中国の新エネ車産業、先進国の内燃エンジン車が水素エネルギー車を打ち負かす?
Record China / 2024年3月23日 8時0分
さらに、どの国のEVプロジェクトであろうと、今や中国のEV産業チェーンと切り離せない。その上、各国にとって充電ステーションなどの基盤インフラ整備は当初考えていたよりはるかに大きな負担となった。自動車メーカー主体で充電基盤を整備しなければならない。そのためインフラまで含めた産業チェーンの生産性が中国ほど高くない。
従って、先進国の取る合理的アプローチは、内燃エンジン車に先祖返りし、統一戦線を組み、貿易障壁を高くすることになる。
日本の水素と同じジレンマ
一方、日本は早くから水素エネルギー技術を開発してきた。産業チェーンを形成し、技術特許の囲い込みを行っている。トヨタ、ホンダ、日産、パナソニック、東芝などの日本企業は水素エネルギーと燃料電池技術の世界的リーダーだ。トヨタだけでも燃料電池関連特許は6000件に及び、世界の半分を占める。水素エネルギー関連全体では、日本の自動車企業が世界の70%を占める。この一強状況に対し、中国、米国、欧州は追随しなかった。
その理由は水素エネルギー技術の未熟や水素燃料の製造、貯蔵、輸送コストの高さにある。水素ステーションの建設費はガソリンスタンドの4倍、運営費は7倍かかる。そして日本は資源に乏しく、国内市場は小さい。産業の推進力を他力に依存するしかないが、ほとんどの自動車生産国からは支援を得られていない。
燃料車との持久戦
中国の新エネルギー車産業も日本の水素産業と同じ道をたどるのだろうか。いやそうではない、というのがこの記事の核心だ。その理由は以下の二つ。
1.中国の市場は巨大で、産業チェーンがすでに整い、国内プレーヤーだけで業界全体を駆動できる。国内市場に依存していても、自力で産業チェーンを好循環させられる。海外市場はまだ小規模で、先進国市場に展開できなくても、中東や第三世界諸国への市場開拓が可能だ。
2.中国のEV産業はバッテリーの進化やダイカスト成形導入などにより、原料コスト、車両コストが低下している。さらに電子制御システムやスマート化などにより、成熟度を高めている。
結局、中国のEV産業を日本の水素エネルギー産業のジレンマに陥れようとする試みは失敗に終わるだろう。それより内燃エンジン車との長い持久戦に入ったとみるべきだという。
水素エネルギーの推進と石油エネルギーへの回帰はいずれも失敗する可能性が高いとし、中国はその空隙を突いてEVを磨き上げるべきだと指摘する。バッテリー技術の欠点や汚染問題を解決し、品質と安全性の高いより上の次元の製品を作り上げれば、先進国の試みは恐れるに足りない。
しかし、こうした分析が出てくること自体が恐れと不安の証明だ。長い持久戦の幕が上がりそうだ。
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