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天才肌ユースケの足を引っ張っていたダイアン・津田のツッコミ力が、めきめき“ゴイゴイスー”になった先輩芸人の「ツッコミ1000本ノック」

集英社オンライン / 2024年4月6日 19時0分

レギュラー番組20本に迫るかまいたちが味わった「テレビ出演ゼロ」の窮地。そのとき超売れっ子になるために封印したものとは〉から続く

東京進出から6年。2023年夏にはFNS27時間テレビ(フジテレビ系列)のMCを務めるまでの売れっ子になったダイアン。ツッコミの津田篤宏は「ゴイゴイスー」のギャグでソフトバンクのCMに出演するまでになったが、ブレイクまでは彼がコンビの足を引っ張ることもしばしばだったという。

ツッコミが課題だったダイアン

「ゴイゴイスー」のギャグで人気沸騰、大活躍のダイアンだが、これも「津田くんのツッコミの成長ぶりがあってこそ」と語るのは吉本NSC伝説の講師・本多正識氏だ。

滋賀県の中学の同級生だったふたりがNSC大阪校に入学したのは1999年のこと。当時のふたりの印象を本多氏はこう回想する。



「まず驚かされたのはユースケくんの稀有なお笑いの才能。何も教えていないのに、最初からゆったりとした漫才に最適な間でしゃべくりができる。こういう才能の持ち主は漫才師を目指す人でも何百人に一人いるかいないかです。私が知っているなかではダウンタウンの松本くん、フットボールアワーの岩尾くんがそうでした」

その天才肌・ユースケに比べて、相方の津田はいたって平凡な存在だったという。

「うまくもなければ、下手でもない。ごくごくふつうの生徒でした。ただ、特別な間でしゃべるボケ担当のユースケくんがあまりに天才的すぎて、横に並ぶとツッコミ担当の津田くんがものすごく下手に見えてしまうんです(笑)。

だから、このコンビが売れるか売れないかは津田くんの成長しだい。彼のツッコミが上達し、ユースケくんのボケをうまく生かせるかどうかがカギになるなと見ていました」(本多氏)
 
ところが、津田のツッコミはさっぱり上達しない。

「たとえば、A、B、Cと3パターンのツッコミがあったとして、Aが最高、Bが次善の場面で津田くんはなぜか、平凡なCのツッコミをしてしまうんです。しかも、緊張のためか早口になったり、声が小さくなったりするため、語尾がはっきりと聞き取れない。

せっかくユースケくんが最高のボケをかましているのに、津田くんのツッコミがイマイチでそのおもしろさが客席に伝わらないことがしばしばでした。そのため、津田くんには『最後までもっと大きな声でしゃべれ』と日課のように注意していたんですが、なかなか改善しませんでした」

やがて、業を煮やした本多氏はこんなショック療法のようなことばを津田に投げかけることに。ふたりがNSCを卒業して3~4年目、ようやく『ダイアンっておもしろい』との声が関西で聞こえるようになった頃のことだった。

「舞台袖で二人に『ユースケ、津田とのコンビ解消してもっと上手なツッコミを探したらどうや。そうすれば、もっともっと人気が出るで』と言ってみたんです。もちろん、本心ではありません。ふたりは同郷の幼馴染で仲がよく、コンビ別れなんて絶対ありえない。そんなダイアンだからこそかけられた、キツめのハッパでした」

 「ええツッコミやったら、ここ、ここにいますやん‼」

津田は本多氏の本当の狙いをもちろん知らない。本多氏の言葉に自分の顔を指で指しながら、こわばった表情でこう反論したという。

「本多先生、何てこと言わはるんでっか。ええツッコミやったら、ここ、ここにいますやん‼」

この本多氏の激辛エールが効いたのか、それからしばらくすると津田のツッコミに明らかな変化が生まれた。本多氏がこう目を細める。

「めきめきと津田くんがツッコミの腕を上げてきたんです。以前のようにせっかくのユースケくんのボケを台無しにしたり、邪魔したりすることもない。それどころか、現在を彷彿とさせるようなキレキレのツッコミで、どっと客席を沸かせるシーンも目立つようになりました。

同時にそれまで5年連続で準決勝敗退していたM-1でも07年、08年と2年連続で決勝へと駒を進めた。津田くんのめざましい成長でダイアンは着実に漫才の腕を上げつつあるなという印象でした」

こうなると、NSCの講師としては教え子の急変貌ぶりの理由を知りたい。そこで本多氏は一度、津田に「どうやってツッコミ芸を磨いたんや?」と聞いたことがあったという。津田の返事は「先輩芸人らが繰り出してくれるボケの千本ノックのおかげ」というものだった。

当時、関西ローカルのテレビ番組でダイアンは千鳥やサバンナといった先輩芸人と共演することが多かった。

「津田くんによると、千鳥のふたりやサバンナの高橋君らが自分をかわいがってくれて、ここでツッコミを入れると大爆笑まちがいなしというような巧みなボケをまるで千本ノックのようにがんがんと振ってくれる。そうなると、こちらも先輩のボケをスベらせてはいけないと必死でいいツッコミを返すしかない。

それを繰り返しているうちに、より大きな笑いがとれるようにきちんと考えてからツッコむという意識が身につき、ツッコミの腕が上がった。千鳥さんやサバンナさんには本当に感謝しかないと言っていました」(本多氏)

愛されキャラが呼んだ代表ギャグ

現在、ソフトバンクCMでも披露している津田のギャグ「ゴイゴイスー」も先輩芸人からの千本ノックの中で偶然に生まれている。

あるお笑い番組の大喜利コーナーでのこと。司会役のサバンナ・高橋から「もっと面おもしろく!」と迫られた津田が苦し紛れに叫んだセリフが「ゴイゴイスー」だった。

「津田くんは本当に誠実で裏表がない。誰もがそばに近づいていじりたくなるような愛されキャラなんです。千鳥やサバンナが、笑いがとれるボケをたくさん振ってあげたくなるのもよくわかります。そのボケの千本ノックのおかげで津田くんのツッコミの実力がぐっとアップし、『ゴイゴイスー』の持ちネタも生まれたんです」(本多氏)

津田がボケの千本ノックを浴びてツッコミ芸を磨き、ボケ役のユースケの持つ天才的なしゃべくりの間を生かせるようになったのは2007年から2008年にかけて。この2年間がダイアンが人気芸人へと羽ばたく転機だったことはまちがいない。

 

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