日本山岳遺産基金が日本山岳遺産認定地として全国6箇所を決定
PR TIMES / 2017年11月2日 12時1分
インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)が2010年に設立した日本山岳遺産基金は、2017年度の「日本山岳遺産認定地」を決定し、以下の通り発表します。
■日本山岳遺産とは
日本山岳遺産基金が、地域の自薦に基づいて、当基金アドバイザリーボードの意見を参考に認定するもの。これまで7年間で美瑛富士(北海道)、早池峰山(岩手県)、徳本峠(長野県)、大台ヶ原(三重県)、石鎚山(愛媛県)、嘉穂アルプス(福岡県)など全国20箇所を認定してきました。
*日本山岳遺産基金アドバイザリーボード:田中文男(日本山岳・スポーツクライミング協会顧問)、西本武志(日本勤労者山岳連盟会長)、山川陽一(日本山岳会)、野口健(アルピニスト)
■2017年度の日本山岳遺産認定地と認定団体
2017年度の日本山岳遺産認定地と認定団体は以下の通りです。
本年度は8つの団体からの申請があり、アドバイザリーボードの助言のもとで、事務局で検討した結果、以下の6箇所を認定しました。
各認定団体には、本年度中に基金事務局と調整のうえ、助成金を拠出します。併せて山と溪谷社の媒体を活用した広報支援を行う予定です。
[画像: https://prtimes.jp/i/5875/1872/resize/d5875-1872-321449-0.jpg ]
●三ツ峠(山梨県)/三ツ峠ネットワーク
【山の概要】
開運山、御巣鷹山、木無山の3山の総称。奈良時代から霊山とされ、江戸末期に修験場として開山された。富士山・南アルプス・八ヶ岳などの眺望地で多くの登山者が訪れる。アツモリソウの自生地としても有名。
【認定団体】
2010年の設立以来、アツモリソウの監視・保護活動を中心に三ツ峠を愛する人々の相互交流を進めている。
【認定理由】
地域の山荘主人らの熱意に始まるアツモリソウの保護に長年の活動実績があり、深刻な鹿食害も進むなか、防鹿柵の設置も重要な活動である点を評価。
●岩手山(岩手県)/岩手山地区パークボランティア連絡協議会
【山の概要】
奥羽山脈北部にある成層火山。北東山腹の焼走り溶岩流は国指定特別天然記念物となっている。山体は形成時期の異なる火山の集合体とされ、形成時期による植生の違い、多様な地形に起因する特徴的な植生分布が認められる。山頂一帯と北東山腹の一部はコマクサ群生地で、岩手山高山植物帯として特別天然記念物指定を受けている。
【認定団体】
2014年より、環境省認定のパークボランティアの連絡調整を図るとともに、岩手山とその周辺地域の自然環境保全・登山道整備などに尽力している。
【認定理由】
地域に根ざした団体として地道な活動を続けており、オオハンゴウソウなどの駆除も自然植生の保全のために必要な活動である点を評価。
●入笠山(長野県)/入笠ボランティア協会
【山の概要】
南アルプス北端に位置し、ロープウェイ利用で手軽に登山が楽しめる。周辺には入笠湿原や大阿原湿原などが広がり、山頂は360度の大パノラマで八ヶ岳・富士山などを展望できる。登山の手軽さの一方で「花の宝庫」とも呼ばれ、初夏から秋まで途切れることなくさまざまな山野草が楽しめる。キノコや小動物なども豊富。
【認定団体】
2003年より、入笠山・入笠湿原での生態系保全活動を続けている。活動には地元のスポーツ少年団や子ども会も参加するなど、地域とのつながりも強い。
【認定理由】
活動が長期間継続されている点、地域の子どもたちも巻き込んでの次世代への環境教育も含めた活動である点が評価できる。
●二ツ森(秋田県)/白神コミュニケーションセンター
【山の概要】
秋田・青森県境に位置する白神山地の主要峰のひとつ。世界遺産登録のきっかけになった「青秋林道」の秋田県側終点に登山口があり、1時間程度で山頂に達する。登山道からは世界遺産の核心地域が眼下に広がり、ブナ林~ダケカンバ~森林限界へといたる植生変化が観察でき、周辺で暮らす動植物・昆虫の存在も季節ごとに感じられる。
【認定団体】
2013年より、白神山地・周辺地域での環境保全活動や啓発活動などを続けるとともに、観光振興との両立も図り、地域振興に寄与している。
【認定理由】
地域の人々、とくに児童、生徒向けの環境保全啓発活動など、助成を何に活かすかが明確であり、次世代への環境教育の面でも評価できる。
●霧ヶ峰(長野県)/霧ヶ峰草原再生協議会
【山の概要】
長野県の4市町にまたがる火山。最高峰の車山をはじめ、多くのピークで構成されるが全体に山体はなだらか。山中にある3つの湿原は「霧ヶ峰湿原植物群落」として国の特別天然記念物に指定されている。人との関わりのなかで形成された山頂部の草原、原生的な樹林などが組み合わさり、全国的にも希少な植生や生態系が形作られている。
【認定団体】
2014年より、「霧ヶ峰自然保全再生実施計画」に基づいて、各年度の作業計画を定めて、外来種駆除や草原再生作業を実施している。
【認定理由】
利用者も多く訪れるエリアであり、希少な植生や生態系の維持、草原の復元なども大切な活動である点を評価。
●伯耆大山(鳥取県)/グラウンドワーク大山・蒜山
【山の概要】
日本海近くに噴出した火山で中国地方の最高峰。剣ヶ峰を主峰にいくつかのピークを持つ。周辺では火山地形特有の変化に富んだ地形・地質が見られ、火砕流によって形成された火山灰台地が広く分布する。山腹から山裾にかけて西日本最大級のブナ林が広がり、標高や人の手の加わり方に応じて多様な森林環境がみられる。
【認定団体】
2008年より、大山・蒜山地域で生物多様性の保全・希少野生生物の保護・自然体験学習の推進など幅広い活動を進めている。
【認定理由】
大山という地域で親しまれている山を舞台にし、生物多様性を活かした里山と奥山の環境学習活用事業を行なうなど、活動内容もしっかりしている点を評価。
※各団体への助成内容と助成金額については、申請内容を鑑みて、調整中です。
■2018年2月には日本山岳遺産サミットを開催
当基金の活動を報告し、今年度の認定団体を表彰する「日本山岳遺産サミット」を2018年2月24日(土)に、東京・神保町のインプレスグループセミナールームにて開催予定です。基調講演のほか、認定団体による活動報告も行われます。
詳細は当基金のウェブサイト、ニュースリリース等で発表します。
■日本山岳遺産基金について http://sangakuisan.yamakei.co.jp/
登山と自然の専門メディア社である山と溪谷社が、日本の山岳自然環境の保全、次世代の登山者の育成、安全な登山の啓発を目的に、2010年に設立した任意団体。山岳地でのゴミ拾い、マナーアップの呼びかけ活動や、青少年登山への支援を行うとともに、日本山岳遺産を認定・発表し、上記の目的に沿った活動団体に助成を行っています。
【山と溪谷社】 http://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野で多くの出版物を展開しています。
【インプレスグループ】 http://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:唐島夏生、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「モバイルサービス」を主要テーマに専門性の高いコンテンツ+サービスを提供するメディア事業を展開しています。2017年4月1日に創設25周年を迎えました。
以上
【本リリースについてのお問い合わせ先】
日本山岳遺産基金 事務局 (株式会社山と溪谷社 内)
〒105-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
日本山岳遺産基金 事務局 TEL03-6744-1900(代) メール: kikin_info@yamakei.co.jp
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