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高齢化が進む中国、どうすれば高齢者層が充実した老後を送れるか

Record China / 2024年3月12日 23時30分

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高齢化が進む中国ではどうすれば高齢者層が充実した老後を送れるだろうか。写真は医療・リハビリ施設でマッサージを受ける高齢者。

中国では旅行会社のツアー客の多くが高齢者となり、高齢者向け教育機関である「老年大学」では高齢者が熱心に学び、求人の場でも高齢者の通院に付き添う「陪診師」や「長期介護士」といった「新職業」が次々誕生している。人口の高齢化が進んでいるのを背景に、どのようにして高齢者層に充実した老後を送ってもらうかという問題について、今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)では代表委員が熱心に議論を交わした。中国新聞社が伝えた。

オンライン旅行プラットフォーム「去哪児」がこのほど発表したデータによると、春節(旧正月、今年は2月10日)明けから、55歳以上の「シニア世代」の旅客が目に見えて増加していた。貴州省の多くの観光スポットが高齢者観光客でにぎわっており、高齢者層の旅行ニーズが高まっているのを背景に、全国人民代表大会の代表を務める貴州省黔西南プイ族ミャオ族自治州の黄興文州長は、「各地の観光スポットはインフラを整備し、高齢者に優しい施設を増やし、オールバリアフリーの高齢者向けの旅行環境づくりを進めなければならない」との見方を示した。

全国人民代表大会の代表を務める河北省承徳市の王亜軍市長によると、同市はリハビリやヘルスケア、レクリエーションなどが一体となったウエルネス拠点や旅行・居住商品を打ち出しており、北京や天津の60歳以上の高齢者を対象に、無料宿泊体験や観光スポットの入場券無料・割引きといった取り組みを実施して、両都市の高齢者を呼び込んでいる。

高齢者層も充実した生活を望み、「老年大学」の人気も高まっている。中国人民政治協商会議全国委員会の委員を務める孟艷氏(民進北京市党委員会・文化芸術委員会副主任、北京市第二中学《中高一貫校》アート・スポーツセンター主任)は、「中国の高齢者向け教育は現在、主に『老年大学』や『老年学校』頼りで、その運営形式が単一的であるほか、カリキュラムのコンテンツも充実していない」と指摘した上で、「高齢者向けの教育機関を大々的に発展させ、高齢者を対象とした遠隔教育を推進し、学習内容を積極的に開発し、スクーリングや体験学習、オンライン学習、読書会、講座、遊学、ボランティア活動などと結びつけて推し進めることができる」と提案した。

介護サービスセンターで工作をする高齢者

全国人民代表大会の代表を務める湖北大冶有色金属集団の社員の李莉さんは高齢者の「デジタル・ディバイド」解消を望んでいた。彼女の調査研究によると、テレビのデジタル化が進むにつれて、テレビ1台につきリモコンを2~3個必要とするのが一般的で、それらを使いこなすことでようやくテレビ番組を見ることができる。しかし暇つぶしにテレビを見る高齢者にとっては、これが難しい作業となってしまっている。そこから彼女は「バリアフリー家電」を作ることで、高齢者や身体障害者に「情報バリアフリー」環境を提供することを提案した。

人口に占める高齢者の割合が高まるにつれて、介護・ケアのニーズも高まっている。政府活動報告の起草グループの責任者である中国国務院研究室の黄守宏主任は5日、国務院新聞弁公室が開いたブリーフィングにおいて「1000万人以上の介護士が必要であるものの、現時点では約30万人しかいない」と明らかにした。 関連の人材ストックを充実させ、高齢者層がより良いケアを受けることができるようにすることについて、全国人民代表大会の代表を務める湖北省十堰市太和病院の李龍倜副院長は、「現在の介護士人材には、その専門能力がやや低く、社会的な評価も高くないという問題が存在している。介護専門の高等教育機関に、介護・ケアや慢性疾患ケアといった学科を開設し、高齢者がより効果的で、専門的なケアを受けることができるようすると同時に、待遇や奨励といった面の政策を制定して、人材のサポートも行う必要がある。ハイレベル人材を下支えとすることで、中国のシルバー経済はより力強く発展するだろう」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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