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南スーダン:深刻な洪水被害と人道援助の不足、危険な状況に

PR TIMES / 2021年11月24日 20時45分

南スーダン北部ベンティウは、過去数十年で最も深刻な洪水被害のため、感染症の拡大や水系感染症の流行、食料事情の悪化と栄養失調の増加に直面。人道援助団体と当局による対応の遅れにより、少なくとも15万2000人の避難民が、現在も過酷な生活を強いられている。国境なき医師団(MSF)は、ベンティウにおける人道援助団体や、国連、南スーダン保健省と政府に対して、一刻も早い食料援助のほか、水や衛生設備、避難所、医療提供体制の拡充を訴える。





[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/550/resize/d4782-550-0e0f166ad3e109031e2e-0.jpg ]



膨大な医療ニーズ


今年の洪水では、ユニティー州の州都ベンティウの人びとが最も大きな被害を受けたほか、全国で80万人余りが被災している。推定3万2000人が、周辺の村やギート郡、ニヤルドゥ郡の増水から逃れ、ベンティウにある4つの仮設キャンプで暮らしている。ベンティウの国内避難民キャンプの収容人数は、わずか2カ月で1万2000人も増加した。現在は少なくとも12万人が暮らし、この数週間でさらに数千人が到着したとみている。

洪水で自宅を失った28歳のジョンソン・ガイルアックさんは、「なにもかも破壊されました。一家全員、住み慣れた家を後にするほかありませんでした。ビニールシートや清潔な水、家族に行き渡るだけの食料といった必需品がなくて困り果てています。私の願いは、水位が下がって誰もが家に帰れること、そして十分な食料が行き渡ることです」と話す。

ベンティウのキャンプに人びとが詰めかけた結果、MSFの病院は定員超過となっている。患者のほとんどが5歳未満の子どもたちで、マラリアや呼吸器感染、栄養失調など、11月は1日平均180人の患者を診察した。8月から10月にかけて入院患者数が35%も増加し、既存のベッド数135床の病院に45床を追加。患者の急増に対応すべく、MSFは会議室と使用していない隔離施設を外来診療所と小児病棟に改造した。

一方ベンティウの州立病院は、診療時間は限られ、ベッド数も増えず、増加する栄養失調児の対応も基本的な医療も満足に行えない状況に陥っている。

「栄養失調は最大の懸念です。重度の急性栄養失調レベルが世界保健機関(WHO)の基準値の2倍に達している上に、重度の栄養失調で入院する子どもの数が洪水開始時の2倍に増えています」とMSFの緊急医療マネージャーを務めるジェイコブ・ゴールドバーグは話す。


病気の温床



[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/550/resize/d4782-550-b065c66ad42c02582f6b-1.jpg ]

ベンティウ・キャンプの生活環境は劣悪だ。洪水の影響で下水処理場は何週間も閉鎖され、使用できるトイレはほぼない。キャンプに来る人が増えるにつれ、排泄物がトイレからあふれ出て、野外での排泄が明らかに増加している。水が足りない上に、ごみ収集も行われないため、廃棄物はたまり、ヤギや犬といった動物の死骸が排水溝に放置されている。

以前からの過酷な生活環境が、洪水によって避難者が押し寄せたことでさらに悪化。急性水様性下痢、コレラ、マラリアなどの水系感染症の発生リスクが高まっている。

キャンプでの移動診療の約60%をマラリア患者が占め、マラリアの患者数の多さが懸念を呼んでいる。水が引くと蚊にとっては絶好の繁殖環境ができあがるが、キャンプの住民のほとんどは蚊帳すら持っていない。複数のMSF医療チームが急性水様性下痢の増加を確認しており、水と衛生環境の悪化が影響しているとみている。

「病院が満床の状況では、感染症や水系感染症が大流行しても、適切な対応に必要な場所を確保できません」とゴールドバーグは懸念を示している。


緊急対応が必須


MSFはベンティウで移動診療を運営するため、医療スタッフ、水と衛生設備の専門家、緊急対応コーディネーターからなる緊急チームを追加派遣した。キャンプでは病気の発生状況について調査・集計・監視を行うほか、衛生面の援助として、トイレからの汚物吸引、清掃、修理などに当たる。しかし、膨大なニーズを満たすには至っていない。他団体や機関による人道対応は、依然として遅く不十分であり、資金も足りていない。

[画像3: https://prtimes.jp/i/4782/550/resize/d4782-550-be0bc5a4e3ccb6cf74d9-2.jpg ]

MSFの緊急対応オペレーション・マネジャー、ウィル・ターナーは「一刻も早い人道援助対応の拡充を必要としています。避難民が大挙して押し寄せているにもかかわらず、今年初めには食料配給が半減し、キャンプの内外で十分な食料援助は行われていません。水と衛生設備を担当する団体や機関は、キャンプに健康危機が迫っているにもかかわらず、活動の規模をほとんど拡大していません。人間としての尊厳も保てない環境で、予防できる病気にさらされる暮らしを、住民にこれ以上押しつけてはいけません」と強調する。


[表: https://prtimes.jp/data/corp/4782/table/550_1_978d716f026830d32938ae6c68222829.jpg ]


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