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強皮症・全身性硬化症の治療薬として「タイペルカスト」が欧州で特許承認

QLife / 2023年8月18日 12時26分

さまざまな剤形の経口投与対象、投与量と投与頻度を幅広くカバーした特許

 メディシノバ(MediciNova,Inc)は2023年8月15日、タイペルカストに関して、強皮症、全身性硬化症を適応として出願中の特許に対し、欧州特許庁から承認の通知があったことを発表しました。この特許は、タイペルカストの強皮症・全身性硬化症に対する抑制または治療を対象とするもので、錠剤、カプセル及び液剤などを含む経口投与を対象とし、投与量と投与頻度を幅広くカバーしているとのことです。なお、同特許の期間は少なくとも 2035 年 6 月までをカバーすると報告されています。

 全身性硬化症(全身性強皮症とも呼ばれます)は、皮膚の他に肺・心循環器・消化管・腎臓などの内臓などが線維化し硬化する慢性疾患で、国の指定難病の対象疾病です。皮膚・内臓の硬化(線維化)の程度や頻度、疾患の進行状況は個々の患者さんによりさまざまです。病因は十分に解明されておらず、自己免疫の異常も関与すると考えられています。日本での推定患者数は2~3万人で、圧倒的に女性に多く、好発年齢は40~60歳代とされています。現時点では根本的な治療法は確立されていません。そのため、皮膚線維化の進行を抑え、内臓病変の出現や進行を抑えることが治療目標となります。レイノー現象(寒冷曝露などで手足末端の血管が収縮し皮膚色調が変化する現象)への血管拡張薬、肺高血圧症に対する選択的肺血管拡張薬、逆流性食道炎に対する制酸薬などが各症状への対症療法として用いられるほか、状況によっては免疫抑制剤が用いられることもあります。

 タイペルカストは、複数のメカニズムを有する経口投与の新規低分子化合物です。主な作用メカニズムはロイコトリエン受容体拮抗作用、ホスフォジエステラーゼ(PDE、主に-3および4)の阻害作用、5-リポキシゲナーゼの阻害などで、これらの複数のメカニズムを通して5-リポキシゲナーゼ(5-LO)経路を介した炎症抑制効果や線維化予防効果が知られています。

 メディシノバ取締役兼CMO(最高医学責任者)の松田和子氏は「今回の特許承認は、全身性硬化症の動物モデルスタディにおける良好な結果に基づくものです。同様の特許が既にカナダで承認されておりますが、本特許が欧州でも承認されたことはタイペルカストの潜在的価値を更に高める可能性があり、大変嬉しく思います」と、述べています。(QLife編集部)

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