッコ内の 2 つの数字は、(小学校のデータ、中学校のデータ)を示します。

ICT活用の実態
1.小学校教員の 8 割、中学校教員の 6 割が既に ICT を活用した授業に取り組む
普通教室での ICT 機器の整備状況をみると、「デジタルテレビ」(79.4%、70.5%)や「実物投影機」(88.1%、73.8%)、電子黒板(47.9%、43.9%)は普及が進んでいますが、「子ども用タブレット端末」は 10%未満(7.7%、6.0%)にとどまります(「普通教室でつねに使える」と「普通教室で共有のものを使える」の合計)。その中で現在、授業で ICT を活用している教員は、小学校で 78.7%、中学校で 61.1%です。また、授業での ICT 活用の内容は、「子どもが興味を持つ教材をインターネットで集める」(71.5%、70.8%)や、「ノートや教材を実物投影機で映しながら説明する」(52.1%、28.3%)の割合が高く、教材の収集・提示が中心となっています(「よく実施している」と「ときどき実施している」の合計)。 今後のICTの活用意向

2.今後 ICT を活用したい意向がある教員は約 9 割に達する
今後、ICTを活用したいと考える教員は、小学校で95.6%、中学校で87.8%です(「とても活用したい」と「まあ活用したい」の合計)。また、今後、取り組みたい内容に関しては、「教材の収集・提示」や「情報教育」の項目に加えて、「プレゼンテーション用のソフトを使って子どもが共同で資料をまとめる」(54.6%、64.3%)が半数を超えるなど、協働学習に及びます(「とても取り組みたい」と「まあ取り組みたい」の合計)。 ICTの効果・目的に対する意識

3.これからの授業を変えていく意識はあるが、ICT が「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は 4 割未満
今後、子どもたちのどのような力を育成する授業を増やしたいかをたずねたところ、「自分の意見を伝える力の育成」(56.2%、51.6%)、「友だちと協働する力の育成」(51.9%、49.6%)、「主体的に行動する力の育成」(50.4%、46.0%)について「とても増やしたい」が約50%に達し、多様な力の育成について今後の授業で増やしていきたい意向がみられます。しかし、具体的なICTの結果については、「学習に対する子どもの興味・意欲が高まる」(91.9%、85.6%)と回答した割合が突出して高い結果になりました。「自分の興味・関心があることを自由に学べるにようなる」(38.5%、32.9%)、「一人ひとりの能力に合わせた学習の機会が増える」(32.7%、25.9%)など、ICTが「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は4割未満にとどまっています。


教師が考える不安と課題
4.教員は授業準備の大変さや自分のICTスキルに不安を感じている
ICT を授業で活用することについて、「とても不安」「まあ不安」と回答した教員は、小学校で50.2%、中学校で 51.3%と約半数です。ICT を授業で活用する際の課題については、「授業の準備に時間がかかる」(77.7%、79.8%)、「自分の ICT スキルが不足している」(77.1%、72.6%)、「授業の計画を立てるのが難しい」(62.9%、57.5%)の割合が高くなっています。(「とてもそ
う感じる」と「ややそう感じる」の合計) ICT の活用を促進する要因

5.ICT の活用度が高い教員ほど、活用できたのは、「授業案を知ることができた」
「機器操作・授業計画作成を支援してもらった」から ICT「高活用」の教員は「低活用」の教員に比べて、「ICTを活用した授業例などの授業案を知ることができたから」(小学校教員:「高活用」43.7%>「低活用」23.1%)、「機器操作のサポートをICT支援員に行ってもらったから」(28.7%>6.8%)などの選択率が高くなっています。ICTを活用できた要因として、実践例を知ることや周囲の支援が関係していそうです。

【今回の調査結果から見えてきたこと】
 今回の調査結果から、学校でのICT活用に対して教員が前向きに捉えていることが明らかになりました。しかし、その活用の範囲はまだ狭く、ICT活用の本来の目的である「ICTの効果を最大限に発揮し、子どもの学びの方法を変える」という認識までには至っていません。不安を抱えながら、今後の活用を模索しているのが現状といえます。
 一方では、子どもたちに、基本知識・技能の習得だけでなく、自分の意見を表現する力などこれからの社会を生きていくために必要な幅広い力を身につけて欲しいと考え、そのために授業を変えたいという変革意識も見えはじめています。このことからも、ICTありきの活用ではなく、子どもたちに身につけて欲しい力の育成のためにICTを有効活用していくことが、とても大切であると考えます。
 めざましく発達するICTの効果を生かしていくためには、教員の不安を払拭し、子どもの能力や学力を伸ばすような幅広い活用に高めていくことが必要です。そのためには、まずは教員が取り組むこと、そしてさらに、授業方法の例示や授業計画・実践の支援など、教員を支える体制を整えることが求められるといえるでしょう。

【調査概要】
名称
「ICTを活用した学びのあり方に関する調査」
~教員が考える子どもたちに身につけてほしい力とICT活用について~
調査テーマ
小学校・中学校における授業でのICT活用の実態、教員の意識
調査方法
郵送法による自己式質問紙調査
調査時期
2013年10月~11月
調査対象
全国の公立小学校・中学校の教員 1,608名
(一般校(無作為抽出):1,103名、実践校:505名)
調査項目
ICT機器の整備状況/教員のICT活用取り組み年数/ICT活用のための学校内の体制/ICT支援員の存在/ICT活用の意向/ICT活用の効果/ICTの存在/ICT活用に対する不安/ICT活用における課題/ ICTを活用して現在取り組んでいること、今後取り組みたいこと/子どもに身につけさせたい力、身についている力/身につけたい力の授業での取り組み状況、今後の取り組み意向/一斉学習・個別学習・協働/協調学習の割合/授業観・指導観など
 ベネッセ教育総合研究所のホームページから、「本リリース資料」と「調査レポート」をダウンロードできます。調査の詳細は「調査レポート」をご覧ください。 http://berd.benesse.jp/global/


【添付資料】「ICTを活用した学びのあり方」に関する調査 詳細データ
ICT活用の実態
1.小学校教員の 8 割、中学校教員の 6 割が既に ICT を活用した授業に取り組む
 普通教室でのICT機器の整備状況をみると、「デジタルテレビ」(79.4%、70.5%)や「実物投影機」(88.1%、73.8%)、電子黒板(47.9%、43.9%)は普及が進んでいますが、「子ども用タブレット端末」は10%未満(7.7%、6.0%)にとどまります(「普通教室でつねに使える」と「普通教室で共有のものを使える」の合計)。その中で現在、授業でICTを活用している教員は、小学校で78.7%、中学校で61.1%です。また、授業でのICT活用の内容は、「子どもが興味を持つ教材をインターネットで集める」(71.5%、70.8%)や、「ノートや教材を実物投影機で映しながら説明する」(52.1%、28.3%)の割合が高く教材の収集・提示が中心となっています(「よく実施している」と「ときどき実施している」の合計)。

<図1> ICT機器の整備状況(一般校)


<図2> ICTを活用した授業の取り組み年数(一般校)


<図3> ICTを活用して現在取り組んでいること、今後取り組みたいこと(一般校)


今後のICTの活用意向
2.今後 ICT を活用したい意向がある教員は約 9 割に達する
 今後、ICTを活用したいと考える教員は、小学校で95.6%、中学校で87.8%です(「とても活用したい」と「まあ活用したい」の合計)。また、今後、取り組みたい内容に関しては、「教材の収集・提示」や「情報教育」の項目に加えて、「プレゼンテーション用のソフトを使って子どもが共同で資料をまとめる」(54.6%、64.3%)が半数を超えるなど、協働学習に及びます(「とても取り組みたい」と「まあ取り組みたい」の合計)。

<図4> 授業でのICTの活用意向(一般校)


ICTの効果・目的に対する意識
3.これからの授業を変えていく意識はあるが、ICT が「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は 4 割未満
今後、子どもたちのどのような力を育成する授業を増やしたいかをたずねたところ、「自分の意見を伝える力の育成」(56.2%、51.6%)、「友だちと協働する力の育成」(51.9%、49.6%)、「主体的に行動する力の育成」(50.4%、46.0%)について「とても増やしたい」が約 50%に達し、多様な力の育成について今後の授業で増やしていきたい意向がみられます。しかし、具体的な ICT の
効果については、「学習に対する子どもの興味・意欲が高まる」(91.9%、85.6%)と回答した割合が突出して高い結果になりました。「自分の興味・関心があることを自由に学べるにようなる」(38.5%、32.9%)、「一人ひとりの能力に合わせた学習の機会が増える」(32.7%、25.9%)など、ICT が「一人ひとりに応じた主体的な学び」に効果的と考える教員は 4 割未満にとどまっています。

<図5> 身につけさせたい力の授業での取り組み状況、今後の取り組み意向(一般校)


<図6> ICT活用の効果(一般校)


教師が考える課題と不安
4.教員は授業準備の大変さや自分のICTスキルに不安を感じている
ICTを授業で活用することについて、「とても不安」「まあ不安」と回答した教員は、小学校で50.2%、中学校で51.3%と約半数です。ICTを授業で活用する際の課題については、「授業の準備に時間がかかる」(77.7%、79.8%)、「自分のICTスキルが不足している」(77.1%、72.6%)、「授業の計画を立てるのが難しい」(62.9%、57.5%)の割合が高くなっています。(「とてもそう感じる」
と「ややそう感じる」の合計

<図7> ICT活用に対する不安(一般校)


<図8> ICT活用における課題(一般校)


ICT の活用を促進する要因
5.ICT の活用度が高い教員ほど、活用できたのは、「授業案を知ることができた」「機器操作・授業計画作成を支援してもらった」から
ICT「高活用」の教員は「低活用」の教員に比べて、「ICT を活用した授業例などの授業案を知ることができたから」(小学校教員:「高活用」43.7%>「低活用」23.1%)、「機器操作のサポートを ICT 支援員に行ってもらったから」(28.7%>6.8%)などの選択率が高くなっています。ICTを活用できた要因として、実践例を知ることや周囲の支援が関係していそうです。

<図9> ICTを授業で活用できた要因(ICT利用者のみ)(ICT活用度別)(一般校+実践校)
※ ICT活用度別は、「ICTを活用して現在取り組んでいること(全19項目)」をもとに、実施している項目の合計点
を算出し、その合計点でICTの高活用・中活用・低活用の3区分に分割し、その差を分析した。

注1) データは実践校を含むもの。 回答はICT利用者(ICTを活用した授業への取り組み年数をたずねる質問で、
「まだ取り組んでいない」「無回答・不明」の人以外)。( )内の数値はサンプル数。
注2) 複数回答。「その他」「あてはまるものはない」は図から省略した。
注3) ICT活用度について、「中活用」群は図から省略した。

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