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地域政党「自由を守る会」 無免許事故を起こした都議の報酬等に監査請求

政治山 / 2022年3月11日 13時39分

 東京の地域政党「自由を守る会」(代表=上田令子東京都議会議員・江戸川区選出)は2021年12月1日、所属する東京都議会議員、区議会議員、市議会議員の連名で、東京都監査委員に対して、住民監査請求を提起し、記者会見を行いました。

記者会見の様子

記者会見の様子

 住民監査請求の内容は、無免許で人身事故を引き起こし、相手方を負傷させながら、それを隠蔽し、都民ファーストの会公認候補として東京都議会議員選挙に当選した木下富美子氏(11月22日に議員辞職)に支給される議員報酬や期末手当(ボーナス)について、返還や支給差し止めを求めるものでした。

 具体的には、主位的請求は、(1)支払われた議員報酬327万4000円につき、支払いの日から年5分の利息とともに返還を求める、(2)支払われる予定の期末手当(ボーナス)115万5882円につき、支給を差し止めること、(3)都民ファーストの会東京都議団に(当選直後の7月分として)政務活動費として交付された金員50万円につき、支払いの日から年5分の利息とともに返還を求めること、の3点。また、予備的請求は、期末手当が支払われた場合には、直ちに支払いの日から年5分の利息とともに同額の返還を求めること、です。

 なお、11月29日に「自由を守る会」が住民監査請求を提起する予定である旨を公表したところ、翌30日、木下氏はまるで慌てたかのように、期末手当(ボーナス)を受け取っても寄付する意向を表明しました。住民監査請求自体の効果だと分析しています。また、本件住民監査請求に対しては、東京都監査委員は「監査を実施しない」との結論を出しました。毎度のことながら、「事なかれ主義」であまり役に立たないのが自治体の監査制度です。

 さて、木下氏は、寄付する意向を表明したわけですが、議員報酬や期末手当(ボーナス)をいずれかの関係団体に寄付したとしても、東京都に返納するわけではありませんから、東京都の財政の欠損が埋められるわけではありません。議員を辞職し、次の選挙への立候補意思がないのであれば、東京都に返納したとしても公職選挙法が禁じる寄付行為にはならないとも考えられます。関係団体への寄付では、根本的な問題は解決しないと言わざるをえません。

 木下氏の一連の問題を通じて、長期にわたって会議を欠席する議員の報酬や期末手当(ボーナス)の支給基準がクローズアップされました。私の調査によれば、長期欠席議員に対する減額措置を講じる条例を保有している自治体と保有していない自治体があることが分かりました。もちろん出産のための欠勤や公務災害による負傷のための欠勤に対しては特別な配慮が必要であり、欠勤扱いからは除外されるべきものですが、一般の公務員の長期欠勤には減額規定があるわけですから、議員だけ「お構いなし」では、議員特権との指摘を免れません。早急に減額規定を整備していくことが求められます。

 東京地裁は2月15日、木下氏に対して懲役10カ月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。「急成長した会社はもろい」とよく言われますが、候補者の粗製濫造が何を招くか、今回のケースは、どの政党にとっても示唆に富んでいると思う次第です。

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