核燃料サイクル実現に再処理工場の稼働と中間貯蔵施設の確保が不可欠
産経ニュース / 2024年4月26日 21時37分
佐賀県玄海町議会は26日の本会議で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを求める請願を賛成多数で採択した。国は原子力政策の柱として使用済み核燃料を再処理して繰り返し使う「核燃料サイクル」を掲げる。実現には最終処分場だけでなく、使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設の整備や、ウランやプルトニウムを抽出する再処理工場の稼働が急務となっている。
原子力発電所を稼働させる電力会社も対応を迫られている。全国の原発施設内の燃料プールには使用済み核燃料がたまり続け、容量の限界が見えるからだ。中でも国内最多の7基の原発が再稼働した関西電力では、高浜原発の燃料プールが約4年で満杯になる見通しで、切迫した状況だ。
福井県から県外への搬出を求められてきた関電は昨年、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)やフランスへの搬出、中間貯蔵施設の確保を県に示した。また、中国電力と共同で山口県上関(かみのせき)町に中間貯蔵施設の建設を目指し、今月23日には中国電が同町でボーリング調査を開始。再処理工場などへの搬出まで核燃料を福井県内の原発敷地内に一時保管する「乾式貯蔵施設」を設置する計画についても、原子力規制委員会に許可申請している。
一方、核燃料サイクルの要となる日本原燃の再処理工場はこれまで完成延期を繰り返してきた経緯がある。日本原燃は「完成は令和6年度上期のできるだけ早く」とするが、早期稼働が見通せない。
肝心の再処理工場の稼働が実現しなければ一連のサイクルは回らない。こうした中、関電は六ケ所村の再処理工場へ社員を派遣する。昨年11月には新たに4人を派遣し、現在約40人態勢で審査の迅速化を支援している。担当者は「審査・検査の加速に向け、対応していく」と話している。(清水更沙)
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