ヤオ・ミン、シャックについて「世界最高の選手と戦ってみたかった」
NBA Rakuten / 2019年9月18日 21時0分
ヤオ・ミンとシャキール・オニールの対談番組「“センター”オブユニバース」を、Rakuten NBA Specialで配信している
日本バスケットボール界にとって今年最大のニュースは、八村塁が日本人としては史上初めてNBAドラフト1巡目指名を受けたことだろう(9位でワシントン・ウィザーズが指名)。スポーツメディアはもちろん、多くのニュース番組で大々的に報じられるなど、八村フィーバーは一種の社会現象と言えるほどだった。
しかし今から17年前、中国にはドラフト全体1位指名を受けてNBA入りを果たした選手がいる。229cmのセンター、ヤオ・ミンだ。
ヤオがバスケットボールを始めたのは9歳の頃。13歳で身長が2メートルを超え、17歳で国内リーグでプロデビューを果たすなど、中国では名の知れた存在だった。そんな彼がNBAと出会ったのは1994年のこと。ヒューストン・ロケッツとニューヨーク・ニックスが対決したファイナル――初めて中国で生中継された試合――だった。
アキーム・オラジュワン(ロケッツ)とパトリック・ユーイング(ニックス)という当時のトップセンターのマッチアップを見て、ヤオは「いつかあそこでプレイしたい」と思ったという。その後、サイズもスキルも成長を続ける中国の至宝に、NBAのスカウトが注目。2002年のドラフトで、1位指名権を持つロケッツの指名を受けた。
無論、アメリカのカレッジを経験していないアジア人に対して、懐疑的な声もあった。ドラフト中継で解説を務めたチャールズ・バークレーは、「NBAでは苦労すると思う。自分ならカロン・バトラーかジェイ・ウィリアムズを指名するね」とコメントしている。そんななかNBAデビューを果たしたヤオは、序盤こそ苦戦を強いられるも徐々にNBAの水にも慣れ、サイズを生かしたプレイでマークマンを圧倒。ロケッツの決断が間違っていなかったことを証明したのだった。
「誰が相手だろうとぶっ潰すつもりだった。いったんスイッチが入れば、あとは叩きのめすだけ」と語るのは、ヤオがプロ入りする10年前の1992年にドラフト1位指名を受けたシャキール・オニールだ。軽々と相手を吹き飛ばすパワーと屈強な体躯に似合わぬ俊敏さを兼ね備えるビッグセンターは、ペイントエリアを文字通り支配した。
ロサンゼルス・レイカーズに在籍した2000年に初優勝を飾ると、2002年まで3連覇を達成する。「ビル・ラッセル(元ボストン・セルティックス)の11回に追いつくのはちょっと無理だけど、カリーム・アブドゥル・ジャバ―(元レイカーズほか)の6回ならいけると思った。ウィルト・チェンバレン(元レイカーズほか)の2回はとっくに超えてたから、とりあえずジャバーの記録を抜いて俺が一番だと言ってやりたかった」と後に振り返っている。
ヤオがNBAに飛び込んできた2002-03シーズンは、史上2チーム目となる4連覇を目指して戦っていた。そして2003年1月17日、2人のビッグセンターはついに対峙するのだった――。
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現在、Rakuten NBA Specialでは、シャックとヤオの対談をメインにしたドキュメンタリー番組「“センター”オブユニバース」を配信している。番組では、久々の再会を果たした2人が当時の思い出を語り合った。
「世界最高の選手と戦ってみたかった」と振り返りつつ、試合当日に「駐車場で車の運転の練習をしていたら、ぶつけちゃった」と裏話を明かしたヤオに対して、シャックも「親父は君の大ファンだった。君とは何度も戦ったけど、誰よりも手ごわかった」と打ち明けている。また、ヤオがシャックへある贈り物をしていたこと、引退について、センターというポジションについてなど、話題は多岐にわたった。
そのほか、シャキール・オニール ~バスケット人生に隠された秘話~、「セルティックス盟友対談」ラリー・バード×ケヴィン・マクヘイル、ジェームズ・ネイスミス ~バスケットボールの誕生と進化~、ビンス・カーター「ザ・インタビュー」、伝説のゲーム~1976年NBAファイナル第5戦の舞台裏~、「NBAファイナル:語り継がれる名シーン」とったドキュメント番組も配信中。さらに、9月25日(水)には、八村塁が所属するウィザーズのフランチャイズをフィーチャーした「ザ・シティ・ゲーム~ワシントンD.C.~」が配信予定となっている。
(C)2019 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.
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