星が誕生する「ゆりかご」となる神秘的な青いリボン
sorae.jp / 2020年7月19日 22時0分
宇宙で輝く星星は、ガスや塵の集まりである星間雲(または分子雲)が重力によって集まって誕生するとされています。あの巨大な恒星がそんなフワフワしたものでできているなんて、ちょっと信じがたいですよね。でもESA(欧州宇宙機関)が公開した「将来星になるリボン状のガスや塵のあつまり」を見れば、なんとなくその実感が湧くかもしれません。
この画像は、天文学者ウイリアム・ハーシェルに因んだ名称を持つハーシェル宇宙天文台によって撮影されました。青い部分は星雲の冷たい部分、赤い部分は温かい部分を示しています。少し不思議な話になりますが、天文学者は星の形成を観察する際に「銀河の最も冷えた部分」を探します。これは、星が活動(核融合)を始める前には収縮により体積が小さくなり、周囲の温度が下がるからなんです。
また星星を形成するガスや塵は非常に低温(10〜20ケルビンほど)なので、光学望遠鏡では真っ暗にしか映りません。しかし遠赤外線で観測すると、このような美しい天体活動が観察できるんです。
そして、このような星を作る星雲の最も冷たい部分は温かい部分の間にフィラメントのような形を形成することも観測されています。上の「G82.65-2.00」と名付けられた青い星雲のフィラメントは、太陽の800倍の質量を持ちます。しかし、その温度はマイナス259℃と極寒。そして、この中から新たな星が生まれるのです。
(※この記事は2016年3月に公開した内容を再編集したものです)
Image Credit: ESA
Source: ESA
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