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つらい膝の痛みの原因は座り方に? 温めてもマッサージしても治らない膝痛のためにほぐすべき意外な部位

集英社オンライン / 2024年3月5日 11時1分

先日、久しぶりに旅行に行き、ハイキングを楽しんだら、次の日からどうも膝の調子が悪い……。膝を曲げ伸ばしや正座がつらく、とりあえず温めようと温湿布を貼ったりマッサージをしてみたりしたが、あまり改善の兆しがない。ありがちだけど、けっこうつらい膝痛の原因やセルフケアについてGENRYU 綜合整体 院長の安部元隆先生が解説する。

膝痛は伏在神経の圧迫によって引き起こされる

膝痛の原因は、加齢により膝の軟骨がすり減って膝関節が変形してしまう「変形性膝関節症」、膝関節のクッションの役割をしている半月板が傷んだり、亀裂が入ったりすることで痛みがあらわれる「半月板損傷」、膝関節の内側に炎症や痛みが生じる「鵞足炎(がぞくえん)」などがあげられますが、他にも、筋膜の癒着や靭帯の拘縮などが原因になっている場合があります。



一方、最近よく話題にあがるようになってきたのが、伏在(ふくざい)神経が圧迫されて、膝の痛みの原因になっているケース。
この場合、膝の周りを温めたり筋肉をマッサージしたりしても、あまり痛みの改善がみられません。

伏在神経とは太ももの内側中央から脛の内側にかけて位置していて、膝関節内側から脛の内側周辺までの感覚を司る神経線維で、主に膝関節の安定性やバランスに重要な役割を果たしていると言われています。

この伏在神経はその走行上、筋肉による圧迫を受けやすい場所を通っています。具体的には、太ももの中央内側にある筋肉の長内転筋(ちょうないてんきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、縫工筋(ほうこうきん)、大内転筋(だいないてんきん)に囲まれた筋性のトンネル「ハンター管」を通ります。これらの内ももの筋肉が固くなってしまうと、「ハンター管」内で伏在神経が圧迫されてしまい、「ハンター管症候群」と呼ばれる膝の痛みやしびれを伴う、膝痛を引き起こしてしまいます。

他に伏在神経に障害をきたす問題として、「仙骨の硬さ」があげられます。

仙骨が硬いと膝痛の原因になる

仙骨は骨盤の中心に位置していて、背骨の一番下にあります。仙骨には上半身と下半身をつなぐ役割があり、仙骨と腸骨で構成される仙腸関節によって、さまざまな動きを行うことができます。


ここが硬くなると、股関節の動きが悪くなり、太ももの外側の筋肉を過剰に使用してしまうケースが多くみられます。
その結果、膝は外側にねじれてしまい、伏在神経やその周りの組織は常に伸ばされた状態、いわゆる伸長圧がかかってしまい、膝に痛みを感じるようになるのです。

では、なぜ仙骨が固まってしまうのか?

これは座っているときの姿勢が主な原因といわれています。
椅子に腰かけるとき、背もたれにだらりともたれかかって、骨盤が後ろに倒れている座り方をしていませんか? これは「仙骨座り」と呼ばれていて長時間のデスクワークやスマホを見ているときに、よく見られる姿勢です。
また、女性に多いですが「横すわり」を繰り返したり、「脚を組む」姿勢を常に行っていたりすると、片方の仙骨に負荷がかかりすぎてしまいます。

こういった座り方をしていると仙骨が硬くなり、膝痛の原因になるのです。

膝痛はもちろん、加齢や運動不足による筋肉の低下、急激な体重増加によって膝の負担が大きくなる、また運動しすぎて膝を使い過ぎしまうことなども主な原因と言われていますが、ふだんの何気ない座り方が膝痛の原因にもなっているのです。

膝をマッサージするのでなく、内ももの中心をほぐす

膝痛に悩む人は仙骨座りをせず、椅子に深く腰をかけて骨盤を立てるようにする、正しい座り方を心がけましょう。
また、膝痛がつらい人におすすめのセルフケア方法を紹介します。

まず皮膚と筋膜の癒着をとって、筋肉を動きやすくしましょう。
ポイントは伏在神経の周辺の内ももをほぐすことです。
ほぐす場合は椅子やベッドに座った姿勢もしくは、あぐらをかいた姿勢で行ってください。

1 内ももの真ん中周辺の皮膚を親指と人差し指を使って、上に持ち上げていきましょう。ここで伏在神経が圧迫されていたり、トラブルがあったりする人は、とても痛みを感じるかもしれません。この方法で皮膚と筋膜との癒着をはがしていきます。その際は、痛みが出ない範囲で行っていただければ大丈夫です。


2 次に下図の場所に両手の人差し指、中指、薬指を当てて、横方向と縦方向に30秒〜1分ほぐしてください。同じく伏在神経が圧迫されていたり、トラブルがあったりする人は、痛みを感じると思います。ここも痛気持ちいい程度の圧でほぐしていただければ大丈夫です。

画像提供/GENRYU綜合整体

最後に伏在神経の周辺をほぐしましょう。

3 先ほどほぐして頂いた場所から、上下(とくに下にずらした場所が固くなっています。)に指を3本ずらして、同じように横方向、縦方向に30秒〜1分ほぐします。

神経周りなので、あまり強い力でほぐさず、優しく指を動かすようにしてください。

また、デスクワークの時間が長い人は仙骨をほぐすケアも一緒に行うのがおすすめです。
仙骨は骨盤の中心(尾てい骨の少し上)に位置します。
仙骨の中央は少し出っ張った形状になっていますので、左右に指を1本ずつずらして触ってみてください。おそらく、膝に痛みがあるほうの仙骨に硬さや痛みを感じると思います。

画像提供/GENRYU綜合整体

痛みがあるほうの仙骨に両指を3本(人差し指、中指、薬指)あてて、横方向と縦方向に30秒〜1分ほどほぐすことで、仙骨の硬さが改善することが期待できます。

お風呂上りなど体が温まっている状態で行っていただくのがおすすめです。

膝痛がつらいと、歩いたり出かけたりするのがますます億劫になってしまい、そのことによって、生活習慣病やほかの症状を引き起こす原因になってしまいます。

膝に痛みを感じたら、内ももから膝の内側を軽くほぐすようしてみてください。

ただし、歩けないほど強い痛みやしびれが続くようなら、早めに整形外科を受診しましょう。


取材・文/百田なつき

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