電力の地産地消を促すトラッキングシステムの共同研究を開始
PR TIMES / 2019年9月2日 13時40分
~ブロックチェーン技術を活用し、RE100エネルギー普及加速を目指す~
オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:井上 亮)と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科は、このたび、ブロックチェーン技術を活用した電力の供給から消費までの履歴を証明するトラッキングシステムについて、共同で研究を開始しますのでお知らせします。
このたび、ブロックチェーン技術を用いて、電力取引データやGPS情報を基に、再生可能エネルギー由来の電力の発電地や電源種別、発電時間、供給者といった電力の産地を証明するトラッキングシステムの実証実験を行います。併せて、太陽光発電所や一般家庭などの複数の電源と、事業所や工場、電気自動車などの複数の消費地との「分散型ネットワーク」*1の同時同量*2マッチングの検証にも取り組みます。
複数の発電地と消費地の地理的な電力の輸送距離を最小化するシステム「REマイレージ」(アールイーマイレージ)*3の開発を行うことで、再生可能エネルギーの地産地消を促します。これらにより、需要家が近隣の電源から電力を購入することで地域経済の活性化に貢献すると同時に、送電時のロスを軽減し電力の効率利用にもつながります。
将来的には、電気自動車によるDR(デマンドレスポンス)*4、VPP(バーチャルパワープラント)*5を含めた総合的な電力ネットワークの開発や、自治体の災害時システムと連携することで、電気自動車を被災地での緊急電源に利用するといった社会システムへの応用も目指していきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/23075/518/resize/d23075-518-741652-0.jpg ]
近年、脱炭素社会やESG投資といった社会の関心の高まりを受け、企業や自治体が消費電力を再生可能エネルギーで100%賄う「RE100」を目指す動きが世界的に広がりを見せています。一方、発電所で作られた電力は、電力系統*6に集約され企業や個人などの消費者に届けられるため、従来型の電気供給サービスでは電気の由来がわからず、再生可能エネルギーの産地証明が課題となっていました。
オリックスは、太陽光や地熱、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電事業開発を積極的に展開し、全国に分散型エネルギーネットワークに資する電力供給施設を運営しています。東京大学は、ブロックチェーン技術等を用いた電力流通システムの研究をもとに、再生可能エネルギー導入を促進する新たな電力流通サービス開発基盤を研究しており、今回の共同研究に至りました。
両者は、今後も社会環境の変化を見据えて、バランスの取れた再生可能エネルギーの普及と、分散型エネルギーネットワーク社会の実現に貢献してまいります。
*1 分散型ネットワーク:大規模な発電所から集中して電力を供給する「集中型」に対し、比較的小規模で地域に分散している電力を近接地で利用すること。
*2 同時同量:電気はそのまま貯めておくことが難しいため、供給量と需要量を30分間の総量で常に一致させておくこと。
*3 REマイレージ(アールイーマイレージ):Renewable Energyマイレージの略。エネルギーの輸送距離を定量的に把握すること目的としたシステム(オリックスにて商標登録手続き中)。
*4 DR(デマンドレスポンス):従来は電力需要に合わせて供給側が電力量を変動させていたのに対し、需要家側が需要量を変動させて同時同量にすること。
*5 VPP(バーチャルパワープラント):小規模な発電所をIoTで制御して束ね、一つの仮想発電所のように機能させること。
*6 電力系統:発電所から電気を消費者に届けるための、発電、変電、送電、配電までの一連のシステム。
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