京都北部でも観光公害の懸念 宮津市の昨年の外国人宿泊客、前年の15倍に
産経ニュース / 2024年4月17日 14時49分
令和5年に京都府宮津市で宿泊した外国人観光客が前年の約15倍に達し、新型コロナ禍前の元年を超えて過去最多となったことが市の調査で分かった。コロナの水際対策の大幅緩和や円安が主な要因。市内にある日本三景の一つ、天橋立の知名度は海外でも高く、特に台湾からの団体旅行客が増えているという。市は「(今後も)増加傾向が続く」とみている。
5年の外国人宿泊客数は5万7717人で、4年の3907人から大幅に増加。最も多かった元年の5万4267人を6・4%上回った。
市商工観光課の担当者は「4年も渡航制限緩和の影響で前年から大幅に増えたが、5年は円安傾向も相まって勢いがさらに強まった」と分析している。
5年5月にコロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、行動制限がなくなったことを背景に旅行需要が回復。宮津市を訪れた観光客は前年を19・2%上回る276・3万人に達した。訪日客を含む府外からの観光客は26・8%増加し、全体の8割以上を占めた。
観光消費額は宿泊費の増加が寄与し、前年比39・3%増の117億4142万円。1人当たりの消費額は物価高の影響を受けて16・9%増の4249円といずれも過去最高となった。
今後も訪日客の増加が期待される一方、「市内の宿泊施設は人手不足の状況」(同担当者)。交通渋滞などオーバーツーリズム(観光公害)への懸念も強まっており、受け入れ態勢の強化が課題となる。(橋本亮)
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