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よい塾の条件は先生よりテキスト だれが教えても差がつかないようにするのが経営者です 桜井信一の攻める中学受験

産経ニュース / 2024年4月27日 10時0分

子どもが少なくなるというのに中学受験塾の教室はどんどん増えていくじゃないですか。人気駅の周りを見渡すと、コンビニよりも歯科よりも多い。この全ての校舎に塾の先生がいるわけです。

この拡大にクオリティがついていくためには、講師の質で勝負するのではなく、テキストの質で勝負するしかないのです。想像すればわかりますよね。この数だけ受験算数をわかりやすく教える先生がいるとは考えにくい。また、国語を読めるように指導できる先生がいるとも考えにくい。

塾の先生という仕事は結構ブラックです。みんなが休んでいるときに働いていますし、夜も遅く、自分の子どもはほったらかしという人も多い。特にお正月が受験前に当たるため、家族どころではないのです。

それでもいい先生はいる。しかし、残念なことに、いい先生に限って、いい先生だからこそ、バックヤードに下がったり、独立して自分の方針で指導したくなったりと、塾から去っていくのです。

これは塾特有の話ではありません。大企業でも転職する人はたくさんいます。気がついたら同期がいないなんて話は中高年になるとよく聞きます。それでも企業が同じクオリティを保っているのは会社の背骨になる部分が既に完成しているからでしょう。そこからイノベーションしていくために一部の優秀な人材が必要なのかもしれません。

塾としても人材で経営が揺らぐわけにいかない。人気の先生がビズリーチ!されたくらいで経営難に陥るわけにいかないのです。すると固めるべきはテキストということになります。しかし、これには大きな予算が必要、当然大手塾が有利になるわけですね。

多くの先生が教えてもなるべく差が小さくなるようなテキストの開発。ここに大きな予算を使う塾がいいと思うのです。

前回取り上げさせていただいた入江塾のような名物先生の時代は終わった。一部例外があるとすれば医学部専門予備校のチーム講師という作戦。このやり方が凄いのです。次週はその辺りをお話ししようと思います。

筆者紹介

桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。

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